GPSデータをもとにGoogle Earth Proで3Dツアー動画を作成する方法(備忘録)

ブログあの手この手

<更新内容について(2024年2月12日更新)>
以下の手順の説明において、舌足らずな部分があったのでスクショなどを追加して手順を書き足した。
1)GPSデータ編集ソフト『GpxEdit2』のインストール方法
2)Google Earth Pro の3Dツアー動画作成時に過去画像を利用する方法


趣味の山登りに出かけることが多い。実は山行記録を残すために本ブログを始めたようなものだ。記録にはワードプレスのプラグインソフト WP-GPX-Maps を用いて、以下のような歩行ルート図と標高グラフを記載するようにしている。

南八ヶ岳縦走の山行事例

合計距離: 24151 m
最高点の標高: 2894 m
最低点の標高: 1335 m
累積標高(上り): 2643 m
累積標高(下り): -2480 m

ルート図と標高グラフが連動して、どんなルートでアクセスしたのか、どのような標高差の登りや下りがあるのかがよく分かり重宝してきた。しかしながら、2Dの静的な図なので今一つ臨場感に欠ける。そこで自分のGPSログをもとに、 Google Earth Pro を用いて3Dツアー動画を作成することにした。上と同じ南八ヶ岳縦走のGPS記録をもとにして3Dツアー動画を作成したのが以下の動画だ。

正直なところ、Google Earth Pro については使い方を理解できていない。いろいろと参考にしながら試していたら、とりあえず3Dツアー動画が作成できたというレベルで、以下はその備忘録。正しい操作方法、もっとうまい作成方法があると思われるが悪しからず。分かり次第アップデートしていきたい。

GPSデータの取得

3Dツアー動画の作成に用いるGPSデータについては、以下のの2通りの方法がある。

①地図から作成する
②実際のログ記録を用いる

純粋にルートを動画で紹介するのであれば、①のように地図から作成する方法が良いだろう。登山ルートであれば、「ヤマレコ」や「山と高原地図」などのアプリを用いて登山計画を作成できるので、このGPXデータをダウンロードして用いればよい。ランニングやロードバイク、ツーリングなどであれば、「Googleマイマップ」などのルート作成機能とファイル書き出し機能を使うなどの方法がある。

②の実際のログ記録を使用する場合は、ルートミスで本来のルートから逸れて戻った場合などの軌跡が残ること、ランチ休憩などで同じ場所に一定時間滞在した場合、動画の動きにも一時的な停滞が表れることなど、ノイズのようなものが反映されてしまう。

ちなみに私は、そのようなノイズも含めた実際の記録を表現したいので、あえて②の方法でGPSログ記録を用いることにしている。急登の連続や険しい岩稜の登りは時間がかかるので動線の進むスピードも遅くなり、なだらかな下りは歩く速度が増すので動線の動きも速くなる。そんな変化が見てとれるのも実際の記録を使用する面白さだと思っている。

なお、ファイルの書き出しはGPX形式でもKML形式でも構わない。大抵の形式のファイルを Google Earth Pro に読み込むことができる。

GPS記録の下拵え(したごしらえ)

上記②の歩いて取得したGPS記録を使用する場合は、Google Earth Pro に読み込ませる前に下準備が必要になることがある。一見すると一つのGPS記録のように見えても、2泊3日のような複数日の山行の場合、GPS記録が日毎に別ファイルに分かれているのが一般的だ。日帰り山行の場合でも、途中での操作ミスやアプリの不具合で、GPS記録が分断されて複数ファイルになっていることがある。これを一つのGPS記録にしておく必要がある。

GPS記録の連結

複数のGPSファイルの連結については、フリーソフトの『GpxEdit2』や『轍 Wadachi』などを使用すると便利だ。これらのソフトを公開してくださっている製作者の方々にこの場をお借りして御礼申し上げたい。なお、これらのソフトの堅牢性や安全性などについて保証するものではないので、あくまで自己判断での使用をお願いしたい。

普段はGPS記録を連結したり、逆に日毎に分割したりする際には『轍 Wadachi』を使用している。すべてのGPS記録が一覧表にされ、それぞれの開始日時・終了日時・距離・最高速度・平均速度・上昇量・下降量のデータが表示される。全体のみならず、選択した日毎や複数日単位で記録を連結することができ、距離や上昇/下降量も分かるのでとても重宝している。しかしながら惜しむことに、先ごろ2024年3月31日をもってONLINEサービスを終了するとアナウンスされた。終了するまでにソフトをダウンロードしておけば、OFFLINEでの使用は継続して行えるのではと期待する。

しかしながら将来的に継続使用が可能かどうか分からないので、以下では『GpxEdit2』を用いたGPS記録の連結方法をスクショを用いながら説明する。また後述するように 、Google Earth Pro に読み込ませる際に、山行の開始から終了までの時間変更が必要な場合があるので、併せて『GpxEdit2』によるGPS記録の時間変更の操作についても説明する。

1)GpxEdit2のインストール

下のURLをクリックして「GPXedit」のサイトにアクセスすると以下の画面になる。
https://github.com/guchi999/GPXedit

①緑色の「Code」の部分をクリックするとプルダウンメニューが表示されるので、②一番下の「Download ZIP」をクリックすると、ファイル一式がダウンロードされる。

以下のようなダウンロードされたファイル一式が表示されるので、自分のフォルダーに保存しておく。ファイル一覧の一番上の『GpxEdit2』をクリックするとプログラムが起動してファイル呼び込み画面が表示される。

なお、『GpxEdit2』のインストールや使い方の説明は以下の「guchi999」さんのサイトに記載されている。

GPXログエディタ(GPXファイルの修正、時間変更、編集および作成) | ヤマノート - ヤマレコ
ブラウザ上で動く、GPXファイルを編集するツールです。 特別なソフトをインストールする必要はなく、通常使っているブラウザで動き、ホームページと同様にブックマークして呼び出す事もできます。 ルートの新規作成、分割、部分除去、結合、時間変更、名...
2)GPSファイルの呼び込み

『GpxEdit2』を立ち上げて「ファイルの選択」(下のスクショの上から3行目のボックス)をクリックし、GPSファイルを保存場所から呼び込む。

ここでは2024年1月22日~1月26日の日程で私が歩いた熊野古道の中辺路(なかへち)の歩行ログ記録を例に用いている。赤線が中辺路の歩行ログを読み込んだ結果で、赤線上の藤紫色の点は各ログの始点を、青色の点は終点を示している(前の記録の終点と次の記録の始点が重なる場合は、始点の藤紫色が表示される)。この例では、5日間の記録が8つのGPSファイルで構成されていることを示している。

3)GPSファイルの連結

次にGPS記録を一つに結合する。①結合ボタンをクリックすると黄色の線に変わる。②結合したGPSファイルに名前を付けて、③確定ボタンをクリックする。線は再び赤色に戻る。

結合したGPSファイルの時間変更

結合したGPSファイルは元の山行記録時間を保持しているので、私の例では開始時間が「2024/1/22 11:35:13」、終了時間が「2024/1/26 15:26:16」になっている(黒のメニューボタン群の下の赤字部分)。これを①メニューボタンから「時間変更」を選択し、②日付、開始時間、終了時間を日帰り山行のような時間に変更しておく。私の例では「2024/1/22」の「07:00」-「16:00」としている。最後に、③「変更」をクリックする。

ここがポイント

時間変更の理由は、Google Earth Pro で動画を作成した際に、再生時間を長くても30秒から60秒位にまとめるために日帰り山行のような時間にしている。元の時間を使用すると、複数日にまたがる山行の場合、小屋に宿泊している部分が動画上は停滞となって表れること、また開始から終了までの活動時間が長いので、ツアーの作成速度を実測に対してMaxの1000倍にしても、始点から終点まで動かすのに非常に長い時間を要することになる。個人的には長くても30秒から60秒位の範囲が一般的な視聴者の許容範囲ではないかと思う。

複数日の山行でも日帰り登山と同じような開始と終了の時間に変更しておけば、Google Earth Proで3D動画を作成する際に、ツアーの作成速度を500倍とか800倍にすることで、1分以内の動画にまとめられる。

Maxの1000倍でも再生時間が長い場合は、『GpxEdit2』の時間変更時に活動時間を半日くらい(例えば7-12時)にしておけば短くできる。Google Earth Pro の使い方をよく理解せず、試行錯誤で導きだした苦肉の策のようなものなので、その点をご容赦いただきたい。

日帰り山行であれば、時間変更することなく実際の時間のままにしておいても、作成速度の設定調整で適度な再生時間の動画にまとめることができる。1泊2日以上の山行については、時間変更した方がよいだろう。

なお、地図上で作成した計画のGPXファイルの場合についても、日帰りであれ複数日の山行であれ、上述と同様に日帰り山行のような開始時間と終了時間に設定しておくと、ツアー動画の再生に要する時間を調整しやすい。

下拵えしたファイルの出力と保存

最後に、①メニューから「ファイル出力」を選択し、②ファイル名を定義して、③保存しておく。この保存ファイルを用いて、Google Earth Pro に読み込んで動画を作成することになる。

デフォルトでは保存するファイル名のボックスに、結合したGPSファイルにつけた名前が表示され、名前の後ろに編集(edit)したことを示す「_ed」が自動で付く。私はその後に何の編集をしたファイルか分かるように「_時間変更」のように書き加えることにしている。

まだプロをインストールしていなければ、以下のサイト(PC用)などからダウンロードする。

Earth Versions – Google Earth

使用する画像の選択

Google Earth Proでは直近の衛星画像がデフォルトで表示されるが、過去に撮影された画像も見ることができるので、自分のイメージに近い画像を選択できる。

Google Earth Pro のメニューバーのすぐ左下に「検索」欄があるので、山の名前などを入力してすぐ横の検索ボタンをクリックする。GPSログをインポートしたい山域や地域の画像がズームアップされて表示される。

デフォルトの画像で季節感などのイメージが合っている、あるいは季節感など気にしないのであれば、そのままデフォルト画像を使用してファイル読み込み作業に進めばよい。「GPSファイルの読み込み」手順へジャンプ

他の画像に変更したい場合は、以下の手順で過去の画像をチェックして最適な画像を選ぶ:

Google Earth Pro の画像左上にあるメニューバーから、時計のアイコン(時計の針を戻すような矢印が付いたアイコン。すぐ下に示したスクショのメニューバーの中央やや左)をクリックすると、その下にスライドバーが表示される。青色のスライドバーの中には縦線が表示され、この縦線が過去の画像がある時期のようで、家のような形をしたスライダーを動かすか、縦線にカーソルを合わせてクリックするか、スライドバーの左右の端にある◀や▶の三角形をクリックするか、いずれかの方法で過去の画像を確認する。

イメージに近い画像を見つけたら、その画像を使用して「GPSファイルの読み込み」手順に進み、GPSファイルを読み込む。この時に読み込むGPSファイルの保持している日付が元のまま(実際に歩いた日付)だと、画像がデフォルト画像に戻ってしまうことがある。そのような場合は、先に説明した『GpxEdit2』の時間変更の手順で、入力する日付を使用したい過去画像の年月日と合わせておくと、選定した画像にGPS記録が表示される(私は過去画像の撮影日の翌日を時間変更に用いている)。

以下に例を示した。動画作成に用いる熊野古道の中辺路はほとんど雪が降らないので、冒頭の八ヶ岳を例にした画像を用いた(上段が無雪期、下段が積雪期の画像例)。

ここがポイント

イメージに近い画像を選択してGPSデータを読み込んだら、画像変更をしないこと。GPSデータを読み込んだ後に他の時期の画像を表示させようとすると、読み込んだルート(軌跡)が表示されなくなってしまい、やり直すことになる。

スライダーを動かして過去の画像を表示させる際に、スライドバーのすぐ上に示される年月と画像イメージが合わないことがある。例えば、xxxx年8月の画像なのに雪がしっかりある画像のような現象。なぜこのようなことになるのかよく分からない。この時期(年月)の数字が画像に表示されるわけではないので、あまり気にせず自分のイメージに合った画像を見つけたら、疑問を挟まずにそのまま使用することにしている(笑)。なお、選択した画像の本当の撮影時期は、画像の右下あたりに表示されている。スライドバーの表示と異なり、画像の季節感と合致する正しい撮影年月日が表示される。

上記の手順で画像を変更することにより、雪山に出かけたルート図を作成するのに雪のない季節の画像というミスマッチ、逆に夏山なのに残雪期の画像というようなミスマッチをある程度は解消でき、出かけた時の画像ではないにしても、それなりに近い画像を用いて3D動画にすることができる。

GPSファイルの読み込み

Google Earth Pro を立ち上げたら、上述の手順で下拵えしたGPXファイルを読み込む。メニューバーの「ファイル」ー「開く」で保存したフォルダーにある下拵えしたファイルを指定する。

下に示すように、エクスプローラーのようなボックスが表示されるので、①保存したフォルダーを選択する。この際に、デフォルトではファイルの種類が「Google Earth (*.kml…)」となっているので、gpxなどの他の形式のファイルは表示されない。②ファイル種類のボックスの右端にあるプルダウンメニューをクリックし、上から3番目の「GPS (*.gpx…)」に変更する。GPXファイルの一覧が表示されるので、③該当ファイルを選択して「開く (O)」をクリックする。

下のポップアップが現れるが、デフォルトのままで「OK」をクリックすればよい。

読み込んだルート図の編集

動線やアイコンの色・サイズなどの設定

デフォルトでは読み込んだルートが青線で表示される。まず、画面の左側領域にあるファイルの階層を展開していく。「GPS device」の左端にある右向き三角(▶)をクリックすると下向き三角(▼)に変わる。左側領域の右端にある縦のスライドバーを下に動かすと、「Tracks」のフォルダーが現れる。同様に、右向き三角をクリックして展開してスライドバーを下に動かすと、その下に青文字の「track」が現れる(私の例では「track(連結後)」)

展開して現れた青字の「track」を右クリックし、ポップアップメニューで「プロパティ」を選択する。

トラック名の消去

以下のポックスが現れるので、①名前を消してブランクにし、②右端のデフォルトのアイコンを変更または無しにする。

ここがポイント

「track」という名前を残しておくと、3D動画で線が動いていく際に、この名前が先端に表示されて一緒に動いていく。煩わしいので名前を消しておく。

ポインターのアイコン変更

一つ上のスクショにて、②右端のポインターをクリックすると、以下のポップアップメニューが現れる。③使用したいポインターのアイコンを選択して画面下の「OK」をクリックする。アイコンを無しにする場合は、「アイコンなし」をクリックする。

ここがポイント

ポインターとは、動線の先端に表示されるアイコンで、デフォルトでは鏃(やじり)のようなアイコンになっている。動線が進むにつれて、右へ左へと忙しく動き回るので目障りになる。ルートが一方通行の場合は、「アイコンなし」に設定するとすっきりする。

往復で同じルートを通る場合は、復路が往路と重なって復路の動きが分かりずらくなるので、どこを動いているかを示すポインターのアイコンがあった方が良い。お薦めのアイコンは小さい円。円なので右を向いたり左を向いたりしても、動きがほとんど気にならない。

動線やアイコンの色やサイズの設定

次に以下のボックスが現れるのでメニューバーの「スタイル、色」を選択して、④ラインの色や線幅を好みで設定する。同様に。⑤ポインターのアイコンの色やサイズ(縮尺)を設定して右下の「OK」をクリックする。

ここがポイント

線幅をデフォルトの「6.0」から小さくして細くした場合は、アイコンの縮尺も小さくしてアイコンを小さくする。逆に線幅を太くした場合は、アイコンを大きくするとバランスが取れる。好みの問題なので、自分の好きな組み合わせで自由に決めればよい。

始点・通過点・終点などの名前を入れる

メニューバーから、①黄色のピンマークのアイコンをクリックする。

以下のようにアイコンとボックスが現れるので、①ピンのアイコンの位置を合わせる、②ボックスに地名や施設名などの名前を入れる、③「スタイル、色」をクリックして文字やアイコンの色・大きさを設定する。

①から③を繰り返して、入れたい地名をすべて設定する。

ここがポイント

この操作をする前に、地図画像の左上にあるスライドバーのポインターを左端に動かすと、地図上のルートの動線が消える。ルートの動線を見ながらピンを配置したい場合は、ポインターを右端のままにしておけばよい。

ピンのアイコンをクリックする前に、地図画像の右端にある縮尺バーで地図を拡大して、ピンを設置したい場所を画面センターから少し右寄りに表示しておくとアイコンの位置決めがしやすい。

ボックスで地名を入れるときは、頭に1文字分のスペースを入れると、動画の際にピンと地名がくっつかず見やすい。また、文字は動画では小さくなるので、デフォルト(1.0)よりも少し大きく(1.2倍前後くらいに)しておいた方が見やすい(私が老眼のせいか? 笑)。

ポイントとなる地名や、ビュースポットなど写真を掲載した場所などを登録すると、ツアー動画と本文説明がつながって分かりやすくなる。ただ、地名を入れすぎると、動画の際にちょっと煩わしくなるので要注意。動画を確認しながら、あとから間引くことは可能(入力した地名が画面の左側領域に表示されるので、該当地名を右クリックして、削除を選択すれば消去できる)。

なお、途中の通過点を後から追加しようとしてピンのアイコンをクリックすると、左側領域の表示においては、それまでに入力した地名の一番最後(一番下)に表示される。正しい通過順に並べるためには、追加した地名をクリックしたまま正しい位置にドラッグすれば並べ替えられる。

3Dツアー動画の作成

パラメーター数値の設定

上記の前準備が終了したら、いよいよ3D動画の作成に入る。メニューバーの「ツール」をクリックし、ポップアップメニューの「オプション」をクリックする。

現れたボックスのメニューで「ツアー」選択すると以下の設定画面が表示される。設定をいろいろ変えて動画を確認し、自分のイメージに近いものへと仕上げていく。デフォルトの設定を変更するのは緑色で囲ったパラメーターぐらいかと思う。特に下の3つを試行錯誤することになる。試行錯誤の動画確認の方法は、本項目の一つ下に記載してある。

ここがポイントー1:トラックバックについて

動画を再生スタートすると、最初にポインターがゴールからスタート地点へと戻ってくる。トラックバックという動きで、デフォルトでは最初の10秒位がこの動きになる。トラックバックの動きがOKならばデフォルトのままにしておけばよいが、イライラする人は上二つの緑のパラメーターをゼロにしておけば、再生開始と同時にスタート地点から動き出す。

ここがポイントー2:カメラの傾斜角度と高度について

3つ目の緑のパラメーターの「カメラの傾斜角度」は数字が大きいほど斜めから見た動画になる。つまりゼロにすれば、真上から見た動画になるということ。その下の4つ目の緑の「カメラ高度」はどの高さから眺めた画像を使用するかを設定するパラメーター。3つ目と4つ目の二つのパラメーターは見栄えに大きく影響するので、組み合わせを好みで試行錯誤することになる。

今回の事例は、紀伊半島の南部を横断する熊野古道の中辺路であり、130キロのロングコースなので、全体を俯瞰しやすいようカメラ高度を3万メートルの高所に設定し、紀伊半島を横断する様子が分かるように傾斜角度を60度に設定した。

稜線のアップダウンなどを見せたいときは、稜線より少し高いくらいに高度設定し、傾斜角度を大きめに設定すると臨場感が出やすい。3000m級の北アルプスなどでは、4000~5000mくらいの高度設定で、70度前後の傾斜角になるかと思う。ただし、トラバース(巻道)などで稜線の反対側の動きが隠れてしまうことがある。

渓谷を歩くコースでは、傾斜角度を設定すると稜線に隠れてしまうことが多いので、上から見るような小さな傾斜角度に設定するのが良いと思う。一般的には、渓谷歩きから始まって稜線に登り上げることが多いので、この二つのパラメーターを変更しながら最適値を見出すことになる。

ここがポイントー3:速度(リアルタイムの倍速)について

ツアーの作成速度については、個人的には再生時間が30~60秒位になるように速度設定するのが良いと思う。デフォルトは実速度の20倍なので、5時間(300分)の山行であれば、再生に15分かかるという計算になる(=300÷20)。30秒(0.5分)に仕上げようと思えば、600倍の速度に設定する必要がある(=300÷0.5)。

Maxの1000倍にしても再生時間が長い場合は、GpxEdit2を用いて行う時間変更の手順にもどり、開始時間・終了時間を変更して短くしてやり直す必要がある。

作成したツアー動画の再生確認

上の手順で、ツアー作成の設定値を変えて試行錯誤する際に、以下のように動画を確認する。

①画面の左側領域にある青字の「名前なし」をクリックし、②現れた赤枠で囲んだ部分をクリックすると再生動画が開始される。

ツアー動画の保存

試行錯誤で納得する動画が完成したら、動画ファイルを保存する。画面左下のバーの右端にある保存アイコンをクリックする。

ポップアップしたボックスで保存するファイルの名前を入力して、ボックス右下の「OK」をクリックする。その後、画面左下のバーの右端の「x」印をクリックしてバーを消去する(3D動画にバーが現れるため)。

ここがポイント

保存ファイル名を入力するときに、私は傾斜角度・高度・速度のパラメーターの数字を添えておくようにしている。あとで条件設定を変えて作成し直す時に、元のツアー動画のパラメーターを基準に変更することが多いので、ファイル名に書き添えてあると、どんな条件で作成した動画か分かりやすい。

動画の書き出し

メニューバーの「ツール」をクリックし、ポップアップメニューで「動画メーカー」を選択する。

現れたボックスで①動画の保存先を指定し、➁画像サイズを好みに応じて変更する(私のPC画面はワイドではなく4:3なので、単純に「1600 x 1200」ピクセルを採用)。③フレームは「60」に設定(59.940のような数字でも問題ないけど)。

最後に④「動画を作成」をクリックして完了! 動画の書き出しには数分かかる。

作成した3Dツアー動画の例

冒頭に紹介した南八ヶ岳連峰のツアー動画に加えて、以下に作成した3Dツアー動画の事例を二つ紹介する。なお南八ヶ岳の動画では、山行時間を7-16時、カメラの傾斜角度:70度、カメラ高度:3,000m、ツアーの作成速度:700倍に設定している(再生時間46秒)。

事例1.熊野古道の中辺路(本ブログの事例)

5日間の山行を日帰りの7時から16時に時間変更し、ツアーの作成パラメーターは以下の通りとした。紀伊半島の南部を横断する感じが出るように、高所からの画像を用い、カメラの傾斜角度をつけた。

カメラの傾斜角度:60度、カメラ高度:30,000m、ツアーの作成速度:650倍(再生時間49秒)

事例2.ミルフォード・トラック(NZの世界自然遺産)

4日間の山行を日帰りの7時から16時に時間変更し、ツアーの作成パラメーターは以下の通りとした。氷河で削られた渓谷歩きなので、ある程度の高度の画像を用い、渓谷が稜線に隠れないように真上からの画像にするため傾斜角度をゼロにした。

カメラの傾斜角度:0度、カメラ高度:13,500m、ツアーの作成速度:650倍(再生時間49秒)

動画の編集

完成させたツアー動画の編集は、Windowsに標準で入っているマイクロソフトの「Clipchamp」を使用したり、普段使い慣れている動画編集ソフトなどを用い、不要な部分をカットしたり、字幕や音楽などの効果を入れたりすることができる。

最初に書いたように、正直なところ、Google Earth Pro については使い方を理解できていない。いろいろと試していたら、とりあえず3Dツアー動画が作成できたというレベル。正しい操作方法、もっとうまい作成方法があると思われるが、現時点での私の試行錯誤をもとにした備忘録なので悪しからず。分かり次第アップデートしていきたいと思います。

もし間違いやより良いやり方がありましたら、下のコメント欄でご連絡いただければ幸いです。

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