小蓮華山から白馬岳へ(2020/08/16)

山の記録

2020.08.20 12:05

コロナ自粛が続いた今年の登山。まだまだ気の抜けない状況が続くが、第1波・第2波と続く中で感染の仕方もかなり見えてきて、リスクの高いシチュエーションも明らかになってきた。長梅雨で遅れていた今年の夏山シーズンも、感染対策を実施しながら「Go To トラベルキャンペーン」よりは慎重にスタートしたように思う。

一部の山域では入山禁止が決定されたし、山小屋も大幅に受け入れ人数を減らしたり、食事の提供を取りやめたり、中には今年の営業を断念した小屋もある。登山者に対しては、長野県が「登山者への5つのお願い」を登山安全条例として発出している

私自身もしばらく登山自粛をしてきたが、withコロナの登山様式に則り、山を再開することにした。前回の山は、コロナ第一波が拡散したと言われる3月の三連休に登った日光白根山だった。雪山登山から残雪期を飛ばして一気に夏山登山。5か月ぶりの山登りだ

まずは、登山者の比較的少ない山へ日帰り登山することにした。新潟県糸魚川市にある蓮華温泉を基点として小蓮華山をメインにして、その先の白馬岳を目指す計画にした。山の天気の有料サイト「ヤマテン」では白馬山頂は終日霧に覆われる予報、一方、気象協会の「tenki+more」では白馬山頂は終日晴れ予報。ヤマテンはいつもコンサバな厳しめの予報で、気象協会は楽観的予報というのが私の経験にもとづく評価

間をとって晴れることもあるかと期待して、天候と体力を判断しながら白馬岳はオプション計画とした。結果は信じられないような幸運。5か月の我慢に、山の神も温かく迎えてくれたか。こんな素晴らしい稜線を楽しめるとは・・。これだから山はやめられない(笑)

冒頭写真は小蓮華山へと続く美しい稜線。2009年から2011年の3年にわたってNHKが秋に放映した13回シリーズ、司馬遼太郎の「坂の上の雲」のエンディングに使われた坂道。サラ・ブライトマンの澄みわたる歌声が聞こえてくるようだ。山頂には雲が浮かび、まさに坂の上の雲

まずは蓮華温泉の登山口駐車場。夜の12時に家を出発して、5時間弱かけて車を走らせてきた。お盆休み最終日の日曜。車の台数は驚くほど少ない。上空は雲に覆われていた

樹林帯の中を汗びっしょりになりながら登ってきた。ふと振り返ると、妙高方面の頚城山塊(くびきさんかい)が見えた。左が雨飾山(あまかざりやま)、右へ焼山、火打山。上空は青空になってきた

北アルプス最北端の朝日岳方面の稜線には雲がかかっている。稜線の雲が取れることを願いつつ登り続ける

登山道に咲いていたハクサンオミナエシ(別名コキンレイカ)。それにしても暑い!

蓮華温泉から白馬大池までの登りのほぼ中間点、「天狗の庭」までやってきた。豪雪のためか天狗の魔法か、幹の形がとってもシュール

やっと森林限界を越えてハイマツ帯まで上がってきた。ここから白馬大池まではもうすぐ

花が散ったチングルマの群生越しにこれから進む稜線が見える。それにしても素晴らしい青空になった

稜線に進む前に白馬大池小屋の前で朝食休憩。いつかここでテント泊したい。残雪の頃がいいかな

小屋前から稜線に向かう。風が心地よい。まずは左の「船越の頭」へ、そして中央右の小蓮華山へ向かう

かなり上がってきた。白馬大池がきれいに見える。一目瞭然、カルデラ湖だな

ここから気持ちのよい稜線歩きの始まり。夏山の醍醐味は何といっても天空漫歩だ

冒頭の写真。船越の頭から眺める小蓮華山。一旦下ってあの坂道を進む。本日のメイン

小蓮華山の山頂手前にお花畑。こちらはタカネナデシコの群生

タカネナデシコのアップ

イワギキョウたち

ハクサンフウロの淡い紫が可憐。ハクサンフウロも斜面に群生していた

こちらはミヤマダイコンソウ。ミヤマキンポウゲ、ミヤマキンバイ、シナノキンバイなど、黄色い似た花が多いが、ダイコンソウは葉っぱが丸くて大きい

小蓮華山の山頂標の上にハート形の雲がぽっかり浮かぶ。これぞ究極の坂の上の雲

白馬岳方面は相変わらず雲がかかっている。引き返そうか思案していると、カメラのシャッターを押してくれた若者が先へ行くという。つられてとりあえず進んでみることに

しばらく進むと雲が少しづつ薄くなってきたような・・・

取れた。何とラッキーな。中央左の一番高いピークが白馬岳山頂。白馬岳はこちらから見て稜線の右側が日本海側で風が強く雪が積もらない。左側は雪が積もり、山を侵食して絶壁になっている。右側はなだらかな斜面で、左右全く異なる「非対称稜線」と呼ばれる形をしている。上越の谷川岳が同じような山容だ

三国境という分岐点から鉢ケ岳、雪倉岳へと続く稜線。こちらも稜線が顔を出してきた

ダイモンジソウが咲いていた

山頂手前のピーク。山頂に人が見える。韓国の若者4人のパーティだった

最後のビクトリーロード。雲がかからないことを祈って急いで登る

夏の白馬岳と言えば、大人気で人が多いのだが、静かな山頂でのんびり自撮り

メジャーな大雪渓ルートを見下ろす。暑い夏は猿倉登山口から入り、冷たい風が吹き下ろす雪渓を歩いて登るのが正解だな

下りはのんびりお花畑で写真を撮りながら下りた。ミヤマシオガマの群生

イブキジャコウソウの群生

タカネツメクサの群生。お目当てのシコタンソウは見つけられなかったし、ウルップソウは花が終わって、食べた後のトウモロコシの芯のような状態だった。白馬は高山植物でも有名な山。梅雨時の晴れ間をねらって来ないとだめだな

エキストラボーナス的な白馬岳の稜線歩きを楽しめた。左奥には白馬三山の杓子岳と白馬鑓ケ岳が見えるのだが、ずっと雲がかかっていた。白馬の雲が取れただけで大満足だ

小蓮華山の山頂から白馬大池方面への稜線。さぁ、下りようか

小蓮華山の坂道を下りてきて船越の頭まで登り返した

名残惜しい最後の稜線歩き。白馬大池へ戻る

行きには気が付かなかったトウヤクリンドウ。もうこの花のシーズンだね

大池まで下りてきた。ここで再び休憩。いいテン場だな

蛇口をひねれば、水も出てくる。本当に極楽のようなテン場だ

長い樹林帯の下り。久々の下山に慢性的な膝の痛みがこたえる。早く蓮華温泉に浸かって汗を流したい。素晴らしい稜線歩きを楽しめたことに感謝感謝!

なお、本山行の詳細については、以下の記録を参照されたし

山行記録: 小蓮華山、白馬岳の最高の稜線歩き(蓮華温泉からピストン) ☜ ヤマレコの記録

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