硫黄岳。夏沢鉱泉から赤岩の頭まで(2023/10/26)

山の記録

計画にあたって

11月上旬に予定しているトレッキングツアー参加に向けたカミさんの最終テスト山行。4月の高尾山は楽勝で、これならいけると思ったが、8月の乗鞍岳では暑さを避けて位ヶ原山荘から山頂を目指したところ、標高が高かったせいか高山病のような症状が出始め、標高差400mほど登った肩の小屋でギブアップ。

3回目のトレーニングとなる10月上旬の高尾山・景信山縦走では、石の階段の下りで膝痛が再発して小仏山で引き返した。本番まで時間がなくなり、今回は最後のテスト山行。桜平から硫黄岳まで標高差800m強を登って下りる計画。トレッキングツアーの3日目にある標高差700mの峠越えのシミュレーションとして計画した。

歩行ルート図と標高グラフ

合計距離: 9206 m
最高点の標高: 2654 m
最低点の標高: 1884 m
累積標高(上り): 882 m
累積標高(下り): -878 m

私の歩行GPSログをもとにGoogle Earth Proを用いて3D歩行ルートの動画を作成した。右下の3点リーダーからPlayback speedを変更できるので、好みで調整されたし。

山行の詳細

桜平駐車場から夏沢鉱泉、オーレン小屋を経由して赤岩の頭に登り、硫黄岳を目指す。

桜平P(上)から約30分で夏沢鉱泉。いい感じの小屋だ。硫黄岳には何度も登っているが、このルートで登るのは今回が初めてだ。

小屋からは北アルプス南部の屈指の稜線である槍ヶ岳から穂高連峰の稜線が見える。素晴らしい。

夏沢鉱泉から約1時間でオーレン小屋。この小屋の名物である桜鍋を食べたいと思っているが、まだ実現していない。夏沢鉱泉もオーレン小屋も山小屋としては珍しくお風呂に入れるし、シャワーも浴びれる。いつか泊まってみたい。

この日はひんやりして気持ちいい。路傍には霜柱があちらこちらに。

ダケカンバの中をゆっくり上がってくるカミさん。このあたりで標高2400mくらい。苦しくなってきたか・・

麓の唐松などの黄葉がきれいだ。この黄葉が八ヶ岳だ。

ハイマツ帯を抜けて、カミさん何とか稜線に到達。私が立っているのが赤岩の頭。

ちょっとお疲れの様子。2656mに到達。桜平から標高差750mを何とか登り上げた。よく頑張った。

でも残念なことに、硫黄岳山頂は雲がかかり始めてしまった。残すところ標高差100m。ここからは眺望抜群の稜線歩きなのだが・・。


南八ヶ岳を代表する阿弥陀岳、赤岳、横岳の稜線はガスの中に・・。ここまでの登りの苦労が一気に吹っ飛ぶ素晴らしい眺めなんだけど残念。でも標高差700mの峠越えのシミュレーションは達成できた。ガスに覆われた山頂へ登っても何も報われないので、赤岩の頭で良しとし下山することに。

ちなみに上が先週の写真。同じ赤岩の頭から撮った写真。赤岳、中岳、阿弥陀岳の奥にギボシと権現岳の吊尾根。その奥に南プスの稜線。せっかくここまで登ったのだから見せてあげたかった。

西天狗岳(中央)と蓼科山(左奥)。東天狗(右端)には雲がかかっている。そういえば、カミさんと始めて登った八ヶ岳が東天狗岳だったな。あの時も下山で体力を消耗し、どんどん失速したっけ。下山途中に暗くなり、予約していた渋の湯の旅館から安否確認の電話を受けてしまった。もう10年近く前になるだろうか・・

毎シーズン、風雪に耐えているダケカンバ。それでもまっすぐ上に伸びようとする姿が心に響く。

よく整備されているが、下山はカミさんの苦手な段差の下りとなる。オーレン小屋まであと少し。

オーレン小屋のテン場(下)まで下りてきた。

テン場(上)も数張り。静かで良いテン場だ。そのうち来るとしよう。

小屋前の沢が水場。塩ビ管2本から出ている水。テン場は橋のすぐ先。水にもトイレにも困らない。

下りてくれば青空復活。山では「あるある」のシチュエーション。オーレン小屋名物のボルシチで昼ご飯。おいしいけど、ちょっと温め不足。と言うか、この気温だからすぐ冷めちゃうんだろうな。

ところで、同じ八ヶ岳の天狗岳にある黒百合ヒュッテでランチ提供されているビーフシチューは絶品なので、ぜひお試しあれ。味もクオリティも街中のレストランの上を行く(と私は思う)。

硫黄岳山頂方面の雲もほとんどとれて青空だ。ひんやりしているが日差しはまだ強い。パラソルを開いてくれるとありがたいのだが・・。

iPhoneで撮ると、味わいのある苔の森の深い緑が妙に明るくなってしまうな。

登山道の横を流れる沢には、小さな滝がいくつも現れて楽しませてくれる。滝つぼ周辺にはイワナかヤマメか魚の姿も。

夏沢鉱泉から下ると黄葉が見られる

桜平まであと少し。先を行くカミさん。膝のトラブルなく無事に下山できホッ。

素晴らしい黄葉の屏風

桜平登山口付近から振り返って。ひんやりして全く汗をかくこともなく、気持ちのよい山歩きだった。

山行を終えて

シミュレーション山行の結果は、赤岩の頭まで到達し、標高差750mを登ったことで一応クリア。段差の多い下りでも、膝のトラブルは発生なし。標高の高い山だとどうしてもペースが落ちるので、CT(コースタイム)の1.2倍はやむなしとする。

トレッキングツアーは、ピークハントはなく峠越えが1回あるのみで、あとは比較的フラットなコース。何とか峠越えはできそうだ。残る課題は初日以外の3日間。毎日20キロ弱を歩く。平地ではすでにウォーキングテスト済みなのだが、小刻みなアップダウンのコースや峠越えを含めた場合にどうなるか一抹の不安が残る。現に登山の翌日の今日は疲れて寝込んでいる(笑)

ツアーのコースに入ってしまうと、途中でエスケープできるようなルートがないので、いやでも最後まで歩き切らないといけない。まぁ、あれこれ考えても仕方ない。カミさんも楽しみにしているのだから何とかなるだろう。万一に備えて、カミさんの荷物の大半を担げるよう、私は大きめのザックを持っていくつもり。屋久島や大台ケ原のように雨の多いところなので、雨が降り続かないことだけは神頼みするほかない。

今回の山行を無事に終えることができて、まずは何よりだ。

関連情報

駐車場情報

桜平には3つの駐車場がある。桜平駐車場(上)は20台、(中)は60台、(下)は70台。
https://www.o-ren.net/news/entries/2017/000271.php

当日は登山道ゲートに最も近い桜平駐車場(上)に駐車した。下段、中段、上段の3つのうち、登山口から一番遠い上段に止めることができた。平日朝8時前に到着でほぼ満杯。帰りは下段から上段の路肩にも4台駐車していた。ここを含めて合計20台駐車可。

桜平駐車場はナビによっては検索できないので、唐沢鉱泉を登録するとよい。ゴルフ場と三井の森の別荘地を抜けたあたりにある分岐を右に入る(夏沢鉱泉の看板あり)。あるいはグーグルマップのナビを使用する。

なお、分岐からのアクセスは悪路。凸凹をかわしながらゆっくり運転すること。
SUVベター。スズキのハスラーで桜平駐車場(上)まで来ていた女子二人組もいた。

コンビニ

東京方面からは南諏訪ICを下りてすぐにファミマあり(唯一)

日帰り温泉

今回は原村の「もみの湯」を久しぶりに利用。

もみの湯:650円、0266-74-2911、10時-21:30(受付21時)
http://www.lcv.ne.jp/~mominoki/mominoyu.html

夏沢鉱泉:1000円。小さいので混雑時は待ちになることもある
https://iodake.jp/natsuzawa/

尖石の湯:1100円。0266-76-5211。金~月・祝10:00~17:00(火、水、木は休み)
http://www.togariishinoyu.com/higaeriyu.html

八峯苑・鹿の湯:900円、0266-66-2131、10時-21:45、JAFとモンベルは100円引き
http://happoen.jp/hotspa/higaeri.html

延命の湯:市外830円、0551-36-6111、15時-21:30(受付20時)
「道の駅こぶちざわ」の一番奥にある
http://www.spatio.jp/hotspring/

農産物販売所

原村にある「たてしな自由農園原村店」に寄った。もみの湯のすぐ近くにあり、前を通た時にカミさんが店を覚えていてリクエストされた。私は奮発して五一ワインを購入した。

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