トーキョーディズニーリゾートの外側を東京湾沿いに歩くいつものウォーキングコース。明治神宮の開門時間と同じように、日の出の時間に合わせてウォーキングスタート。今は4時半ごろに家を出る。旧江戸川に沿って河口へと歩き、東京湾に注ぎ込むあたりまでやってくると、何やら海面がざわついている。近寄ってみると、昨シーズンも見かけたのと同じ魚の大群だ。
昨シーズンにはスズキの大群として紹介したが、どうやらボラの間違いだったようだ。昨年は同時期にスズキを釣り上げている釣り人がいたので、てっきりスズキだと思い込んでしまった。今回は同じ日に少し離れたところで釣りをしていたお兄さんに動画を見せたら、「ボラ」かその仲間の「メナダ」だろうとのこと。ひょっとするとメナダかもしれないが、ネットで調べてみたらボラが大群で河口付近にやってくる光景がいくつか見つかったので、今回は「ボラ」ということで・・。
まずは以下の動画をご覧いただきたい(約1分20秒)。
ところでスズキもボラもメナダもブリと同じように出世魚とのこと。
スズキ:セイゴ→フッコ→スズキ
ボ ラ:オボコ→スバシリ→イナセ→ボラ→トド
メナダ:コスリ→トウブシ→メナダ
ちなみにブリは、関東では「ワカシ(ワカナゴ)→イナダ→ワラサ→ブリ」、関西では「モジャコ→ワカナ→ツバス→ハマチ→メジロ→ブリ」だそうで、地方によっていろいろな呼び方があるとのこと。寿司屋で「俺はブリは嫌いなのでハマチにする」などと言うと突っ込まれるかも・・。まぁ、ハマチに比べてブリは脂がしっかりのっているので、その脂っこさが好きじゃないというのは分かる気もする。
蛇足ながら「とどのつまり」の語源は、ボラの最終形の「トド」に由来するとのこと。『結局のところ、回りまわって、帰するところ』というような意味で使われるのだが、どちらかというとあまりパッとしない結末に用いられることが多い。何で「トド」がそういう風に使われるのか?トドが最終形でこれ以上進展がないということから、そのように言うらしいのだが、ボラにとっては迷惑な話だろう。
ついでに、幼くてかわいい形容として『おぼこ、おぼこい』などというが、これもボラの最初の姿の「オボコ」からきているとのこと。さらに「いなせ」は『男気があって粋な姿』を表す意味に使われるが、こちらはボラの一つ前のイナセの背中がカッコいいところから、そのような意味で使われるようになったとか。持ち上げられたり落とされたり、ボラにとっては勝手にしろと言いたくなる気分だろう。
上の写真はウォーキングを終えて戻ってきた舞浜大橋の下にいたボラ。仲間から離れて我が道を行くのがいるのは、人間界も魚の世界も同じということか。
その近くにいたクロダイ。旧江戸川の水も濁ってあまりきれいじゃないし、臭いもちょっと・・。ご近所の息子さん(といっても40くらいか?)が釣りが好きで、歩いて釣りによく出かける。大抵はキャッチ&リリースしているらしいのだが、時々たくさん釣れると持って帰ってきて、母御がご近所に電話をかけてきて戦利品のクロダイやアジなどを配ってくれる。
正直なところ、あの汚れた水の中を泳いでいる魚かと最初は気が引けたが、すぐに気にならなくなりおいしく頂戴している(笑)。ここらのクロダイは、浦安と市川の間にある三番瀬の養殖ノリを食い荒らしていて、栄養満点なのだ。
ウォーキングの歩く順番においてはちょっと前後するのだが、この日は15センチくらいの小魚も群れで見かけた。折り返し地点のディズニーシーの外側辺り。こちらの近くにはカワウが多くいて小魚を狙っていた。上の写真は、小魚が逆立ちのような恰好をして藻か海藻を食べている様子。小魚の正体はコノシロのようだ。
昔はご飯の代わりになるほど沢山獲れたので、「飯の代」と呼ばれるようになったとか。実はコノシロも出世魚で、シンコ→コハダ→ナガズミ→コノシロと名前が変わる。
ブリやスズキなどの出世魚は大きくなるにつれて価値が上がっていくのだが、コノシロは成長するほど身が固くなり小骨も多くなるので、寿司のネタとして使いづらくなってしまい、成長過程のシンコやコハダに比べて価値が下がってしまうとのこと。それゆえ「逆出世魚」などという不名誉な呼ばれ方をされてしまうこともあるとか。可哀そうな呼ばれ方だが、実はコノシロは大きい方が旨味が強くなり、とくに寒い時期のコノシロは脂がのっていて絶品だそうだ。
さて、脱線だらけのブログになってしまった。話をボラに戻して昨シーズンのブログ記事を以下に参考までに添付して筆をおく。