奥日光 中禅寺湖の紅葉はピーク(2020/10/29)

旅の記録

2020.10.30 11:34

中禅寺湖畔の紅葉を見に出かけた。今回のコースは、歌ヶ浜駐車場から八丁出島まで往復するコース。途中に一般公開されているイギリス大使館別荘とイタリア大使館別荘がある。ともに再建された記念館だ

数年前の10月24日(日)に同じコースを歩いたことがあるが、その時は紅葉の色がくすみ始め、旬を逸してしまった。今回も土日あたりから奥日光の紅葉のニュースが流れており、ちょっと出遅れたかなと心配したが、まだまだ紅葉を楽しむことができた

中禅寺湖畔の並木の紅葉。それぞれの木が緑から黄、赤に変わる色を有し、それらの中間色を含めた多彩なグラデーションが楽しめた

まずは歌ヶ浜無料駐車場から。平日木曜日の朝9時というのに駐車場はすでに満杯状態。ラッキーなことに空きを見つけて駐車

山肌にもいろんな色がパッチワークのように広がり、青空に映える

道路沿いの遊歩道を進むとすぐにイギリス大使館別荘跡が現れる。数年前にきたときは、再建中で翌年から開館するという状況だった。今回はイタリア大使館別荘との共通入館証を300円で購入し、中を拝見

幕末から維新にかけて関与したイギリスのアーネスト・サトウが個人別荘として建てたのが始まりで、その後に英国大使館別荘となり、長く使用されてきた

ところで、アーネスト・サトウはてっきり日系人かと思い込んでいたが、「サトウ」というのは「佐藤」ではなく、「Satow」というチェコ系か何かの苗字だそうで、生粋の欧州人であることを知った。滞在は25年以上にわたり、奥さんは日本人。本人は自ら「佐藤愛之助」と名乗った

文久2年といえば、坂本龍馬が土佐藩を脱藩した年だ。坂本龍馬との接点はほとんどないが、アーネスト・サトウは薩摩藩とのつながりが多く、維新にも深くかかわった

執務室ですかね。館内にはいろんな写真や説明書きがあり、あらためて勉強になる

JR東日本の「大人の休日倶楽部」のポスターで吉永小百合さんが座っていた場所。奥のソファの左の部屋はカフェになっていて、スコーンと紅茶を楽しめる

歩いて数分で、イタリア大使館別荘跡に着く。スギの皮を外装や内装にうまく使い、市松模様的なデザインをあしらうあたりはイタリアらしい。こちらは数年前に中を拝見したが、今回も再訪

スギの皮を使った内壁がいかにも洒落ている

イギリス大使館別荘と同じく、湖面に向かって広縁のような廊下があり、ソファに座って眺められるようになっている

スギ皮と竹の壁。イタリア人のセンスですね。他の部屋には歴代のイタリア大使の写真が飾ってあった。1Fのカフェでカミさんとカプチーノを飲みながらクッキーをかじった

黄葉の木々に囲まれたイタリア大使館別荘

湖畔側から見上げる。当時の先進国の威信や文化のようなものを感じる。ところで、英国大使館別荘の手前に(歌ヶ浜駐車場のさらに手前側に)フランス大使館の別荘もあるが、こちらは現役のようで一般公開されていない

イタリア大使館別荘前の湖畔から男体山(なんたいさん)を望む。男体山は山そのものが山麓にある二荒山神社(ふたらさんじんじゃ)のご神体。形を見ての通り火山。この山の噴火で中禅寺湖と華厳の滝ができた

黄葉の多い道が続く。写真左側の低い方が中禅寺湖側。歩いてきた道を振り返って

自然の芸術。無造作ながら絶妙な色の配置

この散策道は紅葉は少なく、黄色が圧倒的に多い

八丁出島が近づいてきた。細い半島のように突き出た部分がパッチワークのようになっている。半月山に登ると、展望台から八丁出島を上から眺められるが、今回はカミさんが足を痛めているので山には登らない

八丁出島のすぐ近くの浜で紅葉をアップ

湖も空も青く澄み、八丁出島と男体山が美しい

出島の先まで歩いて反対側から出島と男体山。中禅寺湖には一周できるようトレイルがある。一周すると25キロちょっとだろうか。7時間くらいで歩ける(+休憩時間)

遊覧船もあるので、船で紅葉巡りもできる。乗り降り自由な一周フリー乗車券は1400円。大使館別荘付近でも乗り降りできる

中禅寺湖遊覧船クルージング│運賃表

遊覧船が歌ヶ浜駐車場の方に移動していった。さて、我々も戻ろう

駐車場から車で龍頭の滝へ(りゅうずのたき)。奥日光には華厳の滝、湯滝、龍頭の滝の3つがある。残念ながら龍頭の滝の紅葉は終わっていて、滝の上にあるはずの赤色や黄色がない。ということは、さらに上流側にある湯滝もダメだろうということで行くのをやめた。華厳の滝は下流側だが、やたらと混むので最初から計画対象外

ところで、この龍頭の滝は中禅寺湖一周コースを歩く途中にある。金谷ホテルのコーヒーハウス「ユーコン」にて昼食。客が多いので30分くらい待った。大正時代からのレシピの百年ライスカレーが有名(1840円)。なお、ホテル内のレストランはコロナ対策で一般観光客を対象とした営業はしていない

こちらは見事な紅葉。中禅寺湖周辺は今がピーク。今週末(11月1日と2日の週末)はラストチャンスになりそう。天気も良さそうなので、紅葉が楽しめるはず。ただし劇混みが予想されるので、早朝に出発して7時頃には中禅寺湖に着くように出かけ、お昼ごろには帰るようにするのが良いかと・・。いろは坂の渋滞に巻き込まれるのを回避できる可能性大(ただし、両大使館別荘とも9時開館)

金谷ホテル周辺の紅葉。こちらも見事なグラデーション。金谷ホテルの日帰り温泉を利用し、奥日光の湯元から引いている硫黄泉を満喫した(13-15時、1300円、ボディタオルとバスタタオル込み)

2時半ごろには帰宅の途についたが、中禅寺湖の街中を抜けるのにすでに渋滞が始まていた。いろは坂のかなり下までのろのろ運転が続いた。平日と言えども、紅葉シーズンは凄い。Go To トラベルの影響もあるのだろうか?

ところで、緑、黄、赤のグラデーションになっている木をよく見ると、ある事に気が付く。幹の下の方が緑、上に行くほど赤になる。おなじ枝でも幹に近い方が緑や黄で、枝の先の方は赤になっている

つまり根元から遠いほど早く赤に変わっていくということ。寒くなると木の根から枝の末端の葉まで栄養を送る管がつまり、葉が死んでいく。それが緑から黄、そして赤へと変わる現象を引き起こす

人間も同じ。雪山で凍傷に合うのは手足の指や耳、鼻から。つまり心臓から遠い末梢の血管が寒さでやられ、血流が止まって凍傷になる。紫色から真っ黒に変色していき、最悪切断しなくてはならなくなるのだが、紅葉のメカニズムと全く同じ

それはさておき、今回はまだピークのうちに奥日光の紅葉を楽しむことができた。天気にも恵まれ、本当に気持ちの良い時間を過ごすことができた

 

なお、今回歩いたルートの地図や歩行距離などは、以下のヤマレコの記録を参照されたし

山行記録: 奥日光 中禅寺湖の紅葉 今週末がラストチャンスかな ☜ ヤマレコの記録

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