いつもの早朝ウォーキングでの光景。この日も梅雨空でどんより。早朝から湿度が高く、蒸しっとする。ディズニーシーの外側を東京湾沿いに歩いていると、思わず目を疑うような光景に遭遇した
船が宙に浮いている。もちろん目の錯覚なのだが、じっくり見ても浮いているように見えてしまう
こちらの船も浮いているみたいだ
海の上をすべるように浮いて動く船。何だかSFに出てきそうなシーンだ
このように浮いて見える現象としては、富山湾などで見られる蜃気楼が有名だ。蜃気楼は、大気中の温度差により空気の密度に濃淡が生じ、光が異常屈折することによって起こる現象
蜃気楼が起こると、物体が浮き上がって見えたり、逆さまに見えたりするのだが、陽炎のように画像が揺れ動き、絶えず変化して見える。でも今回遭遇した船はまるで静止画のようだ
こちらの画像を見れば、蜃気楼のような現象ではなく、目の錯覚だと分かる。近場の海面は波で微かに揺れているが、遠くの海面は波がなく鏡のようだ。そのすぐ上には、低く垂れこめる灰色の雲があり、遠くの海面と雲がほとんど同じ灰色で、海と曇り空との境を分からなくしている
波で揺れている部分の先端が水平線のように見え、その先にある波のない海面が雲に覆われた空に見えてしまう。そのため海に浮かんでいる船が、まるで宙に浮いているように見えるというわけ
それでは普段はどう見えるのか?下の写真が同じく曇天の時の写真
東京湾の奥まった場所なので、普段から波は小さい。しかしながら、全体的にさざ波があり、海面は奥の方まで均質な感じに見える。さざ波による光の反射で、すぐ上にある雲の「のっぺり」とした灰色とは違っている
これにより、海と空の境界である水平線がはっきり分かり、船は違和感なく海面の上に浮かんでいる映像としてすんなりと目に入ってくる
蜃気楼はとても珍しい現象だが、今回の光景もいろんな事象が重なって起こり、「エッ」というような光景を生み出した。思わず驚き、そして笑みがこぼれてしまった