2022.09.14 16:49
6月中旬に北の国からシリーズ第一弾を開始し、快晴の利尻富士で上々のスタートを切ったものの、その後は最低でも3-4日晴れ予報が続く機会がなかなか訪れず、第二弾は7月終盤になり、第三弾は9月上旬になった
何ともやきもきさせられ、今シーズン中に百名山を達成するのはもうだめかと諦めかけていたところ、日本海を進んだ台風11号のおかげか、通過後に5日間ほど北海道で晴れ予報が続くチャンスが訪れた。これを逃すまいと、出発2日前に飛行機やレンタカーを急ぎ手配した
一つ目の幌尻岳から素晴らしい青空に恵まれ、まるで本土の夏山のような感じだった。おかげで熱中症のような症状になってしまったものの、何とか回復して美瑛岳と十勝岳の周回、そして百名山締めくくりの羊蹄山(ようていざん)を続けることができた
別名、後方羊蹄山(しりべしやま)。蝦夷富士(えぞふじ)とも呼ばれている
冒頭の写真は下山後に麓のまっかり温泉から撮影した羊蹄山。街の銭湯の富士山の壁画ではないが、まっかり温泉の露天風呂の天然壁画は羊蹄山のこの姿。ちょっと歪んでいるが、支笏湖や洞爺湖方面から眺めると左右対称のシンメトリカルな山容だ
まずは、前泊した俱知安の街から車で約30分、真狩キャンプ場にある登山者用駐車場まで移動。羊蹄山には、京極ルート、比羅夫ルート、真狩ルートの3つがある。スタート地点の標高が若干違うものの、大体同じような登り下りだ
真狩ルートを選んだのは、場合によってはキャンプ場でテントを張って前泊するオプションを残しておくためと、下山してすぐに日帰り温泉に入れるため。標高300mの登山口から1893mの山頂まで、約1600mを登り上げる
この日も暑くなりそうなので、朝4時頃にスタート。最初は樹林帯を進む。樹林帯の中は風が通らず蒸し暑く感じる。木々で眺望もなく我慢の登りを強いられる。3合目辺りでしばし樹林帯を抜けて視界が開けた。夜が明け始め、空の色が刻々と変わっていく。気持ちの良い風が吹き抜け生き返る
雲海も薄く広がっていた。この後、4合目から8合目辺りまでは樹林帯が続く。登山道は明快なのだが、すれ違うのも苦労するほど細い。腰を下ろして休むような場所はほとんどない
8合目辺りまで来ると洞爺湖が見えるようになった。意外と近く見える。残念ながら支笏湖は見えなかった。この辺りまで来ると、森林限界を越えて太い大きな木はほとんどなくなる。8合目から9合目は、山腹をトラバースするように回り込み、やがて灌木帯を抜ける
9合目からはザレた登山道になり、ちょっと滑りやすい。お鉢の稜線まで最後の登りが続く。それにしても今日も素晴らしい青空だ
お鉢まで到達した。真狩コースの場合、山頂と反対側に登り上げるため、ここからお鉢を半周して山頂へと向かう
左方向の時計回りは一般的な登山道で、右方向の反時計回りは岩場コースになる。お鉢巡りをするつもりでいたので、岩場コースから反時計回りに一周してここに戻ってくることに。岩場ルートは、ペンキのマークを外さなければ、さほど危険個所はない
山頂到着。百名山完登。「やった〜」というより、「やれやれ・・」、というのが正直なところ
狭い山頂で、居合わせた方に撮ってもらった。最初は二人だけだったが、次々と7名が到着
ところで、なぜ羊蹄山が最後の山か?理由もこだわりもない。今シーズンの北海道の天気が悪すぎて、晴れ予報の山域に優先的に出かけてきたら、羊蹄山が最後になったという次第
山頂からの洞爺湖。背後には雲海が広がっている
雲海のはるか後方にはどこかの山並みが浮かんでいる
辿ってきた岩場コース
山頂からのお鉢の眺め
これから巡るお鉢の残り半分
山頂の反対側まで周回して戻ってきた。快晴のお鉢巡り。太陽に晒されてはいるが、風が心地よく汗ばむこともない。さて下りるとするか
下りでは続々と登ってくる多くの登山者とスライドした。日曜の快晴だからね。下りとは言え、樹林帯の中は風が通らず汗が出る。ひたすら下ってお昼前にキャンプ場に下山
ここも気持ちの良いキャンプサイトだな。子供たちが小さい頃は、よくオートキャンプに出かけたが、かれこれもう15年以上は出かけていない。久しぶりにカミさんと二人でキャンプに出かけるとするか・・・
さて、百名山を完登した感慨はどうか?正直なところ、特に感動も達成感もない。コロナで2年間は1座も進めることができず、「やれやれ、やっと終わった」というのが偽らざる感想だろうか
50代半ばで山を再開して、百名山を意識するようになった。どうせやるなら電子媒体にしっかりと記録を残そうと、10代20代に登った百名山30数座もすべて登り直し、山愛好家のSNS「ヤマレコ」に記録をアップしてきた
2014年3月1日の福島の安達太良山を皮切りに、今回2022年9月11日の羊蹄山まで、すべての百名山の記録をヤマレコに残すことができた(本ブログの「特集コーナー」に、百名山と百高山の記録を一覧にした)
日本百名山 ☜ クリック
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コロナ禍では遠出を自粛して日本アルプスに集中したので、百名山より先に百高山を完登し、こちらもヤマレコに記録を残すことができたのはうれしい誤算だった(百名山と百高山は富士山など29座が重複している)
『百の頂に百の喜びあり』。日本各地の名峰100座を選出した深田久弥が、山岳随筆集「日本百名山」に記した有名な言葉だ。確かに素晴らしい山々だった。季節を変えて再訪したい山は多い。百名山の再訪を含め、これからはのんびりと山を味わっていきたいと思っている
無事に完登させてくれた山の神様と、これまで快く山に行かせてくれた我が家の「山の神」に心より感謝
今後の夢は、所帯を持った二人の息子たちに早く子供ができ(大きなお世話だろうが)、いつか孫の手を引きながら里山をぶらぶら一緒に歩ける日がくること。そんな日を心待ちにしている
なお、本山行のコースやタイムなどの詳細については、以下の記録を参照されたし
山行記録: 仕上げは羊蹄山(真狩コース) ☜ ヤマレコの記録