富士山を眺めながら丹沢山系を周回/檜洞丸→蛭ヶ岳→丹沢山→塔ノ岳/西丹沢in、大倉out(2025/12/4-5)

山の記録

日常的に歩いているウォーキングコースから眺めていて、前から歩いてみたかった丹沢の周回コース。何かと後回しになっていたが、やっと今回計画できた。ヤマビルもいなくなり、ひどく汗をかくこともない季節になったので実行することに

上の写真は2025年5月3日に撮影した富士山と丹沢山系。トーキョーディズニーリゾートの外側を東京湾沿いに歩くいつものウォーキングコースから眺めた写真。富士山の前に横たわる山系が丹沢山系。一番右の高い山が蛭ヶ岳で、その左方向に丹沢山、塔ノ岳と主脈が続く。一番左が大山

今回のコースは日帰り周回する若者もいるが、年寄りは小屋泊でのんびり山行を楽しもうと1泊2日で計画した。入山口と下山口が異なるので、車の回収が厄介。今回は公共交通機関を利用することにした。利用するのは小田急線の新松田駅と隣の渋沢駅

西丹沢ビジターセンター(VC)から大倉バス停へ周回するか、逆回りで周回するか、電車やバスのダイヤと睨めっこ。入山はバスの本数が少なくても時間管理が容易なのに対し、下山は体調などにより時間が変動しやすいので、バスの便が多い大倉バス停へ下山することにした

1日目は西丹沢ビジターセンター(VC)からスタートしツツジ新道へ入る。最初の山の檜洞丸に登り、そこからアップダウンを繰り返して蛭ヶ岳へと進み、蛭ヶ岳山荘に宿泊

2日目は蛭ヶ岳山荘でご来光を見たのちに出発し、主脈を丹沢山、塔ノ岳と進む。塔ノ岳からは通称「バカ尾根」と呼ばれる尾根を下って大倉バス停に下山する

2D歩行ルートと標高グラフ

合計距離: 22723 m
最高点の標高: 1661 m
最低点の標高: 295 m
累積標高(上り): 2286 m
累積標高(下り): -2540 m

3D歩行ルート動画

歩行ログをもとに、Google Earth Proで以下のごとく3D歩行ルートの動画を作成した。カメラ高度は7,000m、カメラ角度は60度、速度は50秒程度の再生時間になるよう設定している。なお、右下の3点リーダーからPlayback speedを変更できるので、好みで調整されたし

ビジターセンターから舗装道路を奥に進むとキャンプ場の横を通る

舗装道をしばらく進むとツツジ新道の登山口が現れる。ここを奥へと入っていく

気持ちの良いトラバース路を進む。小学生の頃、友人と里山をほっつき歩いていた。寒い冬に歩くことが多かった。そのころを思い出すような空気がピンと張りつめた心地良さだ

落ち葉が風に吹かれてカサカサいう音や、踏みしめたときのガサとかガシャというような音が当時を思い出させる

ゴーラ沢出合。石の上をポンポンと歩いて沢を渡渉する。対岸を少し上流へ進み、階段を上がっていく

展望台まで上がってきた。樹間から富士山を見られた最初のポイント

アップで撮影。雪が積もり始めてだんだんと富士山らしくなってきた。ジグザグの登山道もまだはっきりと見える

檜洞丸の山頂まであと少しというところに幹回りがでかいブナ?の木があった。メインの幹はなく空洞化。新たな4本の幹が伸びている

後半は木段を登り続け檜洞丸山頂(1,601m)に到着。ちょうど昼時だったので、ここで団体さんと一緒に昼食のパンを食べた。幸い風もなく、温かい日差しのもとでしばし休憩

檜洞丸の山頂直下にある青ヶ岳山荘。名物のドリップコーヒーをスルーした。山荘の前のテーブルと椅子でコーヒーを飲みながら昼食にすればよかった。混んでいるとの読みが外れて無念

中央左が蛭ヶ岳。ここからアップダウンが続く試練の道

お昼過ぎでも解けない霜柱。おかげでこの日は泥濘なし

ラスボスに向かう。最後にかなりの急登が立ちはだかる。寒いけど頭の中はビール、ビール・・

急登の苦し紛れに枝をつかむのだが、誤ってこやつを掴むと大変。何の木が知らないが、この山域に多く自生していて棘が痛い。服にも引っ掛かり、テムレスが少し破れた

蛭ヶ岳山頂直下まで登って来たところにある看板。蛭ヶ岳から檜洞丸へ進む人への注意喚起だ。檜洞丸にあった注意看板はもう少しマイルドな内容だったような・・。急斜面は登ってくるよりも下るときの方が事故が起きやすいのは確か。登山初心者も多い丹沢山系なので、ちょっと厳しめの警告か?

目標通り15時前に蛭ヶ岳山頂に到着。小屋にチェックインする前に、しばし眺望を楽しみながら撮影。残念ながら夕刻にかけて富士山付近に雲がかかった

奥が明朝歩く尾根。左4分の1あたりにある塔ノ岳山頂に尊仏山荘が見えている。奥には相模湾。右奥には伊豆大島も見えている

横浜方面と東京湾。奥に房総半島が見える。さぁ、小屋にチェックインしよう

16時半頃に富士山の左すそ野に日の入り

ラストモーメント

今宵は十四夜月。しばらく夕日と月を眺めて写真を取っている間に体と手が凍えた。小屋に戻ると皆さんストーブの周りに集まっていた

日が沈んだ後のビーナスライン(17時頃)。外は寒いので小屋の中から窓を一瞬開けて撮影

夕食後、下界の夜景がきれいだ(18時頃)。しばらく外にいたら体の芯まで冷えて、手は凍傷になるかと思うくらいかじかんだ。感覚が戻るまでしばらくストーブで温めた

夜景から約12時間後の夜明け前の光景(朝6時頃)。こちらの方がくっきりしているような・・

6時半に小屋を出てしばし小屋周辺でご来光を楽しむ

ちょっとだけモルゲンロートに染まった富士山@蛭ヶ岳山頂

沈んでいく満月。左は影蛭ヶ岳かな? 通称「蛭影」。こちらも山頂から撮影。それでは2日目スタート

鬼が岩。ここへの登りはちょっとした鎖の岩場だった

鬼が岩から振り返った蛭ヶ岳。山頂に小屋が見える

鬼が岩越しの富士山

蛭ヶ岳から丹沢山へ3分の2くらい進むと不動の峰休憩所。新しくて綺麗な休憩所だ。小屋の左奥には光り輝く相模湾

富士山と左奥に愛鷹連峰

アップダウンを繰り返して丹沢山山頂にあるみやま山荘に到着。蛭ヶ岳山荘の眺望を取るか、みやま山荘の食事を取るか、悩ましい選択だ

久しぶりの丹沢山山頂。百名山の丹沢山の山頂標もだいぶ傷んだような・・

次はあそこ。塔ノ岳。山頂に見えるのは尊仏山荘

龍ケ馬場休憩所から朝日に光り輝く相模湾

塔ノ岳山頂に到達。昨晩、蛭ヶ岳山荘に宿泊していた方に撮ってもらった。ありがとうございました

都心方面の眺め。左奥には筑波山が見える

スカイツリーや都心の高層ビル群。私のiPhoneの限界写真

中央やや左奥が大山、右手前が三の塔

相模湾の奥に伊豆大島が浮かぶ

左奥が天城山などの伊豆半島の山々、その手前の尾根の右に明神ヶ岳などの箱根の山々

右側に蛭ヶ岳、左側に檜洞丸。今回はこの二つを結ぶ登山道が一番きつかった

最後に丹沢山塊と富士山。さて体も冷えてきたので下山するとしよう

通称「バカ尾根」の長~い階段地獄の始まり。膝痛持ちの私の膝をじわじわと痛めつけてくれた。鍋焼きうどんを喰わなくても迂回して鍋割山コースを下山に使うべきだったと途中で後悔

かなり下りてきた。紅葉が幾らか残っていた。膝はボロボロでヤバいかも・・

見晴らし茶屋。ペンキ補修中。ダメージを受けた膝でここから11:50発のバスを捉まえるべくラストスパート。逃せば次発は1時間後だ。結果、3分前に滑り込みセーフ。こんな無理せんでものんびり下りてくれば良いものをと、いつも終わってから反省。懲りないというか学習能力がないというか・・

年寄りは小屋泊でのんびり山行を楽しもうと1泊2日で計画。が、ちょっとなめていた。1日目はのんびり登山どころか、休憩もそこそこにひたすら歩いた

2日目はゆっくり歩くつもりが、気温が低く寒いので、体を温めるべくついつい早足になってしまう。丹沢山や塔ノ岳の山頂では、寒くてのんびりもしていられない。ザックからダウンジャケットやレインジャケットを出して着こめばよいのだが、それが面倒で眺望を楽しんだ頃には体が冷えて先へ進むという繰り返し

強い寒気団のせいでかなり気温が下がり、徐々に暖かくなってきた2日目の昼頃には山を下りてしまった。おかげで滴り落ちるような汗をかくことはなく、霜柱が解けて泥濘に気を病むこともなかったけど・・

このコース、のんびりやろうと思ったら、青ヶ岳山荘とみやま山荘で2泊するくらいの計画じゃないと厳しいと痛感。もしまたやることがあれば、2泊3日で計画しよう

脚力、体力、心肺機能などの衰えをつくづく感じた山行となったが、2日間好天に恵まれて気持ちの良い初冬の丹沢山系の登山を満喫した。感謝感謝!

アクセス

<往路>
小田急線新松田駅北口1番乗り場から西丹沢ビジターセンター(VC)へのバスあり
遅くとも2番目の7:15発のバスに乗車したい(VC 8:26着)
3番目の8:25発のバスだとVCに9:36着なので、余程頑張らないと蛭ヶ岳山荘に明るいうちに到着できない
https://trippers.info/trekking/transit/0009
交通系IC利用可

私は最寄り駅の始発を利用しても在来線の場合7:15発のバスに間に合わないので、以下のように新幹線で小田原まで行き、小田急で新松田駅に向かった(7:12着)。新幹線や小田急が数分遅れるとアウトになる綱渡りの乗り換え
東京駅6:21発ひかり631号 → 小田原6:54着、6:58発小田急 → 新松田7:12着(小田原の乗り換えは2-3分で可能)

<帰路>
大倉バス停から小田急線の渋沢駅北口へのバスあり(乗車15分)
https://www.jorudan.co.jp/bus/rosen/timetable/%E5%A4%A7%E5%80%89%E3%80%94%E7%A5%9E%E5%A5%88%E5%B7%9D%E4%B8%AD%E5%A4%AE%E4%BA%A4%E9%80%9A%E3%80%95/%E6%B8%8B%EF%BC%90%EF%BC%92/%E9%8D%9B%E5%86%B6%E3%83%B6%E8%B0%B7%E6%88%B8/
交通系IC利用可

なお帰路は小田急の快速急行で渋沢駅から新宿駅まで行き、中央線で東京駅へ乗り継いだ

コンビニ

公共交通機関利用の場合は駅中や駅周辺にあり

日帰り温泉

大倉バス停に下りてくる場合は、渋沢駅北口から徒歩18分で「ととのいの郷 秦野湯花楽」の一択か。手っ取り早いのでマイカーの時もここを利用した
平日980円、土日祝1150円。9時-24時。 TEL 0463-84-4126
https://hadano-yukaraku.com/

西丹沢ビジターセンター(VC)に下りてくる場合は、新松田駅から徒歩15分の「健楽の湯」
500円。10時-16時半(入館16時まで)。月・火休業
https://town.matsuda.kanagawa.jp/site/kenraku/

西丹沢VCから新松田駅へ向かう途中の「町立中川温泉ぶなの湯」
750円。10時-18時。月休業。西丹沢VCから約15分の中川バス停下車。徒歩3分。ゆっくり入浴して次のバスを捕まえる?
https://www.town.yamakita.kanagawa.jp/0000004453.html
https://trippers.info/trekking/transit/0009

山小屋

蛭ヶ岳山荘。1泊2食 8000円。缶ビール500円/350ml
夕食はレトルトカレー。1袋分のルーでおかわりなし。ご飯はおかわり自由。サラダ等のおかずあり

深刻な水不足中とのこと。ご年配のご主人が一人で切り盛り。最初はとっつきにくい印象もあるが、話をすると気さくで優しいご主人

食堂兼談話室はストーブで温かいが、寝室は冷蔵庫(冷凍庫か?)。皆さんダウンジャケットのみならずダウンパンツなどを持参して自衛(笑)

コース概況

全般的に丹沢山系は整備が行き届いている。標識はもちろんのこと、木段、木橋、鎖など至れり尽くせり(木段地獄、階段地獄とも・・)

檜洞丸から蛭ヶ岳:
この周回ルートの核心部。西丹沢から登ってきた最後にここを歩くのはやはりきつい。注意看板の「上級者コース」というのはちょっと大げさなような気もしなくはないがキツイことに間違いはない

蛭ヶ岳から丹沢山経由で塔ノ岳:
細かいアップダウンがあり、脚力を奪われる。ひざ丈の笹の登山道を進む部分は、左右に穴があいたような崩落個所があるので、景色に見とれて落ちないように(笹で見えにくい)。早朝など暗いうちに歩く場合も要注意

バカ尾根の下り:
膝に問題を抱える人は下りで痛みなど再発しやすいので用心。とにかく木段が長く続くので、じわじわと来る。鍋割山を通るルートを下る方が膝には良いかと思う(個人的な意見)。こちらは長い林道歩きがあるので一長一短あり

<1日目>
山行 5:47、休憩 0:21、合計 6:08
距離 9.3km、 登り 1,725m、 下り 595m
西丹沢ビジターセンター 8:49 → 8:55 ツツジ新道入り口 → 9:31 ゴーラ沢出合 → 10:22 展望台 → 11:49 檜洞丸 12:01 → 12:05 青ヶ岳山荘 → 12:37 金山谷乗越 → 13:55 ミカゲ沢ノ頭 → 14:50 蛭ヶ岳 → 14:57 蛭ヶ岳山荘

<2日目>
山行 4:49、休憩 0:24、合計 5:13
距離 12.7km、 登り 431m、 下り 1,809m
蛭ヶ岳山荘 6:44 → 7:04 鬼が岩 7:06 → 7:44 不動ノ峰休憩所 7:48 → 8:22 丹沢山 8:26 → 9:28 塔ノ岳 9:35 → 10:00 花立山荘 10:06 → 11:11 見晴らし茶屋 → 11:46 大倉バス停

注)コースタイムの0.7 – 0.8位で歩いている(ヤマレコの計測)

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