常念山脈を行く-3(2019/05/26)

山の記録

2019.05.27 23:40

縦走3日目。当初の予定では前日に蝶ケ岳まで歩き、今日は上高地へのんびり下るだけだったが、前日に常念岳手前の常念小屋でストップしてしまったので、小屋から400mを登り上げて常念岳に登り、そこから同じくらい下って、また蝶槍に200m登り返すという行程が増えてしまった。ゴールの上高地までは先が長い

冒頭の写真は河童橋からの穂高の眺め。3月上旬に釜トンネルからテン泊装備を担いで歩いてきた時は、真っ白な静寂の上高地でテント泊を楽しんだが、今は新緑を楽しむ多くの観光客で賑わっている

3日日も早朝出発。3時ちょうどに目が覚めたので、そのまま身支度をして3時半前に小屋を出発。ヘッドランプで常念岳に向けて急登を進む。コースタイム通りで登れば、山頂でご来光を迎えることができる。地平線が徐々に明るくなる黎明を楽しみながら登るも、なかなか歩が進まない。昨日は午後からゆっくり休養したはずなのに、相変わらずザックは重く感じられ、足腰に相当きている。常念岳へは背骨のような尾根の右側を登るので、日の出側が見えない。もうダメかなと半ばあきらめかけていると、山頂少し下で尾根に出て東側が開けた。山頂手前のピークでご来光を拝むことができた

ご来光に手を合わせたあと、山頂までの一踏ん張り。やっと山頂に到達。ちょっぴりモルゲンに染まる槍ヶ岳から南岳への稜線が目に飛び込んで来る

途中でさぁーっと軽やかに抜いていった女の子と山頂で一緒になり、写真を撮りあった。常念岳2857m、日本百名山の一つ。コースタイムの1.5倍を要したが、山頂について思わず笑顔

槍から穂高の山並みが近くに感じられる。北アの南部に位置する常念岳からは、槍穂の稜線の北(右手方向)に幾重にも襞のように重なる北アの稜線を眺められる

こちらは穂高連峰のアップ。真ん中のすり鉢のような雪のある部分が涸沢カール

常念岳山頂よりこれから進む蝶槍と蝶ケ岳の尾根。まずは登りと同じくらい下る。その先にさらにアップダウンが続く

常念からの岩場の劇下りの途中でオスの雷鳥に出会う

最後の登り返しとも言える蝶槍の山頂に到着。やれやれ・・。常念岳から辿ってきた尾根道を振り返る。常念からの下りは雪のない岩場だったが、その後の2512m峰と2592m峰超えから蝶槍山頂の少し下まで雪の上を歩いてきた。チェーンアイゼンを使用

蝶槍から蝶ケ岳への尾根を望む。ここから先は天空の散歩道。右手に見える槍穂の稜線を眺めながらのフィナーレ

蝶ケ岳山頂。5月なのに下界は真夏日。北海道の多くの地点では異例の39度前後。でも山頂は快適で風もない。多くの登山者がのんびりと稜線を眺めながらお昼ごはんやもぐもぐタイム。私ものんびりしたいが、上高地への長い下りが待っている(コースタイムで約5時間)

蝶槍から蝶ケ岳ヒュッテへの稜線を振り返る。とても疲れたけど、終わってみれば気持ちの良い縦走だった。次回は小屋泊装備で軽装にして、絶景を楽しみながら歩こう

蝶ケ岳からは1800m位まで雪道の上を下りてきた。徳沢園まで下りるとニリンソウが咲き乱れていた

上高地へ続く梓川沿いの道の両側は、ニリンソウ祭り状態。サンカヨウも肩身狭しとひっそりと咲いていた

観光客も歩く道だが、我が物顔で猿も歩く。林間学校にやってきた中学生の団体が猿に大騒ぎ。あまり猿を脅かさないでね

中房温泉から入って徳澤園に下りるコースを歩いたが、距離は約40キロで2泊3日の山旅。GWに飛越トンネルから薬師岳に出かけた時は、1泊2日で約40キロの道のりだったので、テン泊装備を担いでいるとはいえ、十分行けると高を括っていた。しかし、この考えがとんでもなく甘かったことを実感する羽目に・・。今回の失敗は以下のとおり

その①:足腰の弱った老体には、テン泊装備を担いで何度も繰り返す上り下りはコースタイムを大幅に超過し、体力も心のゆとりも無くなっていく。滑落などの危険が増して危ない。せいぜい冬期小屋泊がいいところ

その②:公共交通機関の利用、特にバスの場合は時間通りにいかず、乗り継ぎにしっかりと余裕を持たないと計画に支障をきたす

その③:装備の点検は念には念を入れる。チェックリストを作成して確認しているが、「テント一式」のようなリストになっているので、今回のようにポールを忘れることになる。リストは細かく記載してチェックが必要

その④:夏道がかなり出ているので、冬靴を止めた。でも雪もあるので足にフィットした夏靴ではなく、3シーズン用の靴を履いていった。この靴は以前から足に馴染まず、縦走に使うと必ずと言っていいほど足の爪がやられる。教訓が生きてない

その⑤:朝4時に出発した2日目はお昼ごろに常念小屋に到着。ゆとりを持った山というのはこうあるべきかと納得したが、到着後にアルコールをひたすら飲んでしまうという負の側面も経験

まぁ、いろいろと考えさせられる山行となった。60の手習いで始めたテント泊だが、計画を作る頭と実際に行動する体が一致していない。85Lのザックまで新調したが、どうやら出番は少なくなりそうだ・・・

素晴らしい天気に恵まれたこと、無事に帰ってこられたことに感謝感謝!

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なお、本山行の詳細については、以下の記録を参照されたし

山行記録: 中房温泉から徳沢園へ。色々と考えさせられました ☜ ヤマレコの記録

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