ミルフォードトラックの概要
ミルフォードトラックとミルフォードサウンドは、ともにニュージーランドの南島にあるフィヨルドランド国立公園の中にある。マウントアスパイアリング国立公園・マウントクック国立公園・ウェストランド国立公園・フィヨルドランド国立公園の4つの国立公園は、マオリ語で「宝のある場所」という意味の「テ・ワヒポウナム」と呼ばれ、世界遺産に登録されている。
ミルフォードトラックは、テ・アナウ湖のグレートワーフからスタートしてミルフォードサウンドに至る全長約54キロ(33.8マイル)のトレッキングコースだ。トレッキングといってもピークハントする縦走の山旅ではなく、氷河が作り出した美しいU字谷をメインに、3泊4日をかけて歩く。ピークへの登頂は一つもなく、途中に標高差750mほどの峠越えが一つあるだけだ。
日本でいえば、屋久島や大杉谷(三重県)のように非常に降雨量が多いところで、シダや苔などが生い茂る美しい渓谷を歩き、U字谷の両側の岩壁から流れ落ちるいくつもの滝の眺めを楽しみながら歩く。緯度的には決して南国ではないが、イメージ的に南国を思わせるような多彩な鳴き声の鳥たちのさえずりも楽しみの一つだ。
ミルフォードトラックの場所
日本で一般的に見る北を上にした世界地図では、オーストラリアの右斜め下あたりにニュージーランドがあり、ミルフォードトラックはニュージーランドの南島の南西部に位置する。以下の地図のミルフォードサウンドがミルフォードトラックのゴール付近。南緯45度くらいで夏でも過ごしやすい気温だ(北海道の利尻島が北緯45度)。東経は166度くらいで、日本との時差は3時間(サマータイム時は4時間)
入山規制
ミルフォードトラックは一日当たりの入山者数が規制されており、以下のいずれも事前予約制になっている(予約方法等については、後段の「関連事項」の章に記載した)。なお、エリア内は全面的に幕営禁止となっている。
Ultimate Hikes社が運営するガイドツアー(Guided walk)
定員は50名/日。ガイドツアーといってもガイドと一緒に歩くわけではなく、ガイドが先頭付近と末尾付近、中間辺りに計3ー4人ついて参加者の安全を確認している。参加者は自分のペースで勝手に歩くスタイル。末尾付近のガイドが、毎日、全参加者のウォーキングのポイント通過を確認。ガイドは無線機を携帯し、各小屋と連絡が取れ、緊急時は小屋からヘリの要請などが可能。Ultimate Hikes社が管理するロッジに3泊する。
DOC(自然保護局)が運営する山小屋(ハット)利用の個人ウォーク(Individual walk)
定員40名/日。ミルフォードトラックを個人で歩くスタイルで、Independent walkまたはSelf-guided walkともいう。日本の個人登山同様、基本的に自己管理。何かあっても携帯電波は届かないので、途中で緊急連絡できない(運が良ければ、途中でツアーのガイドやロッジに助けを求められるが)。
私一人であれば小屋利用の個人ウォークで構わないのだが、今回は山小屋にも泊ったことのないカミさんが一緒なので、設備が整っていて食事提供もあり、少ない荷物で歩けるUltimate Hikes社のガイドツアーにした。まぁ、私自身も年を取って、クイーンズタウンとミルフォードトラックの間の往復の移動手配や、ミルフォードサウンドのクルーズの追加手配などを自分でやるのが億劫だったというのもガイドツアーを選択した正直なところだ。
ミルフォードトラックの歩行ルート図と標高グラフ
合計距離: 約65km、累積標高↑: 約2820m、累積標高↓: 約2900m
最高点の標高: 1146 m
最低点の標高: -2 m
累積標高(上り): 3876 m
累積標高(下り): -4093 m
私の歩行GPSログをもとにGoogle Earth Proを用いて3D歩行ルートの動画を作成した。氷河で形成されたU字谷を歩くコースの特徴がよく分かると思う。動画時間は約45秒だが、右下の3点リーダーからPlayback speedを変更できるので、好みで調整されたし。
ミルフォードトラックのハイライト
3泊4日のツアーを簡潔に紹介。フルバージョンの山行記録はこちら☜クリック
ツアー1日目
クイーンズタウンのUltimate Hikes社のオフィス前からツアーバスでテ・アナウ湖へ移動。途中でランチ休憩をはさみ、約4時間で到着。そこから船で約1時間、グレート・ワーフへと向かう。
上陸するとミルフォードトラックのスタート地点。15時過ぎに出発。この日は約1.5キロ歩いて、宿泊するロッジのグレード・ハウスに到着。
総勢46名の参加者で記念撮影。前列中央の4名がツアーガイドたち。このあと4グループに分かれて、1時間から1時間半のロッジ周辺のガイドツアーに出かける(自由参加)。夕食後にはツアーのブリーフィングと自己紹介のミーティングがある。
今回の参加者は、韓国からのツアー客が15名強で最大だった。数年前にインフルエンサーがこのコースを歩いてSNSで紹介し人気が急上昇したとか。米国が10名弱、日本は5名、オーストラリアが4ー5名、ニュージーランド3-4名、シンガポール2名などだった。クィーンズタウンにはものすごく多くの中国人旅行者がいたが、このツアーには香港出身者が2名いたくらいだったと記憶する。以前は半分以上を日本人が占めたこともあったようだが、今は落日そのもの。その分、海外のトレッキング感が楽しめて良いが・・。
ツアー2日目
2日目はやや遅めの8:30-45の間に三々五々出発。先行組がロッジからすぐ先にある吊橋を次々と渡っていく。
シダや苔類の生い茂る道を進む。鳥たちのいろんな面白い鳴き声が耳を楽しませてくれる。
上の動画はミルフォードトラックで時々耳にした鳥の鳴き声。姿を捉えることはできなかったが、鳴き声は収録できた。
澄んだクリントンリバーを右手に見ながら進む。上高地から梓川の横を歩いて徳澤園に向かう道の雰囲気に似ているかも・・。
氷河が作ったU字谷に突入。残雪が多いシーズン初めのこの時期は、両側の岩壁から繊細な滝が幾筋も流れ落ちる。夏になると滝の数はずっと少なくなり、まとまった雨が降ると流れ落ちる多くの細い滝が現れるとか。
U字谷の奥にマッキノン峠が見えてきた(中央の低い部分)。翌日には標高差約750mを登り、あの峠を越えていく。ミルフォードトラックのほぼ中間地点だ。
左側の雲の奥から「ドドーン」という音が聞こえた。カミナリかと思ったが、岩壁の向こう側で雪崩が起きた音のようだ。このあとも青空のもと同じような音が数回聞こえた。
2泊目のポンポローナ・ロッジ。到着後、シャワーを浴びて洗濯をし、ラウンジに直行。バーでアルコールを注文し、無料のチーズやクラッカーなどをつまみに至福の時間。クイーンズタウンのスーパーで買ったhoney roasted peanutsもつまみにしてアルコールが進む。
ツアー3日目
3日目の朝は7時半の一斉スタート。といっても、すぐに間隔があいてそれぞれのペースで進む。最初は緩やかだが、峠越えに向けて次第に登りがきつくなる。この日は快晴でほぼ無風。涼しくて汗をかくことはなかった。
吊り橋はちょっと揺れるが、何度も渡るうちにカミさんも慣れてきたようだ。ツアー中、いくつの吊り橋を渡っただろうか。
標高をどんどん上げていく。まもなく森林限界を突破する。青い空に残雪の白い峰々が映える。この時期を選んだ理由は、この景色と涼しさと滝の多さ。
ニュージーランドで最も有名な花のマウントクックリリーが咲いていた。峠越えでは、この花を何度も見ることができた。これもこの時期ならではの特典。
マッキノン峠の記念碑まで登り上げた。稜線に出ると360度見渡す限り圧巻の景色が広がる。
素晴らしい眺め。雨の日にここを通過するのは辛いだろうな・・
マッキノン峠の最高ポイント。標高1,154m地点。
2日目から歩いてきたクリントン渓谷を振り返る。見事なU字谷だ。昼食休憩の避難小屋の前から撮影。
峠を越えたらどんどん下る。今度は標高差約900mの下りになる。普段から山歩きをしていない人は膝を痛めることが多い。
かなり標高を下げてきた。幾段もの滝が続く谷に沿って長い階段を下りる。
3泊目のクインティン・ロッジに到着後、サザーランド滝に出かけた(自由参加)。私が出発する頃には、韓国のツアー客が続々と滝からロッジに戻ってきた。1時間半ほど彼らが先行してしていたことになる。韓国軍団強し。
サザーランド滝は落差580m。ニュージーランド最大の滝で3段になっている。カミさんは4日目のロングコースに備えて体力温存すべくロッジでのんびり。
ツアー4日目
4日目の朝、7:30-45の間に三々五々出発。最終日のこの日はほぼ平坦な道ながら22キロのロングコースを歩く。出発してすぐにサザーランド滝が遠くに見える。前日に滝へ行かなかった人はこの遠景を見て堪能。
再び素晴らしいU字谷を進む。
2日目と同じようにシダや苔の道を進む。鳥たちのさえずりが心地よく、しんどさを和らげてくれる。
昼食休憩の小屋の周りには、日本のウマノアシガタに似た黄色い花が群生していた。ニューヨークから来た女性に「バターカップ」という名前の花だと教えてもらった。それにしても、特にこのあたりはサンドフライという吸血性の小さなハエが群れを成して寄ってくる。小屋の中で油断して昼食を食べていたら、足首のあたりをいくつか刺された。恐るべしサンドフライ。
ザ・ミルフォードトラックともいうべき光景の一つ、マッカイ滝。
こちらはジャイアントゲート滝。夏はここで泳ぐ参加者が多いらしい。皮膚感覚が違うのか、泳ぐのはほとんど白人系とか。
ゴールに近づいてきた。ラスト1マイルくらいだろうか。もう終わってしまうんだな・・。
ゴールに着いた。看板には33.5マイルとあるが、正しくは33.8マイル(約54キロ)とのこと。湖や滝への寄り道を含めると歩いた距離は約65キロ。よく歩いたな。それにしてもよく晴れた。参加者の誰かが強運を持っていたんだろう。感謝感謝。
ここから左側の斜面を水面に沿ってすすみ、ボート乗り場へ向かう。そこから約15分でミルフォードサウンドの入り江に着く。
4泊目のマイタ-ピーク・ロッジの前からミルフォードサウンドを撮影。フィヨルドの入り江で外洋のタスマン海につながっている。中央左の尖ったのがマイタ-ピーク。
翌朝、ミルフォードサウンドのクルーズに向かうためロッジから外に出ると、庭の木々からミルフォードトラックで何度も聞いた鳥の鳴き声が聞こえた。こちらも姿を捉えることはできなかったが、鳴き声は収録できた。
鳥のさえずりを聞きながら、この上ない天候に恵まれた4日間のミルフォードトラック歩きがフラッシュバック。ミルフォードサウンドのクルーズは予報通り雨がパラつきそうだが、これ以上は贅沢を言えない。本当に素晴らしい世界遺産歩きを楽しむことができた。神様に感謝!
ロッジでの滞在
1泊目のグレード・ハウス。前にいるのはツアーガイドたち。ずっとこのユニフォームだった。朝はちょっと寒いだろうし、立ち止まって参加者の通過を待つ間には、サンドフライに一杯刺されるだろうな。聞いたらガイドの女の子が刺された足を見せてくれた。別にそういう気持ちはなかったのだが・・
夕食はコースメニュー3種から事前に選択。まずは前菜。すでにビールグラスが空だ(笑)。何とガイドたちが給仕係も務める。頭が下がる。
この日はビーフを選択。おいしかった。ニュージーランド産の赤ワインとともに。
デザートも出てくる。コーヒーの前に2杯目の赤ワインも空けている。
靴や雨具の乾燥室。晴れだったので何も干していない。
手洗いの洗濯場。さすがに5人並ぶと窮屈。空いているときに、ひとつで洗い、隣ですすぐとスムーズに洗濯できる。
乾燥室。ダクトから強烈な温風が出ている。夕食前に洗えば、手で絞った洗濯物でも3時間程度で乾く。私達は着替えの登山服を1セット持っていっただけで、毎日洗ってくるくる回した。女性の下着はちょっと干しずらいかも。中には干している人も1-2名いたけど・・
なお、夜10時きっかりに電気が全て落ちる。乾燥室の温風も停止。朝の出発時間が異なるので、ロッジによって翌朝の電気の供給開始時間が異なる。大体は出発1時間半前の朝6時ごろが多い。電気が入れば、シャワーも洗面所も温水が出るようになる。
こちらは2泊目のポンポローナ・ロッジ。U字谷の奥深くにある。
各ロッジにはこのようなラウンジとバーがある。アルコールは最終日清算だが、チーズやクラッカー、ニンジンスティックなどのおつまみはフリー。もちろんコーヒーや紅茶類も無料。
ラウンジからの眺め。アルコールが進んでしまう。
ダイニングルーム。アルコールはすぐ横のラウンジへいってお代わりできる。
食事の後は恒例のブリーフィングミーティング。スライドを使用しながら英語で説明。各ロッジにはスライドの韓国語版と日本語版が置いてあった。
大体の説明は英語で分かるが、メニューだけは聞いてもよく分からない。翌日の夕食のコースを決めて申請するのだが、この日本語資料がありがたい。
3泊目のクインティン・ロッジ。詳細は割愛。
4泊目のマイタ-ピーク・ロッジ。ここはロッジのような集合部屋はない。1-2名の個室になる。相部屋で参加申し込みをした人は、誰かと相部屋になる。個室の人はここも個室になる。ここのロッジには、洗濯機と乾燥機が各3台あり、無料で使用できる(頻繁に空きがないかチェックする必要あり)。このロッジだけは10時の消灯はない。
クイーンズタウンのUltimate Hikes社のオフィスで預けた荷物(支給される赤いビニール袋に詰めた着替えや化粧道具などの荷物)はチェックイン後に受け取る。
翌朝のチェックアウト前に売店で4泊分のアルコール代をカード清算すること。それにしてもよく飲んだな。覚悟はしていたが精算額にびっくり(汗)。
ちなみに、こちらがDOC管轄の個人ウォーク用の小屋の宿泊棟内部。個人ウォーク1泊目のクリントン小屋で、他も大体同じ感じ。
こちらが炊事棟。ガスコンロが12個あるように見える。写真の右側にはダイニングテーブルがさらにある。左手前の流しに供給される水は雨水をタンクにためたもののように見えた(3つの小屋すべて)。近くの沢で汲んだ方が良いだろう。
トイレ棟のトイレは水洗式できれい。
ミルフォードサウンドのクルーズ
天気予報通りロッジ出発直前に小雨がぱらぱらと落ち始めた。
9時発のこの船に乗って1時間半のミルフォードサウンドのクルーズへ。フィヨルドの海を外洋への出口まで進んで引き返す。
アシカ? オットセイ? アザラシ? どうやってあの岩に登ったんだろう?
2番目に大きな落差の滝。霧雨の中、時々デッキに出て撮影。
クルーズの後、ツアーバスでクィーンズタウンへ移動。途中の峠越えでは、雨でにわかに増えた幾筋もの滝を見ることができた(バスの車内から撮影)。U字谷の岩壁も雨後にはこのような滝が見られるんだろうな。でもやっぱり晴れがいい。残雪の雪解けの水による滝で十分楽しめた。
下界へ下りてくれば晴れ。ザ・ニュージーランドというような光景。
何と鹿も放牧されている。こいつらは柵を飛び越えて勝手に逃げていきそうに思えるのだが・・
クイーンズタウンの街
成田の出発が3時間ちょっと遅れ、オークランド到着は2時間半遅れた。予約した便には間に合わず、次便にうまく乗り継いで無事にクィーンズタウンに到着。空港の駐車場から撮影。山に囲まれている様子がよくわかる。冬はスキーリゾートになる小さな街だ。
ホテルにチェックイン後、歩いてワカティプ湖畔まできた。湖畔のレストランでムール貝やクラムチャウダーなどを楽しんだ。もちろんビールもワインも。
こちらが夕食を食べたレストラン(IVY&LOLA’s restaurant)。ちょっと肌寒かったので店内のテーブルをリクエストした。
こちらはミルフォードトラックから帰ってきた晩に夕食を食べたレストラン(Pier)。ワカティプ湖畔で、到着日のレストランの向かいにある。ここも店内でシーフードを食べた。
「4」というスーパーマーケット(Four square supermarket)で翌朝の朝食などを調達してホテルへ歩いて帰る途中。山に囲まれたクィーンズタウンの様子がよく分かる。
オークランドの街
クィーンズタウンからオークランドへ向かう飛行機から雲海に浮かぶ北島の山。南島のサザンアルプスを撮りたかったのだが、雲に覆われていた。富士山とほぼ同じ高さのマウントクックも見えなかった。
オークランドに昼頃に到着。ホテルに荷物を預けて市内をぶらぶら。タワーは南半球で一番高い構造物とか。東京タワーと同じくらいの高さ。
フィッシュマーケットと呼ばれるエリアへ行き、遅めのランチ。シーフードポットをカミさんとシェア+ビール2杯。陽気がいいので今回はテラス席で。
電車で2駅移動してショッピングモールへ。ここで Cookie Time のチョコチップクッキーや Whittaker’s のHokey Pokey Crunchチョコなどをお土産に購入。
街はもうこの季節。電車で戻ってホテルにチェックイン。
最後の夜は、Tony’s Original Steak & Seafoodへ。6時少し前で、予約なしでもテーブルに着けた。私はRoasted Lamb Rump(日本人には発音しずらい)、カミさんはシーフード三食盛みたいなのを注文。
ハードなトレッキングをこなした一方で、毎食たくさん食べたので胃袋が拡張してしまった。1週間の滞在中、一度も和食や中華を食べなかったので、帰国したら味噌汁とご飯だな。
以下はオークランドの跳ね橋の動画。渡ろうとしたらヨットの出港で足止めを食らった。最初にピーポーピーポーという大きな警告音がするので、音量を下げてスタートしてください(動画約4分)。
関連情報
ミルフォードトラックの予約方法
以下のサイトは、ガイドツアーと個人ウォークの両方についての説明が載っており参考になる。
Ultimate Hikes社のガイドツアー:Guided walk
予約開始
シーズン2023/2024のオンラインの受付は5月15日からだったようだが、年によって変わることがあるので要注意。私達は3月上旬に旅行社(HISエコツアーデスク)を通して予約した。
費用
NZ$2,595/人(相部屋の場合の今シーズンの料金)。相部屋は2段ベッドが2~6/部屋でシーツや布団などの寝具付き。共同の温水シャワーや水洗トイレを使用する。この他に追加料金が発生するが、個室もある。二人部屋の個室利用の場合、NZ$3,345/人、一人で個室を利用する場合はNZ$ 4,195/人。個室はホテルのようにベッドがメイクされており、シャワーやトイレもある。
費用には、ミルフォードトラック内のロッジ3泊の宿泊、ツアー中のすべての食事(夕食は3種類のコースから選択、朝食はバイキング、昼食用に自分で作るサンドイッチの食材)、クイーンズタウンとの往復のバス、湖のボート、ミルフォードサウンドのクルーズや4泊目のロッジの宿泊や食事などが含まれる。40Lザックの無料の貸し出しもある。
ロッジの概要
ロッジには、衣類の洗濯設備(手洗い)と乾燥室がある。ラウンジやバーもあり、ワインやビールなどのアルコール販売あり(最終日にカードで清算)。電気は朝6時頃から夜10時まで利用でき充電可能。
4泊目のミルフォードサウンドのマイタ-ピークロッジはホテルのような二人部屋の個室が多いが、誰かと相部屋になる。個室でツアーを申し込んだ人はここも個室になる。無料で使用できる洗濯機と乾燥機が各3台ある。
個人ウォーク:Individual walk(Independent walk, Self-guided walk)
予約開始
今年度は4月20日からオンラインで予約受付。こちらは特に人気が高く、前年は開始後15分で予約が埋まり、今年は開始2分でサーバーがパンクしたようだ(1万人がアクセスしたとか)。
費用
NZ$110/泊 x 3泊 = NZ$330(2023/2024シーズンの料金)
純粋に小屋の宿泊費用のみ。水洗トイレやガスコンロ、マットの使用は含まれるが、クイーンズタウンとの移動交通手段、湖のボートなどは個人で手配して支払う必要がある。ミルフォードサウンドのクルーズや宿泊も個人での手配となる。
小屋の概要
小屋には管理人がいるものの無人小屋と同じで、日本でいえば東北地方の山によくある避難小屋に似ている。作り付けの木製の2段ベッドが40人分ある。各ベッドにはマットレスが壁に立てかけてあり(湿気対策?)、それを倒して使用する。
寝袋や食料などは持参するが、日本の避難小屋と異なり、水洗トイレや調理用のガスコンロがある。電気はない。またシャワーや洗濯・乾燥の設備もない。近くの川や沢で汗を拭うことはできるし、衣類の水洗いは可能。ただし、石鹸や洗剤は使用不可。衣類が翌朝までに乾くかは微妙。特に雨に降られた翌日は、生乾きか濡れたままの雨具や靴をつけることになる。
以下の上段は、DOCのオフィシャル予約サイト。下段は現地のガイドのブログサイトで、個人ウォークに関する情報サイト。
ツアー開始前日の事前ミーティング
ツアー前日にクィーンズタウンのUltimate Hikes社オフィスにてブリーフィングのミーティング(英語)がある。この時に無料貸し出しの40Lザックの受け取りや、ミルフォードサウンドに送る荷を入れる赤いビニール袋などをもらう。成田からオークランド経由でクィーンズタウンに入る場合は、14:30からのミーティングへの参加は厳しいので、日程に余裕のある方はツアーの前々日にクィーンズタウン入りされることをお勧めする。
私達のように成田発便が遅れると国内線の乗継に間に合わず、最悪の場合には次発以降の乗継便が満杯でその日のうちにクィーンズタウン入りできないこともあるとか。そうなると予約したツアーに参加できなくなるリスクもある。1日ずらしてツアーに潜り込める余裕があればよいが、こちらも定員満杯だと最悪の場合はツアーを断念することになる。ニュージーランド航空が参加費用の補償をしてくれるかどうか・・・。このような事態は滅多に起きることではないようだが、気にはなる。
HISエコツアーデスク
今回お世話になった旅行代理店。こちらのサイトにミルフォードトラックの分かりやすい紹介があるので、以下を参照されたし。
担当してもらったSさんは、ご自身も3年前に歩かれている。以下がそのブログで、出かける前にカミさんの多くの不安が解消できた。
ニュージーランド航空
Air NZのアプリをダウンロードしておくと、フライトのスケジュール情報やゲート変更情報などがタイムリーに届く。出発24時間前からonline check-inもできる。
天気予報アプリ
NIWA Weather というニュージーランドの天気予報のアプリをダウンロードした。Milford Soundの1週間予報を参考にした。
空港の免税店
ニュージーランドの消費税は15%。免税店の価格は高めなので、税金を払って市中の店で買うのがいいか悩むところ。Icebreakerの免税店で登山用のウールのベースレイヤーなどを買おうか迷ったが、すでに散財したので自重し、孫のすーちゃんのウールのケープなどを購入した。
入国審査、税関申告
ニュージーランドへの旅行の際にはNZeTA(New Zealand Electronic Travel Authority。ニュージーランド電子渡航認証)とNZTD(New Zealand Traveler Declaration。税関申告書)のアプリをダウンロードして事前申請しておくと便利。NZTDについては、昔ながらに機内で配られる紙の税関申告書による提出も可能だが、NZeTAについては、日本を含むビザ免除国からの訪問者は、旅行前に取得する必要がある。モバイルアプリからの申請はNZ$52、Webサイトからの申請はNZ$58をカード決済する。取得まで最大72時間かかる場合があるため、間際になってやらないこと。NZeTAは2年間有効。
なお、NZTDには登山靴やトレッキングポール(ストック)、バックパック(ザック)などの質問があるので、持ち込みがある場合は申告すること。申告内容によって審査のラインが分かれており、入山者は該当のラインに進む。私たちの場合は、登山靴とストックを見せるように言われ、スーツケースから出してチェックを受けた。事前に靴底などをきれいに洗っていったが、前回使用場所を聞かれて日本の山と答えると、靴を持っていき消毒槽のようなものに靴底を浸してビニール袋に入れてテープでシールして返却された。
日本への帰国については、入国手続き簡略化のため、Visit Japan Webの登録をしておくとよい(官製ソフトはユーザーフレンドリーに欠けて使いずらいが)。利用できるのは以下の空港から入国する場合:
成田空港、羽田空港、関西国際空港、中部国際空港、福岡空港、新千歳空港、那覇空港
デジタル庁HP