丹沢山系最高峰 蛭ヶ岳へ。青根(釜谷林道ゲート)からピストン(2023/04/19)

山の記録

計画に当たって

久しぶりに丹沢山系へ。これまで百高山や百名山を優先してきたため、首都圏にいながら、なかなか丹沢山系に出かけることができなかった。百高山も百名山も完登したので、丹沢へ早速出かけることにした

上の写真は、いつもウォーキングで歩くトーキョー・ディズニーリゾートの外側、東京湾沿いのコースから眺める富士山と丹沢山系。空気が澄んだ冬には見えることが多い(2021年3月撮影)。因みに丹沢の手前はトーキョー・ゲートブリッジ

今回は丹沢山系の最高峰の蛭ヶ岳をチョイス。実に2014年以来、9年ぶりの丹沢山系で、蛭ヶ岳は初めて。好天が続くようであれば、山中の営業小屋か避難小屋で一泊して縦走することも考えたが、直近は目まぐるしく天気が変わる予報なので日帰りすることに

天候が安定するのを待つことも考えたが余裕はない。4月から10月ころまで、丹沢山系はヤマヒルが発生する。4月なら、ヤマヒルはまだあまり活動しておらず、GWの頃になると本格的に動き出す。というわけで、ヤマヒルが活発になる前の好天を狙って日帰りすることにした

首都圏の若い人たちは、スピード登山や持久力の鍛錬を兼ねて丹沢山系の主脈を日帰り縦走する方が多い。22キロから26キロくらいを一日で歩き通す。山を本格的に再開した50代後半の頃は、私も20キロ越えの日帰りピストンや周回をしたこともあるが、当時でもきつかった。さすがに60代後半になってはもう無理だ。今回は蛭ヶ岳に絞って、日帰りピストンを計画

最もポピュラーな青根集落(釜谷林道ゲート)からの日帰りコースを選択した。問題は駐車場。ゲート前には5台しか駐車できない。少し手前に5台ほど駐車できるスペースがあるが、合わせても10台がやっと。平日といえども駐車スペース確保はかなり厳しい

最悪、青根浄水場の駐車場などを利用すれば駐車できる可能性は高くなるが、ゲートまで少々歩かなくてはならない。というわけで、5時半までにゲート前に到着するよう、自宅を遅くとも4時に出発するよう計画した。当日の天気予報では、午後には首都圏の下界は夏日になる予想で、神奈川は雲に覆われるとのこと。午前中に終わらせるよう自宅を4時前に出発するよう計画した

歩行ルート図と標高グラフ

合計距離: 15727 m
最高点の標高: 1679 m
最低点の標高: 494 m
累積標高(上り): 1749 m
累積標高(下り): -1745 m

総歩行距離:15.0k、累計標高上り:1,507m、累計標高下り:1,485m

私の歩行GPSログをもとにGoogle Earth Proを用いて3D歩行ルートの動画を作成した。右下の3点リーダーからPlayback speedを変更できるので、好みで調整されたし。

山行の詳細

今回は青根集落の釜谷林道ゲートからスタートし、八丁坂の頭まで樹林帯を登り上げる。そこから稜線を姫次まで進み、姫次から一旦下って蛭ヶ岳山頂へ登り返す。帰りも同じコースを辿って戻る。丹沢山系の最高峰といっても1,673m。しかしながら、累計標高の上りは約1,750mあり、結構手ごわい

まずは釜谷林道ゲート。自宅を3時45分に出て、途中コンビニなどによって5時15分頃に駐車場に到着。2台目だった。5時半にゲートの横をすり抜け、舗装道路を進む。クマ出没注意の看板。クマ除け鈴をチリンチリンと鳴らしながら進む

ゲート前から駐車場の様子を撮影。準備をしていると3台目の方が到着。最初の1台目の方(白の車)がおおらかに駐車したので、今日はあと1台が限界か。端から順番にきっちり詰めて駐車していけば、5台は駐車できると思う(車種にもよるが・・)。写真の右下手前、道路の反対側にもう1台駐車できる

しばらく舗装の林道歩き。結構な勾配の坂が続く。途中で右手方向の山道に上がる(標識あり)

新緑がきれいだ。この時期ならではの鮮やかな新芽の緑

タチツボスミレかな?登山道の所々で見かけた

登山口から八丁坂の頭までいきなりの急登を辛抱強く登る。半分くらい登った辺りから、ムラサキヤシオが見られるようになってきた。こちらはちょうど見頃の状態(ミツバツツジかも)

こちらは蕾の状態。夏日のような日が続けば、アッという間に咲くだろう(こちらもミツバツツジかも)

やっと尾根まで登り上げた。展望が一気に広がる。稜線を風が吹き抜けて気持ちいい

アセビも満開。漢字で書くと「馬酔木」。葉を食べた馬が酔ったような状態になったことからこの名がついたとか。アセボトキシンという毒が原因。昔の人は、葉を煎じてこの毒を抽出し、畑の害虫駆除に用いてきた

アセビの花。鈴なりに一杯ぶら下がっている

八丁坂の頭からは木段や木道が現れる。植物の再生回復のためなので、少々歩き辛くてもこの上を歩くこと

八丁坂の頭から姫次(ひめつぎ)までは比較的フラットな稜線歩き。しっかり汗をかいた急登から解放されて気持ち良い歩き。姫次の休憩ポイントからは富士山が見える。ここからは、右手方向に木々の間から富士山を眺めながら歩く

富士山のアップ。素晴らしい。昨日の予定をやめて、今日に変更して大正解。サンデー毎日の身ならではの臨機応変な山行のおかげ

登山道沿いに所々生えているヤマザクラも満開。往路の尾根の左手サイドの斜面には何本も集まって咲いているところがあった(八丁坂の頭から少し先。姫次のずっと手前)。上の写真の桜は、姫次から地蔵平に向かう登山道わきの桜

地蔵平の先、蛭ヶ岳への最後の上りが始まる手前にコバイケイソウの群生があった。コバイケイソウの群生は蛭ケ岳山荘の周辺にもある

ある人は「階段天国」と呼び、ある人は「階段地獄」という。どっちも正解だな

檜洞丸の奥に富士山。ジグザグの登山道までくっきり見える。檜洞丸の山頂直下に見えるのは青ヶ岳山荘かな。あちらには行ったことがないので、いつか西丹沢登山口から周回してみたい。ぜひ青ヶ岳山荘のドリップコーヒーをいただきたいものだ

やっと蛭ヶ岳山荘が見えてきた。やれやれ・・

石でスマホを固定して山頂で自撮り。山頂からの素晴らしい眺めを楽しみながらブランチ代わりにコンビニおにぎりを食す

南プスの白峰三山。右から北岳、間ノ岳、農鳥岳。2月末に夜叉神から尾根を登り、薬師岳から眺めた間近の白峰三山も素晴らしかったが、ここからの遠望の眺めも素晴らしい

白峰三山の左にはピラミダルな塩見岳。その左は蝙蝠岳から続く尾根だろうか

さらに左には悪沢岳の尖がりを擁する荒川三山、その左には小赤石岳と赤石岳、左端には聖岳も見えている。さらに左には、上河内岳から茶臼岳へと続く山々の頭が見えていた

そして南プスの左には富士山。きれいだ。ちょっと雲が出てきた。午後には予報通り曇りになるのかな?早めに登ってきて良かった

富士山から左へ眼をやると愛鷹連山も見える

ユーシン渓谷が眼下に見える。行ったことがないのでユーシンブルーを見にぜひ訪れてみたい。左上には駿河湾も見えている

駿河湾をアップ。肉眼ほどはっきり映らないけど、ちゃんと見える

蛭ヶ岳山荘の前に移動。まだ時間が早いので、カレーは食べられない。我が家は昨晩カレーだったので、どっちにしろカレーはいいかな(笑)

下山開始。すぐに崩落地の横の木段を下りる。すぐ横までえぐれている

山頂から四角いベンチのところまで下ってくると、キクザキイチゲが数株咲いていた。行きには気が付かなかった

ちょっと下ってアセビのトンネルを抜けていく

こちらはバイカオーレンのようだ。行きには咲いていなかったか、見落としたか・・(シロカネソウかも)

こちらは青いキクザキイチゲ

姫次まで戻ってきた。行きは富士山の背後は青空だったが、ちょっと雲が増えてきた

姫次の休憩ポイント。奥に見えるのが蛭ヶ岳。ここからの下りで、登って来られる方と数名スライドした。気温が高くなってきたので、蛭ヶ岳への最後の登りは大変だ

ちょっとグラデーションがかったキクザキイチゲ

これはギンモクセイで合ってるかな?ちょっと自信ない。ぱっと見ではイソツツジかと思ったが、葉の形が丸っこいし、花ビラも4枚でイソツツジの5枚とは違う

白いタチツボスミレを見つけた。初めてだ(オトメスミレかも・・)

マムシグサもいた

舗装された林道まで下りてきて山吹がお帰りなさいのお出迎え。八丁坂の頭から急坂の下りの連続でちょっと疲れた

ショートスパッツに「ヒル下がりのジョニー」をしっかりスプレーして対策したが、この日は全く見かけなかった。良かった良かった

山行を終えて

距離にして約15キロ、累計標高上りが約1750m。年寄りには、この日帰り登山で十分きつい。間違っても蛭ヶ岳から先に足を延ばそうなどとは全く思わない(笑)

今回の山行の鬼門はナビ設定。なんとマツダのナビでは、釜谷林道ゲートが登録できない(泣)。緯度経度のデータを打ち込んでも、地図を拡大して指で場所を指定してもダメ。前のホンダのナビの時は、指で地図上をタッチして手動設定できたのだが、同じ方法が使えない。結局、青根の学校を登録して、そこから先はグーグルナビにスイッチした

私の車を入れて、平日の朝5時半で3台が駐車場に。これが次の鬼門。目が覚めたついでに早く家を出て正解だった。ゲート前に到達するまでに疲れてしまう山だ

ところが、登り始めると八丁坂の頭まで急登続きで唖然。やっぱり登りも疲れる。この日は25Lのザックで荷物が軽くてよかった。早朝は気温が低かったものの、急登で汗がたらたら。八丁坂の頭からは比較的緩やかな稜線で、風も吹いて心地よく、汗も引いていった

下山後は「いやしの湯」へ直行し、源泉かけ流しの温泉で疲れた体を癒した。終わってみれば、気持ちの良いワンデイ・トレッキングで、久しぶりに丹沢を満喫できた。感謝感謝!

関連情報

駐車場

上述したように、釜立林道ゲート前には5台分のスペースしかない。少し手前の路肩に4‐5台駐車できるスペースがあるが、早めに到着しないとスペースは埋まってしまう。青根浄水場駐車場に駐車することもできるようだが、少々歩くことになる

さらに歩くことになるが、私がマツダのナビで登録した小学校(廃校)にも無料の駐車場があるようだ。10台駐車可能とのこと

トイレ

駐車場にはない。途中のコンビニか高速のPAかSAで済ますことが必要。蛭ヶ岳山荘までの登山道にもない

コンビニ

行きは中央道から圏央道に入り、相模原ICで下りて青根に向かった(マツダのナビの誘導)。その途中に、ローソン、セブン、セブンの三軒があった

グーグルナビでは相模湖ICで下りて青根に向かうルート取りだったが、こちらは経路にコンビニはない。吉野の交差点を左折して相模川の橋を渡るのだが、吉野の交差点を左折せずにそのまま道なりにまっすぐ100mほど進むとセブンの藤野町店がある

日帰り温泉

いやしの湯:青根の集落から車で数分。青根緑の休暇村の中にある。042-787-2288。750円。火曜定休。10-21時。食事処あり

さがみ湖温泉「うるり」:さがみ湖リゾート・プレジャーフォレストの中にある。火曜日はこちらが最も近いと思われる。042-685-2641。平日950円、土日祝1100円。11-21時。木曜定休。食事処あり。プレジャーフォレストの駐車場に入る際に一旦1000円が必要だが、入浴受付で申請すると戻してもらえるとのこと

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