2017.06.24 12:17
計画に当たって
10月5日の水曜から7日の金曜まで休暇を予定していて、3泊4日で東北の山をぶらりとするつもりだった。ところがシルバーウィークに続いて、またもや台風や秋雨前線に阻まれ、断念せざるを得なくなった。やむなくプランBを発動し、木曜と金曜に2日間晴れそうな北アルプスに行き先を変えた
話は変わるが、今年の3月末に一足早く60歳になり定年扱いで退職した同期が、数年前に初めて山に出かけて山登りに取り付かれた。富士山である。以降、3000m峰を制覇すると言い出して登り始めた。山に関しては先輩面してうんちくを語ってきた自分としては、先を越されるわけには行かず、未踏の3000mの峰々を登ってきた
若い頃には南アルプスにはほとんど行かなかったので、ここ数年は手付かずの南の3000m峰を登ってきた。おかげですっかり南プスファンに(笑)。最後に残ったのは自分でも意外な北アの前穂高岳。どう記憶をたどっても頂に立った覚えがない。というわけで、今回の北アへの変更に合わせ、前穂に出かけることにした
30年ぶりの北アなのに、いきなり日本三大岩稜の一つである前穂の北尾根というバリエーションルートを使って計画したのは、いささか無謀だったと反省
(註)バリエーションルートとは、地図上に表示がなく、一般登山道のようなペンキやリボンなどの目印も、鎖や梯子などもないルート。自分で登れそうなルートを見つけながら登る
今回の歩行ルート図と標高グラフ
最高点の標高: 3099 m
最低点の標高: 1511 m
累積標高(上り): 2318 m
累積標高(下り): -2315 m
以下は私のGPS記録をもとにGoogle Earth Proを用いて作成した歩行軌跡の動画で約45秒の長さ。歩行速度によって赤線の進む速度が変わる。特に時間を要した北尾根(5・6のコルから前穂山頂まで)までは赤線がゆっくりと進む。画像右下の三点リーダーで再生スピードを変更できるのでお好みの速度でご覧ください。
一日目の山行(上高地~涸沢:パノラマルートにて)
歩行ルート図と標高グラフ
最高点の標高: 2569 m
最低点の標高: 1511 m
累積標高(上り): 1353 m
累積標高(下り): -561 m
山行の詳細
まずは1日目の上高地。30年ぶりの上高地バスターミナル。予報では台風の影響が残り、9時か10時頃まで雨の予報だったが8時過ぎでこの天気。この日は涸沢までなので、のんびりスタート
梓川に架かる河童橋。懐かしい風景だ。背後には奥穂から前穂への吊尾根がくっきり。ひっさしぶりに上高地に帰ってきたせいか、眺めていて鳥肌が立った
上高地を抜けて、明神館までやってきた。ここは変わってないな
明神岳を左手に眺めながら梓川沿いに進む
徳澤園までやってきた。ここも懐かしい。でも正直なところ、昔と同じか自信がない
徳澤園から横尾山荘方面に進む。今回は横尾山荘前の横尾大橋を渡って涸沢に進む王道ではなく、上の写真の新村橋を渡ってパノラマコースから涸沢を目指す。30年ぶりなので、横尾山荘も見てみたかったが、次回の楽しみということで・・
梓川に架かる新村橋を渡ってしばらく進み、奥又白沢沿いへと進む。正面の奥の方に前穂の北尾根が見えた
前穂の北尾根をアップ。北尾根の右端の辺りを向こう側へ回り込み、涸沢へと向かう
中畠新道分岐のすぐ手前で奥又白沢をクロス。台風の後だったからか沢には水が流れており、顔を洗ってがぶ飲みした
中畠新道分岐からパノラマコースに進み、屏風のコルへの最後の登りの手前にもう一本沢があった。ここの水は冷たくてうまかった。とにかく喉が渇いて、ここもがぶ飲み
パノラマコースを進む最後の登り。このルートは登りで使うのは結構しんどい。涸沢からの下りで使う人が多いのが、身に沁みて良く分かる
屏風の耳に向かう途中から。素晴らしい槍の眺め
槍ケ岳の穂先をアップ。やはりカッコいい
屏風の耳から北穂高岳(右)、涸沢岳(中央)、奥穂高岳(左)。中央左下には涸沢カール。涸沢ヒュッテも見えている
槍の右奥には鷲羽岳、その右奥に水晶岳の頭が見える。パノラマコースとはうまく名付けたものだ。素晴らしい眺めだ
中央に伸びるのが北穂の東稜。こちらもバリルートだ。いつかやりたい
ずっしり堂々とした奥穂の勇姿。今回は行かないけど、来シーズンには再訪したいな
奥穂(右)と前穂(左)を結ぶ吊尾根。前穂から手前に伸びるのが北尾根
明日登る前穂の北尾根をアップ。逆光で反射してくっきり見えない。北尾根を手前の10峰からスタートする強者もいるが、私はオーソドックスに真ん中あたりの6峰と5峰の間からスタート
北尾根とは反対側の眼下に横尾山荘。びっくり! こんなに大きく立派になったんだ。昔の面影がない。浦島太郎感がいっぱい
さて、涸沢に向かおう。左下の赤い屋根は今宵の宿の涸沢ヒュッテ。テン場の上には涸沢小屋も見える
ヒュッテのテラスでくつろぐ人たちが見える。名物のおでんに生ビールだろうな。早く飲みたい
屏風の耳からコルまで戻り、北尾根方向へ尾根道を少し進むと、涸沢へのトラバース路になる。基本的に緩やかな下りだが、途中、崩落気味の箇所が数か所あり、ロープやザイルが設置されている。はやる心を抑えて涸沢へと急ぐ
ヒュッテのテラス到着。正面に常念、左に横通岳、左端の稜線奥が大天井岳。常念から右に進めば蝶ヶ岳だ。常念山脈を肴に生ビールと売り切れ寸前でゲットしたおでんをいただいた。極上の至福の時間
残念ながらテラス周辺の目が覚めるような涸沢の紅葉は無かった。小屋のスタッフに聞くと、直前の台風で残っていた紅葉が飛んでしまったとのこと。ちょっと残念(涙)
2日目の記録へ進む ☜ クリック
なお、この山行のコース概況、タイムなどの詳細は、以下の記録を参照されたし
山行記録: 前穂高岳(北尾根)&3000m峰26座完登。夢のW実現 ☜ ヤマレコの記録