上高地散策。明神池まで周回、約9km・3時間(2023/8/3)

旅の記録

日本有数の山岳リゾートの上高地。山をやっていた若い頃、そして山を再開した50代終盤以降、槍ヶ岳や穂高連峰などに登る際に入山口としてよく使っている。ただ、散策目的で上高地に入ることはほとんどなく、いつも足早に通り過ぎるばかりだ。今回、上高地に一度も行ったことがないというカミさんを連れて出かけた。

ちょうど出張の代休が2日あるという長男が山に行きたいと言ってきたので、北アルプスの南端にある乗鞍岳に出かけることにして、上高地と乗鞍岳をセットにして3人で出かけることにした。1日目の朝6時前に自宅を出て、10時頃にさわんど温泉の駐車場に行き、そこからシャトルバスで上高地に入る。3‐4時間で散策したあと、乗鞍高原温泉の宿に宿泊し、翌4日に乗鞍岳に登る計画とした。

上高地は50年くらい前にマイカー規制されたので、長野県側のさわんど駐車場か岐阜県側のアカンダナ駐車場からシャトルバスかタクシーで入る。予定より早く自宅を出発したので、さわんど駐車場には10時前に到着し、10時発のバスで上高地に向かうことがた。登山者は朝が早いので、この時間は観光客やハイカーなどがほとんどで、比較的静かな上高地バスターミナルだった。

5分ほど歩くと上高地のシンボルとなっている河童橋につく。予報より早く雲が湧き、中央奥に見える奥穂高岳や前穂高岳の稜線は雲がかかって隠れている。写真右に聳える明神岳はほぼ見えている。暑いので梓川の川岸に下りて水に浸かる人も結構いた。

河童橋の上から下流側にある焼岳を望む。大正時代の噴火で梓川がせき止められ大正池ができた。バスで大正池の横を通過するので、今回の散策は上流側へ進むことにした。

河童橋から小梨平のキャンプ場を抜けて、梓川の上流側へと川沿いに進む。明神岳の姿が変化していく。峻険な山で、かつての登山道はほぼ消失し、現在では体力と技術を兼ね備えた一部の熟練クライマーたちだけが足を踏み込むことのできるバリエーションルートの山だ。

5峰から1峰へとピークを次々に越え、最後に前穂高岳へと進むルートには、いつか挑戦してみたいと思っていたが、もう60代後半になってしまった。眺めるだけにしておくのが良さそうだ。

1時間ほど歩いて明神館までやってきた。標識の通り、穂高奥宮が明神池に祀られている。明神館から先(写真右手方向)へ進むのは登山者がメインとなり、次の徳澤園まで進む観光客の姿はぐっと減る。殆どの観光客は写真奥の参道方向へ進むか、ここで折り返して来た道を戻る。

梓川にかかる明神橋。

吊り橋を渡って明神池へと進む。奥は明神岳の峰々。人が少なくなったタイミングでパシャリ。

橋を渡った先にある「山のひだや」。上高地の喧騒から離れた静かなランプの宿。ここのカフェ・ド・コイショ(どっこいしょ)でお茶しようと思ってきたら、なんと定休日だった(泣)。橋を通り明神館へ戻って昼食を済まし、再びこちら側にやってきた。

少し先へ進むと穂高神社の奥宮の鳥居がある

参道を進むと左手に嘉門次小屋がある。イワナの炭火焼きが有名で人気。イワナ定食やそばなどもあるのだが、大抵は混んでいるので並ぶ覚悟が必要。

ちなみに上條嘉門次は明治時代に上高地で活躍した猟師であり山の案内人でもあった。日本のアルピニズムの父と呼ばれるウェストン卿の山案内をしたことで知られる。「日本アルプス」として海外に紹介したことから、北アルプス、南アルプスなどと呼ばれるようになった。

穂高神社の社殿の奥には、明神池へと延びる木道があり、先端に祠がある。こちらは参拝の順番待ちの行列ができている。私たちは手前の社でお参りした。

明神二ノ池と明神岳。転がっている岩が、あたかも日本庭園の池に庭師によって配置されたような趣がある。入場料(拝観料)500円を支払った甲斐がある。

帰路はこのまま梓川の反対側を進み、河童橋へと向かった。途中、幹が幾重にも別れたブナの大木があった。

河童橋の近くに戻ってきた。岳沢への登山道と合流する当たりの清流。バイカモ(梅花藻)という水草が流れにゆらゆらと気持ちよさそうに揺れている。キンポウゲの仲間で、夏の時期に白い可憐な花を水面上に咲かせるのだが、見当たらなかった。残念!

河童橋まで戻ってきた。行きとは反対側の岸から眺める穂高連峰と明神岳。残念ながら相変わらずちょうど稜線に雲がかかっている。

河童橋を渡って戻ってきた。いい散策だった。写真中央やや左奥のギザギザの稜線は、西穂高岳へと続く稜線。登山でそのうちにまた来るよ。

シャトルバスでさわんど温泉のバスターミナルまで戻ってきた。上高地が思いのほか暑く、しっかり汗をかいたので、早く温泉に入ってビールを飲むべく、乗鞍高原温泉の宿に向かった。

なお、積雪期で閉鎖され、夏とは別世界の静寂な上高地については、以下のブログをご覧ください。

静寂の上高地。テント泊(2019/03/08-09) ☜ クリック

 

歩行データ

歩行ルート図と標高グラフ

合計距離: 9120 m
最高点の標高: 1559 m
最低点の標高: 1510 m
累積標高(上り): 173 m
累積標高(下り): -173 m

歩行データ

上高地バスターミナル10:36→10:41河童橋10:46→10:51小梨平→11:27明神館→11:32明神橋→11:33山のひだや入口→11:34明神橋→11:38明神館(昼食)12:04→12:09明神橋→12:15嘉門次小屋→12:17穂高神社・明神池12:24→12:26嘉門次小屋→13:14岳沢湿原・岳沢登山口13:19→13:28日本山岳会上高地山岳研究所→13:44河童橋→13:49上高地バスターミナル

関連情報

上高地公式サイト

上高地公式ウェブサイト
上高地は、長野県松本市にある標高約1,500メートルの山岳景勝地です。中部山岳国立公園の一部として、国の文化財(特別名勝・特別天然記念物)に指定されています。

さわんど駐車場の情報

沢渡(さわんど)駐車場周辺案内 – 上高地公式ウェブサイト
沢渡(さわんど)駐車場周辺案内 – 上高地公式ウェブサイト | 松本方面よりマイカーでお越しの方は「バス」または「タクシー」にお乗り換えください。

さわんど駐車場から上高地へのシャトルバスの情報(アルピコ交通)

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