加賀の白山(2018/06/02)

山の記録

2018.06.03 08:10

昨年に開山1300年を迎えた白山。富士山、立山とならび三大霊峰の一つ。そして「日本百名山」を著わした深田久弥にとっては故郷の山。やっと来ることができた。冒頭の写真は大汝峰から主峰の御前峰を眺めたもの。右奥には白山山系の別山

単身赴任中の高山からは岐阜県側の白山公園線で大白川登山口に行くのが一番早くて便利。先回、冬期通行止めの状況を問い合わせた時には、5月末に電話してほしいとのことだったので、管轄する高山土木事務所に電話すると、雪の通行止めは解除になったが、道路災害が見つかり復旧のため9月まで通行止めとのこと。これではアパートから1時間半のアクセス路が紅葉シーズンまで使えない(泣)

仕方がないので、倍の時間をかけて石川県側の白山公園線に回り込み、市ノ瀬まで車を走らせ、市ノ瀬から別当出合まで約6キロを歩く覚悟を決めた。考えてみれば6キロの歩きなど当たり前。上高地から徳澤園までの林道歩きと同じじゃないかと腹を括る

一応、念のため道路状況サイトを確認したら、なんと幸運なことに、5月31日に別当出合までの冬期通行止めが解除されたとのこと。片道1時間半の舗装道路歩きを回避できる。渡りに船とはこのことか。車を止めたところから1キロ弱の歩きで登山口に到着。朝の5時、空気がピーンと張って気持ちよい

吊橋を渡って砂防新道へ進む。この吊橋、驚くほど揺れない

登り始めてすぐ、大きなでんでん虫。子供の頃は裏庭によくいた。最近はカタツムリをほとんど見かけなくなった。登山者に踏みつぶされないようにね

タチツボスミレに癒されつつ、のっけから急な石段を喘ぎながら登る

中飯場に到着。まだ閉鎖されている

登っていくとエンレイソウや

サンカヨウが咲いていた。サンカヨウは水にぬれると白い花弁がシースルーの透明になる

ニリンソウはまだ寝むそう。そろそろシャキッと起きなさい

樹林が少なくなってきたところで振り返ると別山の稜線が見えてきた。いつか避難小屋泊装備で主峰の御前峰から別山まで歩きたい

2時間で甚之助避難小屋に到着。昨夜2-3名泊まったようだ。ここでチェーンアイゼンを装着

雪の斜面のトラバースと夏道を繰り返す。早朝なので雪が固く滑りやすい

右側のハイマツ帯と雪の際を進む。点々と先行する登山者の姿が見える

赤旗の竿に沿って進む。前にスキー板を担いで登るBCスキーヤーがいる。私より年配で先週も来たとか

振り返れば別山のゼブラ模様が美しい

ハクサンオミナエシかな?ちょっと早いので違うかも・・(後記:ミヤマカラシです)

延命水いただきました。冷たくておいしかった

黒ボコ岩と呼ばれる地点まで登ってきた。奥は別山

黒ボコ岩から先はすぐに雪原となる。主峰の御前峰が見えてきた。前方のハイマツ帯の中の夏道を登っていく。下山時は左の雪面をここまで下ってきた

室堂ビジターセンターに到着。すでに宿泊できるが食事の提供は7月1日から

ビジターセンターの左右または中を抜けると白山神社。ここは完全に露出。さぁ、背後の御前峰に向けて最後の登り

雪の上を少し歩いた後はこんな感じの石の階段を上ってハイマツ帯の間を進む

大分登ってきた。あと少し

すぐ手前の祠にお参りして山頂へ。2702メートル

遠く雲海の上に北アの槍穂(槍ヶ岳から穂高連峰)の稜線が浮かぶ

剣ヶ峰は登れない

左の大汝峰へ向かう。大汝峰の奥は日本海

御前峰からほぼ夏道で左側の斜面を下りてきた

雪原を進み、奥の大汝峰の左側稜線を夏道通りに進む

岩の多い稜線を登って大汝峰山頂に到着

反対側に回り込めば、主峰の御前峰と剣ヶ峰。いかにもザ・火山という感じ。お池めぐりの池の多くはまだ雪の下

遠くに剱岳と立山が見える

日本海と水平線が見える

名残惜しいがそろそろ下りよう。右下の先行者の前方に下りて、その前の雪渓を進み、右斜面のハイマツ帯を抜けて向こう側の雪渓に行く

室堂を左手に見ながらスルーしてひたすら雪渓を下る。ちょっと雲が湧いてきた

黒ボコ岩から下る途中にリュウキンカの群生

リュウキンカのアップ

こちらはリュウキンカとショウジョウバカマのコラボ

ショウジョウバカマ

ニリンソウロード。太陽の光を一杯浴びてシャキッと咲いた

アカヤシオに

ミネザクラも

サンカヨウもきれいだ

葉っぱはこんな感じででかい

吊橋までもどってきた。今回も素晴らしい山歩きだった。感謝感謝!

贅沢を言えば、もう少し雪の上を自由に歩けると良かったのだが、今年は雪解けが早く、上の方も夏道と雪の繰り返しだった。かといって、お花の開花にはまだ早く、ちょっと中途半端な頃合いになってしまった。天気も快晴というわけではなかったが、贅沢は言うまい。ゼブラ模様の山並みも緑のハイマツ帯も青い空も雲海も素晴らしい。この時期ならではの景色を楽しむことができた

今度はぜひとも本家のイチゲやフウロ、コザクラ、シャジン、ボウフウ、チドリなど「ハクサン」が頭に付く高山植物を楽しみに再訪したい。秋には避難小屋泊で周回するのもいいなと早くも夢を膨らませている

なお、この山行のコース概況、タイムなどの詳細は、以下の記録を参照されたし

山行記録: 白山(別当出合から御前峰、大汝峰) ☜ ヤマレコの記録

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