2018.11.05 21:39
仕事が忙しくてなかなか山に行けない息子が、どこか山に行きたいとのこと。1泊でのんびりと秋山に行けたら良いのだが、息子は変則勤務なので、なかなか土日が連休にならない。息子が休みの日曜に何とか天気が持ちそうなので、雪山になるギリギリ前に二人の間を取って北八ヶ岳を計画した(息子のアパートから2時間、私のアパートから3時間)。息子にとっては、お盆の金峰山以来の山だ
いくつか計画した中から息子が選んだのは、麦草峠から天狗岳へ向かうコース。私は土日が休みなので、土曜日に縞枯山や北横岳を歩き、白駒池でテン泊し、日曜の朝7時に麦草峠で落ち合って天狗岳を目指すことにした。1日目はオヤジだけの山歩き。冒頭の写真は、いかにも北八ツ的な山容の一枚
最初のピーク、茶臼山方面。素晴らしい天気のもと登山開始
まずは出発地点の麦草峠の駐車場。きれいなトイレ棟もある。諏訪ICから299号線、通称メルヘン街道を上がってきた。途中、北八ツの主ともいえる鹿の群れに何度か出合う。車が近づいても全く動じない。麦草峠の標高は約2100m。2週間後の11月中旬にはメルヘン街道上部は冬期通行止めになる
樹林帯の中の木道を進む。この日は心配した霜は降りていなかった。霜がついていると木道が滑って歩きずらいことこの上ない
これも北八ツ的な立ち枯れの木々。山の斜面に帯のように幾重にも連なる縞枯が有名。後ほど縞枯山も通過する
茶臼山山頂は樹林に囲まれていて眺望は効かない。近くに展望台がある
少しだけ霧氷ができていた。今シーズン初めて見る霧氷。水分を含んだ雲やガスが風に乗って枝にぶつかることで成長するので、霧氷は風が吹いてくる方向、つまり風上に向かって成長する
原村方面を見下ろす。麓から中腹までのカラマツが黄金色に変ってきれいだ
明日向かう東天狗岳と西天狗岳が左に見える。その奥には南八ヶ岳の稜線が見えるはずなのだが、雲がかかって赤岳や阿弥陀岳などが見えない。ちょっと残念
縞枯山の山頂も樹林に囲まれて眺望なし。すぐ近くの縞枯山展望台の霧氷。ちょっとガスが出てきたかな
展望台から北側を見ると野辺山の電波望遠鏡みたいなアンテナが二つ見えた
一基は建設中かな?
電波望遠鏡と思しきアンテナの背後には浅間山と外輪山。この冬は3年ぶりに規制解除された浅間山に行くぞ!
浅間の右方向。奥には秩父の名峰「両神山」が見える。浅間山と同じく百名山。手前の尾根は三国山から甲武信ヶ岳(こちらも百名山。小説「春を背負って」の舞台)の稜線かな
縞枯山展望台の霧氷をもう一枚
縞枯山から雨池峠まで一旦下って雨池山に登り返す途中。写真中央右に北横岳ロープウェイの山頂駅が見える。下の平原には縞枯山荘があるのだが、隠れて見えない。それにしても空の雲が増えてきたのが気になるなぁ
三ツ岳に向けて結構な急登。岩ゴロが北八ツらしい雰囲気
振り返れば雨池が見下ろせる。帰りに回り道して寄って行こう。相変わらず南八ツ方面は雲がかかっている
三ツ岳Ⅰ峰からⅡ峰とⅢ峰を望む。岩稜帯が続く。北八ツとしてはあまりない稜線
岩稜には鎖も設置されている。岩稜に慣れない人は、三点支持で確保し、バランスを崩さないように
Ⅱ峰からⅢ峰方向
Ⅲ峰から下ってきたところ。スライドしたご夫婦が登っていく
Ⅲ峰から北横岳ヒュッテは近い。ヒュッテを素通りして北横岳に登るもガスガス。南峰から北峰へ向かう途中、ここも霧氷ができている
北横岳の北峰。何も見えず(苦笑)。もう少し天気はもつ予報だったんだがな・・
何も見えないのでさっさと坪庭まで下りてきた。左奥は縞枯山。山の中腹が白く見えるのは涸れた木が帯状になっているところ
坪庭はロープウェイで上がってきた一般観光客も散策できるよう整備されている。火山岩とハイマツのミックス。これも北八ツ的世界
坪庭の分岐から平原を通って雨池峠に進む。縞枯山荘でお昼ご飯を食べよう
メルヘンチックな縞枯山荘。なんと期待していた軽食はなく、コーヒーや紅茶などのドリンクしかない。やむなく甘酒を注文してストーブでしばし暖を取る
行きに通過した雨池峠をクロスして雨池まで下りてきた。登山道通りに湖畔を時計回りに3/4周しようかと思ったが、紅葉も終わっているので反時計回りに池の岸を1/4周してショートカット
樹林帯を抜けて麦草峠へ戻る。食べそこなった昼食代わりに、パウンドケーキやソイジョイをかじりながら歩く
麦草峠の駐車場に戻る。1日目ほぼ終了。40Lザックからテント泊用の65Lザックにチェンジしてテン場のある白駒池に向かう。ザックが重い!
白駒の奥庭を抜けて白駒池のテン場へ向かうところ。ここも北八ツ的な雰囲気
青苔荘の横にあるテン場にテントを張り、飛騨の「鶏ちゃん」をコンビニのカット野菜と一緒にフライパンで焼いて、ビール、焼酎をしっかり飲みながら夕食をとった。疲れが一気にどっと出て、18時前に寝袋に入って寝てしまった
夜中10時にトイレに起きると満天の星。星空撮影のため湖畔に下りる。これまで星空撮影に失敗し続けたが、原因はレンズだった。山ではレンズ交換が面倒なので、18mmー300mmのズームレンズ一本でやり過ごしている。横着して星空撮影もこのレンズでトライしていたが、一番絞ってもF3.5にしかならず、十分に集光できなかったようだ。今回サンヤンの単焦点広角レンズと中型三脚を購入して本格的にトライ。やっと満天の星空撮影に成功。でもブログに上げると暗くなって星が見えない(泣)。ネットに載せるには画像処理のもう一工夫がいるようだ
左手の湖畔の木の奥にオリオン座があり、風がなく鏡のようになった池面に反射するオリオン座を合わせて撮影。狙い通りに湖面に映る星を入れて撮影したが、これも暗くなってよく見えない。本当は空を流れる天の川と湖面に映る天の川の両方を撮りたかったが、天の川が出ていなかった。まぁ、最初から上手く行かないよね
いろいろ条件を変えて小一時間撮影していたら、冬山用のダウンジャケットを着ていたけど体が冷えてしまった。テントに戻ってシュラフにもぐりこむ
翌朝、軽く朝食をとり、明るくなり始めた5時半ごろから撤収。相変わらず手間取って50分ほどかかってしまう。撤収後にテン場を撮影。私も追加料金900円を払って、ベニヤのテラスの上にテントを張った。地面は霜がとけてちょっとぬかるみ気味なので、テントの底が汚れてしまう
底から沁みてくるわけではなく汚れるだけなのだが、家に帰ってからの後片づけが格段に楽なので、多くの方がテラスを利用している
撤収を終えて6時半前に出発。麦草峠へ向かう。白駒の奥庭の木道まで行くと、霜が降りた木道が滑るので、横を並走する299号線のメルヘン街道に出て車道を進む。路面も霜で白くなっているが、滑らずに歩ける。こちらを選択して正解
駐車場で40Lザックに交換していると。息子の車が駐車場に到着して息子と合流。今日は二人で天狗岳を往復する。登り始めは苔と木の根の登山道で、これも北八ツ的世界
それにしても息子が1歩で上がるところをオヤジは2歩で上がらなければならず、息子が時々立ち止まって待ってくれる。どっちが山の先輩だか分からないありさまだ
丸山への急な登りを経て高見石小屋に到着。まだ早いので名物の「揚げパン」のある喫茶コーナーはやっていなかった。残念!
昨日の疲れか、足が重い。やっとのことで中山展望台まで登り上げた。昨日歩いた縞枯山方面。縞枯は遠くから見た方がよく分かる
反対側は雲が多いな。これから進む東天狗岳が雲に隠れている。西天狗岳はくっきりと見えている。昨日のように雲がかからないことを祈る
東天狗へ向かう。山頂はうっすら見えるピークの奥。しんどい
東天狗山頂はガスガス。ザックを残してとりあえず西天狗岳へ向かうとガスが取れ始めた
すかさず振り返ると東天狗岳も姿を現す。上空は晴れている。ちょうど山の高さに低い雲がかかっていることが分かる
う~ん。南八ツは今日も雲の中。雲の間に稜線がちらりと見える
西天狗岳山頂標に立つ息子。2646m。夏の金峰山より50mほど高い。ちなみに東天狗は2645mで西天狗より1m低い
晴れている間に東天狗へ戻るべく急ぐ。空身は楽でいい
東天狗山頂標で二人一緒に撮ってもらった。ガスはないが、眺望は限定的
天狗岳分岐まで戻り、ここから天狗の奥庭へ下る。かなり急な下り。4年前に渋御殿湯の登山口からカミさんと二人で天狗岳に登った時は、こちら側から上がってきた。カミさんにとってはちょっときつい山だったな、と今頃反省
急坂を下り、奥庭へ進む。こちら方向(北側)は青空が広がる
下ってきた登山道を振り返る。中頃から下は、岩ゴロで歩きづらい。岩は安定しており靴底のフリクションが効いて滑ることはないので、岩の上をぴょんぴょんと下りてきたが、結構膝に来る
奥庭の岩場を通過してきた。ここから下って黒百合ヒュッテへ
黒百合ヒュッテに到着。この時点で1時ちかい。ちょっと予定より遅れ気味
でも今日はしっかり昼食をとる。小屋名物の「ビーフシチューセット」。これがうまい!
昼食後に「にゅう」へ向かう。岩ゴロの道から解放され、歩きやすい登山道を緩やかに下る。最後の方で登り返して「にゅう」のピークに至るも、ガスで眺望はほとんどなし。木の根で滑らないよう、白駒池に向かって樹林帯を一気に下る
白駒池のほとりにある白駒荘でお茶にする。チーズケーキとコーヒーを味わっていると、無情の雨がぱらぱら。急いで食べて、ザックカバーとレインの上着をつけて麦草峠に戻る
雨が降り出す前に、鏡のようになった湖面に映る木々を撮影。もう少し早い時期だと、きれいに紅葉している姿が水面に映るのだけど・・
今回の天狗岳はきつく感じた。息子も前回の金峰山よりはるかにきついという。きついのは自分だけじゃないと知ってちょっと安心した。天狗にはいろんなルートから数回登っているが、今回が一番きつく感じた。筋力の衰えかな・・・
まぁ、それはさておき、東天狗に着いたときはガスガスだったが、西天狗を往復しているときにガスが一時的にとれ、多少展望が開けたのは幸いだった。青空の中、麦草峠から中山展望台までの登りの部分と合わせて、まずまずの天候の中を登れて、息子も満足したようだ
CMじゃないが、私にとっても息子と一緒に山で過ごしたプライスレスな一日になった
なお、この山行のコース概況、タイムなどの詳細は、以下の記録を参照されたし
山行記録: 北八ツぶらぶら(縞枯、三ツ岳、北横岳、中山、天狗、にゅう) ☜ ヤマレコの記録