初秋の立山三山めぐり(2020/09/22-23)

山の記録

2020.09.24 20:12

なかなか好天に恵まれなかった今年の秋山シーズン、ここにきてシルバーウィークの4連休は北アルプスの天気が良さそう。私のような隠居老人は、連休は家でじっとして平日に動くべきなのだが、山の天気ばかりはそうも言っておられない。4連休の混雑に拍車をかけてしまうが、最終日なら少しは良いかと立山に出かけることにした。

冒頭の写真は室堂ターミナル前から立山を眺めたもの。2日目の下山直前の写真。4連休の翌日なので、4連休の喧騒が嘘のような静けさ。奥には、右から雄山、大汝山、富士ノ折立と続く立山の主峰。草紅葉は始まっているが、低木の紅葉はまだ始まっていない。これまで暑い夏が秋に食い込んでいたからね

今回の目的は以下の3つ

-この山域でこれまで取りこぼしてきた百高山3つのピークに立つこと

-立山三山を周回すること(浄土山「前世」、雄山「現世」、別山「来世」の三世めぐり)

-龍王岳東尾根で岩稜を楽しむこと

混雑具合を日々チェックしていると、観光地は「コロナなんかに負けないぞ」的な大混雑。立山の紅葉はまだ本格的に始まっていないが、立山に向かう黒部アルペンルートは、長野県側の扇沢駅も、富山県側の立山駅も早朝から長蛇の列

ネットで富山TVのニュースを見ると、朝6時ごろには日曜日が700人、月曜日が1000人の行列を作ったとか。朝の7時の時点で日帰りの往復チケットは完売!乗車券を手に入れても、室堂への到着がお昼過ぎになる人も。これでは山歩きどころではない

連休3日目の月曜の昼前にアルペンルートのWeb予約サイトを確認してみると、翌日の立山駅8時発のケーブルカーが1席だけ空いていた。キャンセルが出たタイミングだったんだろう。すかさず、このチケットを予約。これで長い行列に並ぶこともなく、登山口の室堂に9時に到着できる

本当は運転距離の短い信濃大町の扇沢駅から黒部湖経由で室堂にアクセスしたかったのだが、贅沢は言ってられない。深夜1時に家を出て、関越道→上信越道→長野道→北陸道と乗り継いで、5時間半かけて立山駅に向かう。我ながらよくやるよ

ところでコロナの今シーズンがそうなのか、この4連休だけなのか分からないが、立山駅発でWeb予約できるのは立山駅から扇沢駅への片道か、立山駅から黒部湖までの往復のみ。立山駅から室堂の往復切符は当日券しかない

つまり、室堂⇔黒部湖の切符を捨てることになる。室堂までの往復切符より2千円ほど高くなるわけだが、早朝から長蛇の列に並ぶこと、切符を手にしても室堂到着が遅くなるリスクがあることなどを考えれば、約2千円を余分に払っても元は取れる(と個人的には思う)。なにせ5時間半も運転して室堂に上がれませんでしたでは、何のために富山まで行ったのかわからない

まずは立山駅6時半過ぎ。前日、前々日と打って変わって、窓口の行列はさほどひどくない。朝5時に並んだ人が50番目くらいだったとか。私は当日販売窓口の左の窓口に直行して、切符の受け取り。申し訳ないなぁ

こちらが1日目の室堂到着時点の写真。冒頭の写真との違い。空が青いかどうかで印象ががらりと変わる。天気予報では午前は晴れなのに、残念ながら朝から高曇り。台風が近づいているので、2日目の天候の崩れが早くなるかもと気になり出す。1日目に立山三山を周回して、未踏の百高山を確実に手中にすることに予定を変更

室堂周辺は草が黄色くなり始めている。今年はどこの山も紅葉が遅れているようだ

多くの登山者が一ノ越へ進み、雄山登山に向かう。私は途中から右手に逸れて、まずは浄土山を目指す。立山三山の一つで「前世」の山だ。浄土山から先に進み写真の龍王岳を目指す。本来はこのピークの反対側から東尾根を登って山頂に到達する計画だったが、浄土山側からサクッとアクセス。地図には登山道はないが、この山頂を目指す人は少なくないので、山頂までのトレースがしっかりと見て取れる

龍王岳山頂、2872m。百高山88座目。山頂に居合わせた陽気なお姉さん二人にシャッターを押してもらう。右側にこれから向かう雄山、私のお尻の後ろに剱岳

これから向かう稜線。龍王岳から一ノ越山荘まで一旦下り、そこから300mを登り返して雄山山頂に向かう。その後、標高3000m弱の稜線を進んで、大汝山、富士ノ折立へと進む。写真右側の稜線だ。富士ノ折立から200m下って、少し登り返すと真砂岳(中央写真)。そこから下って登り返すと別山に至る(写真中央やや左)。別山から尾根を左に下りながら進み、別山乗越にある剱御前小舎から斜面を一気に500m下って雷鳥沢(写真左下隅)へ下りる

別山の尾根の背後に見えるのは剱岳の雄姿だ

一ノ越山荘まで下りてきた。ここには40年くらい前に泊まったことがあるが、最近はいつも素通り。外見は昔と変わっておらず、安心感のようなものを感じる

小屋の横手から先程山頂にいた龍王岳を望む。本来は左に連なる東尾根を登って山頂に立つ計画だった。明日いけるかな?

雄山に向かう。半分くらい登った所。山頂の社務所が見える。登りと下りで、矢印のペンキの色を赤と黄色に分けている。登山者が多いので一方通行になるようにしている

雄山山頂の祠。雄山(3003m)は立山三山の一つで「現世」の山。いつもはすぐ下の社務所で500円を支払い、この山頂の祠まで上がってくると、神主さんが祝詞を奏上してお神酒を盃でいただける。今年はコロナの影響で社務所自体が閉鎖。その代わり山頂は無料解放されている

立山の最高峰である大汝山(おおなんじやま)3015mに向かう。雄山から先は登山者がぐっと減る。多くの日帰り登山者が雄山で引き返す

大汝山の山頂標のあるピークまで行き、直下の大汝休憩小屋に下りる。10年くらい前の映画「春を背負って」の撮影舞台となった小屋。松山ケンイチが親の後を継いでIT企業をやめてこの小屋番になる物語。笹本稜平の原作とは場所もストーリーも異なるが、映像で流れる山のシーンはきれいだった

大学生がソロでやってきて、悪天にもかかわらず先に進んで動けなくなり、携帯で小屋に救助を要請するシーンがあった。こんなところで携帯がつながるかよ、とバカにしていたら、その当時にもう電波がつながっていた。山を本格的に再開する前だったので、随分と衝撃を受けたのを覚えている。浦島太郎状態だった。ちなみに立山周回はほとんど4G がつながる

大汝山から富士ノ折立へと進み、今回は富士ノ折立の山頂をスルーして登山道を進んだ。200mのザレて滑りやすい登山道を下りる

尾根を進んで真砂岳を通り、別山へと進む。高曇りがだんだん低くなってきて、稜線にもガスがかかり始めた

別山(べっさん)南峰に到達。立山三山の三つ目。「来世」の山だ。三世信仰の山としては、東北の羽黒三山(羽黒山、月山、湯殿山)があるが、古来からの山岳信仰の一つの形なのだろう

南峰から300mほど水平に北峰へやってきた。山頂標も何もないが、ここが南峰より10mほど高く、2880mで百高山になっている。今まで南峰を通過してばかりで、ここを取りこぼしていた。百高山89座目

南峰に戻って剱御前山(つるぎごぜんやま)に向かう。雪渓の上に剱御前小舎の小屋が見える。雪渓から右に延びる尾根が剱御前。空はますます怪しくなってきた

別山からの尾根を緩やかに下って剱御前小舎までやってきた。今回の三つ目の百高山である剱御前山の山頂へはすぐに往復できるが、尾根を先に進んで剱岳を見るのが目的の一つ。尾根を往復すると、予約している雷鳥荘への到着が17時を回ってしまう。それはまだしも、そもそも尾根を進んでガスの中、剱岳が望めるのか?

3つ目の百高山、剱御前山を明日に持ち越して雷鳥沢に下りることに。ザレて滑りやすい急な登山道を難儀して下りながら、明朝ここを登り返すのかとへこむ。雷鳥沢に下りてから、宿の雷鳥荘まで登り返し、午後4時に到着

早速、源泉かけ流しの温泉に浸かり、ラウンジでビールを飲んで寛いでいると空が焼けた。この日は大阪でも空が赤く染まったとか。小屋の外に出ていくのも面倒で、窓を開けて手抜きの撮影。この後に夕食を食べに食堂へ。山小屋と違って、17時半から20時まで好きな時に食べに行けばよい

温泉の風呂、トイレや洗面所などのアメニティをはじめ、ラウンジやカフェなど、ロッジか旅館のような小屋だ。ソロでの宿泊なので、和室の個室というわけにはいかないが、2段ベッドが4つ置いてある8人部屋をコロナ対策で4人で使用。どこで寝てもいいのだが、全員下のベッドで寝た

翌朝3時半頃にトイレに起きる。年を取ると前立腺肥大気味のせいか朝までもたない。起きたついでに外に出ると満天の星空。5時に出発する予定だったが、ささっと身支度して、4時過ぎに外に出る。明瞭な天の川が見つからなかったので、適当に星空を撮影して4時半過ぎに出発。ヘッデンを点けてまずは雷鳥沢のテン場まで下る

雷鳥沢から別山乗越まで約500mを登り返した。登っている間中、昨日剱御前山に行っとけばよかったと後悔しきり。でも、剱御前小舎まで来ると、反対側に快晴の剱岳が目に飛び込んできて、後悔が一気に感動に変わる

剱御前山、2792m。百高山90座目。カウントダウンの始まり。山頂標の後ろに見えるピークまで尾根を進もう。あそこから奥の剱岳を眺める

雪と岩の殿堂、剱岳。何度見ても素晴らしいが、ここからの眺めは最高だ!剱御前の尾根はまだ続いているが、ここから先は容易には進めない。今日に変更して本当に良かった(笑)

ここで絶景を眺めながら、宿に用意してもらった朝食用の弁当を食べた

もどる途中で、剱御前山を裏から見る。小舎側からとは異なり、峻厳な姿が素晴らしい

左側に立山(富士ノ折立、大汝山、雄山)、中央やや右に浄土山と龍王岳、右奥に笠ヶ岳、黒部五郎岳、薬師岳。何とも言えない眺めだ

一ノ越山荘の上には裏銀座の尾根が、さらに奥には槍ヶ岳から穂高岳の稜線。右端にはロバの耳やジャンダルムがくっきりと見える

中央下が雷鳥沢のテン場、中央右が地獄谷、中央が室堂。写真左には影立山

別山乗越にある剱御前小舎からの下りは、昨日とは別ルートで。昨日利用した急斜面をダイレクトに下りるルートは膝にこたえるので、今日は別山から大日岳へと続く別山の尾根を下り、新室堂乗越から雷鳥沢へ下るルートを選んだ。距離は多少長いが、時間はほとんど変わらない。個人的にはこちらのルートをお勧めする

大日岳へと続く尾根。今回は行かない。ここからすぐ先の新室堂乗越から雷鳥沢に下りる

雷鳥沢のテン場。これくらいなら快適だな。前日、前々日は地面が見えないほどテントが多かった。管理棟のトイレには大行列ができたとのこと

浄土橋を渡ってテン場までやってきた。往復した別山の尾根を眺める

雷鳥沢のテン場から石畳の登山道を登り返して雷鳥荘まで戻ってきた。預けておいたザックを回収して室堂ターミナルへ帰る

雷鳥荘の右下には地獄谷。噴煙がシューシュー、ゴーゴーと音を立てる。火山性ガスが鼻をつく

正面に別山の尾根。中央下は雷鳥沢のテン場。もっと色づき始めるときれいだろうな

地獄谷越しに大日連山。奥大日岳、中大日岳、大日岳。いつかあの尾根を称名滝までつなげたい

みくりが池温泉の小屋まできた。ここも温泉付きの小屋。雷鳥荘が日帰り温泉を受け付けているのに対し、この小屋はコロナ対策として今シーズンは日帰り温泉を受け入れていない

みくりが池温泉で外せないソフトクリーム。大日連山を眺めながら年甲斐もなくぺろぺろ

みくりが池と立山三山をパノラマ撮影。風がなければ、水面が鏡になって逆さ立山が映る

冒頭の写真。室堂バスターミナル前から立山。いつも湧水を汲む登山者や観光客が多くいるけど、今日は閑散としている。休日を避けてまた来るよ

提出した登山計画通りに進めていれば、1日目に龍王岳東尾根と浄土山を、2日目に剱御前山から時計回りで立山周回をでき、3つの目的を全部達成することができた。室堂到着時に予報よりも天気が良くないこと、台風が近づいていることから、2日目の天候を不安視して、百高山を優先して1日目に終わらせるべく浄土山からの周回に切り替えた

結果的に剱御前山を2日目に回したことで、龍王岳の東尾根がこぼれた。めずらしく今回は「tenki.jp+more」の予報が的中し、2日目の午前中がずっと快晴に近かった。オリジナルの計画で進めていればと悔やまれる。まぁ、欲張りすぎだったと考え、また訪れることにしよう

雷鳥荘は山小屋というよりロッジか旅館という感じ。温泉風呂、トイレ、洗面所などのアメニティ、カフェ、ラウンジなど、山小屋の域を超えている。1泊2食で入湯税込みの1万円。GoTo トラベルキャンペーンの対象で、3500円の割引を受けたので、実質6500円。お得感満載!キャンペーンがなくてもリピーターになりそう

コロナで九州や北海道の百名山ツアーに出かけずらくなり、今シーズンは近場で百高山を優先することにした。おかげでカウントダウンを始められる90座まできた。あと1‐2回今シーズンに百高山ハントに出かけられたらと思っているが、これも欲張りすぎかな・・・

なお、登山ルートやタイムなどの詳細については、以下のヤマレコの記録を参照されたし

山行記録: 立山三山 室堂は草紅葉 ☜ ヤマレコの記録

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