ちょっと悲しい

和歌山に出張に出かけ、帰りに名古屋で乗り継ぎが悪く、18時13分発の高山線の出発まで1時間ほど待ち時間となった。少し早いが、夕食を取ることにして、地下街のレストラン街にあるお店に入った。

生ビールを飲みながら夕食を食べていると、車椅子の女性が入ってきた。地下街のレストランなので、というか一般的なレストランは大抵テーブルの間の通路は狭く、車椅子では奥の方に入れない。お店の人は入口近くのテーブルで椅子をどかして車椅子が入れるようにしようとしたところ、実はもう一人車椅子の人がいることが分かり、2つ分の車椅子のスペースを拵えることができなかった。

そして車椅子の二人は店員さんにお礼を言って出て行き、他の店を探しに地下街の通路を進んでいった。

日本の飲食店の構えは往々にしてコンパクトであり、居酒屋などに至ってはトイレや会計でカウンターのお客さんの後ろを通るのにも苦労する店が少なくない。トイレだって一流ホテルのレストランのように車いす用の個室トイレを備えているお店は殆どない。考えてみれば、日本のレストランは車椅子への配慮がなされているとは言い難い。レストランだけではない。一部の特急列車や新幹線にはいくつか用意されているものの、電車、飛行機など乗り物の車いす用シートはそれほど多くない。

東京オリンピック・パラリンピックや大阪万博に合わせて、障がい者に優しい街、乗り物、お店へ変えて行けないだろうか?今から55年前に開催された東京オリンピックの時には、第二次大戦からの日本の復興を国内外にアピールすべく、高速道路や新幹線が建設され、ナイフやフォークを用意するレストランが増えた。

再びやって来る東京オリンピックまで1年、「おもてなし」とは何かをもう一度考えてみても良いのではないだろうか?

1年あれば、できることは多い。「戦闘機の購入台数を1機減らせばできる」などど、野党のようなことを言うつもりはないが、草の根的な活動も含めてできることはまだまだ多いのではないだろうか。

諦めて出て行ったあの二人が、本当に自分たちが食べたかった食事ができるようにならないだろうか・・・

タイトルとURLをコピーしました