2019.08.15 11:28
お盆で関東から尾張に中央道を使って帰省した。ついでに、駒ケ根ロープウェイを利用して息子(28歳)と中央アルプスの稜線歩きを楽しむことにした。この日は臨時でロープウェイが9分間隔で出発し、約7分で一気に標高2600mまで上がり、山頂駅の千畳敷平に到着。いきなり冒頭の写真の光景。
いやぁ、気持ちのいいこと。前回の山、越後の火打山と妙高山の山頂よりも高い。スタート地点がこの標高とは文明の利器のありがたさかな。
稜線まで200mほど登り上げる。ウサギギク、ヨツバシオガマ、モミジカラマツなどが咲く登山道を行く。花が終わったチングルマの奥に南アルプスの稜線が見える
汗を滴らせながら、息子にペースを落としてもらって稜線に到達。極楽平。ほんとに極楽だ。稜線を吹き渡る風が心地よい。ここでコンビニおにぎりの朝食
極楽平から御嶽山。木曽谷を挟んで両側に位置するので、やっぱり中アと御嶽山は近い
極楽平から眺める三沢岳へ続く稜線。あの尾根も気持ちよさそうだ。これから周回する空木岳への中アの稜線を眺めるにはもってこいの山だ
まずは島田娘(2858m)に向けて稜線を進む。ハイマツ以外は低木すら生えていない。約2500mから約2850mの間のアップダウンを何度も繰り返す。先を行く息子は相変わらず汗もかかずに軽快に進む
空木岳(うつぎだけ)への稜線一望。手前の濁沢大峰(2724m)から中央左の檜尾岳(ひのきおだけ、2728m)、右端の熊沢岳(2778m)、そのやや左奥に東川岳(2671m)、そして左端にはゴールの空木岳(2864m)。ピークの間は一旦高度を200-300m下げて登り返す。中央最奥は南駒ケ岳
ズームを使わないとゴールの空木岳が遠くに見える。歩きごたえのある尾根だ
濁沢大峰から檜尾岳に向けて下る
鞍部にはサルの群れがいた。母ザルの背中やおなかに子ザルがしがみついていた。後に、この集団に追いついて、すぐ横を通過することに。全く逃げもしなかった
濁沢大峰を振り返る。ガスってきた。予報ではお昼まで曇り、午後は晴れだったので、ここまでがラッキーだった
檜尾岳山頂。ガスで眺望が効かない
次の熊沢岳に向かう。雲は出てきたが、この程度の視界は開けている。まずは鞍部まで下る
熊沢岳山頂。相変わらずガス。熊沢岳への登り返しで、快調に進んできた息子が汗をかき、休憩したいと言い始めた。ここで再びコンビニおにぎりのお昼ご飯にする
ゴールの空木岳がだいぶ近くなってきたが、最後の登り返しがきつそう。右下から左上に続く尾根を登ることになる
熊沢岳から東川岳への最後の登り返し。比較的緩やかなアップダウンだが、息子のペースは相当落ちている。普段あまりかかない汗も滴り落ちるほど。熱中症気味か・・
東川岳から木曽殿山荘への急な下り。この下りが息子の腿と脹脛にきたようだ。下りるときに足が小刻みに震えていた
木曽殿山荘。木曽義仲が越えたという峠に建つ。ここでもう一度大休止。オヤジは缶ビールを購入して飲むも、全然冷えてなくてがっくり
空木岳への最後の登り返しに突入。天気予報通り、午後から晴れてくれると期待したい。左に伊那谷、右に木曽谷を見ながら進む。これはどっち方面だったか・・?
ここから先は岩場になった。鎖や鉄の楔の足置きが整備されている。しかしながら、予報に反して雨がポツポツと降り出す。岩が濡れて滑りやすくなる前に通過すべく先を急ぐ
ゴールの空木岳山頂。雨はやんだがガスガスで何も見えず。ゴールといっても長い下りが待っている。息子の足も心配だ
山頂からすぐ下にある駒峰ヒュッテ。午後3時。ここで一泊しようかと迷う。息子は下りられれば今日中に下りてしまいたいという。最後はヘッドランプで暗闇を下りることになるが、19時ころには下山できると考え、あえて進むことに。これが私の判断ミスだった
池山へと続く長い尾根道の下り。青空も出てきて、ハイマツ帯の気持ちいい登山道
振り返れば空木岳山頂もガスが取れている。う~ん、残念。こういうこともよくある
気持ちの良い下りだ。とても歩きやすい尾根だが、緩やかでなかなか標高が下がらない
駒石に到着。登って遊ぶ時間はなく、素通りする。時々休憩するも、息子の足はまだ大丈夫のようだ
空木岳山頂方面を振り返る。気持ちの良い青空だ。でも予報では午後5時くらいから雨。本当に雨になるのかと疑いたくなる天気だ
ハイマツの松ぼっくりを餌にするホシガラスが飛び回っていた
いよいよハイマツ帯から樹林帯へと下る。この後、息子の足の疲労は増し、ペースはかなり落ちた。天気予報通り夕方5時から小雨となるも、樹林帯の中だったため、さほど濡れずに済み、やがて雨は止み晴れた。しかしながら長い下りが続き、息子の足が悲鳴を上げ大失速。林道終点登山口には予定を大幅に超えて20時着となってしまった
ロープウェイ山頂駅からの登山道には、この他にもウサギギクやヨツバシオガマなどお花が一杯咲いていた
イワツメクサも一杯咲いていた。ウスユキソウは島田娘前後の稜線に群生していた
トウヤクリンドウは久しぶりに見た気がする
タカネナデシコはサルに遭遇したあたりに群生していた
お盆の帰省ついでに昨年同様、息子と山に登ることに。暑いのが苦手な私は、駒ケ根ロープウェイで一気に2600mに上がる稜線歩きを提案。木曽駒や宝剣の周回と空木岳への稜線歩きの二案を提案したら、久しぶりに山に行くことになる息子はがっつり登山がしたいとのことで、空木岳へ周回するコースにした
登り始めはいつものごとく息子が涼しい顔で汗もかかずにどんどん先に進み、私は汗をだらだら流しながら休み休み稜線まで後をついていった。極楽平の稜線に出たところで涼風に吹かれながら朝ご飯とする。以降、ハイマツ帯の稜線を何度もアップダウンを繰り返して進む
檜尾岳を越えて熊沢岳に向かう登り返しあたりで息子のペースが落ちる。ずっと先を引っ張ってきた息子が小刻みに休憩し始める。熊沢岳から東川岳も同じような状況だった
かなりへばってきているのは見て取れたが、東川岳から木曽殿山荘への下りで一気に足にきたようだ。ここで大休止をして空木岳に向かうも状況は変わらず、というか、ますます息子のペースが落ちる。空木岳まではついてきたものの、足が小刻みに震えていた
予定より遅れて午後3時の到着だったので、計画を変えて駒峰ヒュッテに泊り、明朝下山するか聞いたところ、下りられれば今日のうちに下りたいとのことだった。翌日お昼にはお盆で実家に集まる予定だったので、私もできればこの日に下りたいという気持ちがあり先に進んだ。しかしながらこれが判断ミスだった
池山への尾根道を下るにつれて、息子の腿や脹脛がパンパンになりペースが上がらなかった。最後はヘッデンをつけて下りることになるのは分かっていたが、暗くなってもなかなか標高を下げられず。池山避難小屋あたりでタクシー会社2社に電話し、林道終点の登山口へピックアップを頼むも、お盆休みで街の方でタクシーがフル回転で、手配できないとのこと
万事休すで、林道終点から私が一人で菅の台駐車場まで下りて、車で林道を上がってくることを覚悟した。その後、タカウチ場で再度電話すると、40分後には迎えに行けるとのこと。救いの返事だった。30分くらいで午後8時にようやく林道終点に着くも、タクシーが到着するまで40分ほど待たされた(つまり30分遅れ)。でもタクシーが来てくれたおかげで、菅の台まで歩かず戻ることができた。息子の足は限界だったので、タクシーの運転手さんが仏に見えた(笑)
結局、こまくさの湯やこぶしの湯には最終受付に間に合わず断念。駒ケ根の銭湯すみれの湯に入って汗を流し、尾張の実家に向かった
今回は息子の若さと脚力を過信し、空木岳周回コースを選択したが、半年ぶりの山になる息子にとっては、ちょっと厳しかったようだ。一番のミスは駒峰ヒュッテで泊る選択をしなかったこと。遅くとも7時には下山できると高を括ったのが間違いだった。息子には強引に泊るように説得すべきだった。あるいはオヤジの足がガタついて歩けないので、泊ることにしてくれと言う方法もあった
まぁ、無事に下山できたことを幸いとし、今後の教訓としたい。それにしても、林道終点の登山口までよく頑張って歩いて下りてきてくれたものだ。まだまだ登山初心者の息子には本当に申し訳ないことをしたと反省している
なお、本山行の詳細については、以下の記録を参照されたし
山行記録: 空木岳。稜線の涼を求めてロープウェイ山頂駅から周回 ☜ ヤマレコの記録