長良川の鵜飼い(2019/06/19)

旅の記録

37年以上務めた会社を引退して、今は外資系企業に勤務している。外資系企業には外資系を渡り歩いてきた人が多く、彼らに言わせると37年も日本の企業に勤めた輩は、ド内資一筋の宇宙人のように映るらしい。良くも悪くも日本の風習にどっぷり漬かり、思考回路も行動パターンも内資仕様になっているらしい(笑)

否定はしない。外資系で働く人たちは、乗る車や趣味も服装もオシャレで、仕事に対する考え方も会社に対する思い入れのようなものも違う。ツーブロックのヘアカットの社員って、今は純粋な内資でもいるのかなぁ?まぁ、私がいた会社には多分いないな。そのうち内資一筋との違いを書いてみたいと思うが、今回は目的が違うので割愛

といいつつ、ボスで来ているアメリカ人(といっても40代)のシュールなところ(私にとって)を紹介したい。彼らは大体2-3年の期限で日本にやってくる。独身もいれば家族がいる人もいる。東京ならいざ知らず、山奥の工場には家族は来ないので、単身赴任でやってくる。3か月に1回くらいは1-2週間帰国するが、単身で来るだけでも大したものだ。私が前に勤めていた日本企業でこのような人事を海外の社員に対してやろうとしても、絶対に無理だった。欧州と米国の間の異動だって難しかった

その彼のもとで働いて1年半ちょい。発想が面白い。team buildingの一環と考えているのか、個人的な趣味なのか、我々が思いつかないことをみんなでやろうという。例えば、東京でマリオカートに乗って走ろうとか、お台場のチームラボとか・・

正直、私はそういうものがあることすら知らなかった。マリオの着ぐるみのようものを着て、公道をゴーカートでみんなで走るというアトラクションがあるとは・・。結局、予約が取れず(それにも驚いた)、マリオカートはあきらめて、お台場のチームラボと夕食会に変わったのだが、こちらも行ってみると外国人が多かった

要するに、外国人の間で広く普及する日本に関する情報がネット上にあり、それを見てあれこれ言ってくるようなのだ。確かに最近は外国人の間で有名になり、その後に日本人も行くようになるというスポットが多い

前置きが長くなったが、今回もみんなで何かやろうというので、適当にお茶を濁すべく、長良川の鵜飼を推奨してネットの映像を見せたところ、彼が興味を持った。部長クラスばかりのおじさんを集めた会なので、鵜飼は日本人にも受け入れられ、即決まった。

日本人でもなかなか鵜飼を経験したことのある人は少なく、かくいう私も故郷の鵜飼は経験していたが、長良川の鵜飼は初めてだった。下の写真は鵜舟の上で鵜匠が綱で鵜を操る様子

まずは午後3時に仕事を切り上げ、特急ひだで岐阜まで移動。先行していた買い出し班がお寿司、から揚げなどのオードブルセット、ビールや乾き物などを調達して待機。岐阜駅からタクシーに分乗して乗船場へ移動

乗船場で荷物をコインロッカーにデポ。トイレなどの準備が終了したら、6時半に乗船

乗り込んだ船から出発。我々は17名で1艘貸し切り。タグボートのようなモーター付き小型船に引っ張られて少し上流の岸へ向かう

鵜飼が始まる7時半ころまで岸で宴会。この日は梅雨時ながら雨は降らず、暑くも寒くもなく、川面を吹き渡る風が心地よかった。トイレ船が同じ岸辺に泊っており利用できる

こんな感じで岸辺に停泊して宴会

トイレ休憩だけでなく、岸辺に出て腰を伸ばすこともできる(愛煙家は喫煙も)

暗くなると鵜舟が上流からやってきて停泊している船の前で鵜飼いショー。鵜匠が巧みに綱を操ってアユを捕まえた鵜を引き寄せて、鵜の喉からアユを吐き出させる。

長良川の鵜飼いは約1300年前に美濃の国で始まったとされ、その後足利幕府や徳川幕府に庇護され(もちろん岐阜城の織田信長にも愛され)、その後は天皇家に守られ、今は宮内省の管轄にある。鵜匠は正式には「宮内省式部職鵜匠」と呼ばれ、下世話な話ながら、年2000万円の給料をもらっているとか。さらに地方自治体からも300万程度の金額を得ているそうで年収2300万円という大会社の役員クラスの年収になる。代々の世襲制で、婿養子にでも入らなければ鵜匠になれない

2艘に1艘の鵜舟がつく感じで一緒に長良川を下りパフォーマンスを楽しむ。その後、一旦、鵜舟と離れ、しばらくすると上流から隊列を組むように下ってきて、最後に近くに寄ってきて鵜を舟に上げて終了

本日の水揚げ。いろんなサイズの天然アユ。8時半過ぎには岸に戻り下船となる

以下はiPhoneでの動画撮影。なかなかうまく取れないが、雰囲気は分かってもらえるかな?

長良川の鵜飼いの動画1 ☜ クリック 

鵜舟が近くにやってきて一緒に下りながら鵜を操る様子を見ることができる。その後、鵜舟を離れ、少し下ったところで待機

長良川の鵜飼いの動画2 ☜ クリック

しばらくすると上流からすべての鵜舟が横に列を作ってアユを追い込みながら下ってくる。我々の船が停泊している場所まで来ると方向を左に変えて、アユを浅瀬に追い込む

長良川の鵜飼いの動画3 ☜ クリック

最後に、我々の船の近くにやってきて鵜を舟に引き上げて終了

初めての長良川の鵜飼だったが、十分に楽しんだ。

知らない人と乗るより、みんなで一艘貸し切りにしたほうが、和気あいあいと楽しくていいですね。16-17人くらいが貸し切りにしたほうが安くなる分岐点とか・・

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