2019.09.21 16:29
秋分の日の三連休の天気がイマイチ。気象協会の有料サイト「山の天気」では、木曜と金曜が快晴予報の山が結構ある。以前から行ってみたいと思っていた修験の山の妙義山と戸隠山も快晴予報。妙義山は浦安の自宅からそう遠くはない。車で飛ばして5時間はかかる戸隠山は、単身赴任先の高山からなら3時間で行ける。ということで、今回は戸隠山へ向かう。ついでにと言うと怒られてしまうが、百名山の高妻山へと周回することにした
妙義山は鎖場が続く絶壁の上り下りが有名だが、戸隠山は何と言っても「蟻の塔渡り」と呼ばれる痩せ尾根の通過が有名。怖いもの見たさ、体験したさで出かけた
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これが「蟻の塔渡り」。両側がスパッと切れ落ちている痩せ尾根を通過する。しかも平均台のように水平で真っ直ぐではない。曲がりくねってアップダウンもある
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まずは戸隠神社の奥社の参道から入る。朝6時前。観光客や信者はいない。物好きな登山者だけ
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厳かな杉木立の参道を進む。熊の目撃情報の多い山域なので、熊除け鈴を鳴らし、時々わざとらしい大きな咳ばらいをしながら進む
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奥社に着くと、ちょうど神主さんが朝のお供えと祝詞を奏上するところだった。お参りして奥社のすぐ下にある登山道入り口に進む。いきなり急登が始まる。あとから来た若者二人にあっという間に追い越され、背中が見えなくなる。この若者とは後に八方覗きで一緒になる。彼らは八方覗きから戸隠山頂まで行き(片道約10分)、八方覗きまで戻って朝ご飯を食べていた。上は急登を終え、戸隠の尾根が見えるところまで上がってきた写真。修験の雰囲気が漂う
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百閒長屋。岩壁を削って山腹を迂回する修験道が作られている
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同じような道が数か所ある。妙義山にも似たような修験道が山の中腹にある
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ミヤマダイモンジソウ。終わりかけだな。漢字の「大」のように見えることからついた名前(大文字草)
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紫がきれいなノコンギク。いたるところに群生していた
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鎖場が始まった。しばらく続く
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ミヤマコゴメグサ。小さい可憐な花
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小石が出っ張っているので、手掛かり足掛かりはあるが、すっぽりと抜けた跡もあるので用心のため鎖を握って進む
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かなり上がってきた。眼下には鏡池が見える。山深いところだ
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鎖場を登っていると、不意に「蟻の塔渡り」に出る。下の看板に痩せ尾根の右下を通る迂回トラバースの説明もある。私にはトラバースルートのほうが怖く思われる
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前の写真の看板左を上がったところ。いよいよ本日のメインイベント塔渡りへと進む。
立とうとするが体が動かず立てない。30秒くらいかかってやっと立ち上がるも、今度は意に反して足が動かず、第一歩が踏み出せない(笑)。自分の体かと思ってしまう。さらに30秒くらいかかってようやく第一歩を踏み出せた。2歩目以降はスムーズに足が出た
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蟻の塔渡りを終えて尾根を上がり、八方覗きに到達。ここで登山口のすぐ上ですーっと追い抜かれた若者二人と一緒になる。彼らは朝ご飯を食べていた。私もここでコンビニおにぎりの朝食にする
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眼下には塔渡りが見える。後続の年配の方が四つん這いで通過中。立ち上がる前と塔渡りの途中で同じように進んだので良く分かる
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ご年配の方は途中の岩の切れ目を下ってトラバース路に合流。痩せ尾根の左下にトラバース路が見える。尾根を跨いだり掴まったりして進んだ方が安心できる
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下りたとこるから鎖を頼りに斜めに上がるご年配の方。鎖が見えるのでこのようにルート取りしたくなる気持ちは良く分かるが、あの岩の切れ目の下りは結構危ない。個人的には尾根をそのまま進んだほうが安全だと思う
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高妻山を目指して進む。空は予報に反して高曇り
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北アの槍ヶ岳(右)から前穂高岳(左)の稜線が見える
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八ヶ岳も見える
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八ヶ岳のすぐ左には富士山の頭も見える
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二人組の若者が下山していく。一人が二足歩行で蟻の塔渡りをあっという間に通過していく。若いからできるというものではない。もう一人は私と同じように苦労して通過
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変化にとんだアプローチに比べ、変哲のない凡庸な戸隠山頂
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高妻山への登山道にはオヤマリンドウがあちこちに咲いていた
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ゴルフ場ではない。戸隠牧場が眼下に見える
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日差しを浴びて、オヤマリンドウの花が開き始める。この後は曇って開かないリンドウが多かった
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何度も小刻みにアップダウンを繰り返し、最後に大きく下ってコルにある「一不動」に到着。避難小屋があるも外のベンチで休憩。ここから高妻山への登り返し
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山頂まで10の道標がある。二釈迦、三文殊、四普賢と登り(文殊と普賢の間は一旦下って登り返す)、五地蔵に到達。すぐ上に六弥勒があり、弥勒尾根と合流する。七薬師からは下って八観音に登り返す
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九勢至のあたりから高妻山山頂を望む。ちょっと青空も出てきた。ここからが急勾配の登りになる。後半はお助けロープをつかんで登る
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最後の急登は、ちょうど高妻山でお昼ご飯を食べて下りてきた人たちと交錯しながら登って十阿弥陀に到達。ここから山頂までは岩ゴロの道を少し登る
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山頂に居た方に撮ってもらう。高曇りですっきりしないが遠くは見えている
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北ア最北の白馬三山(右から白馬岳、杓子岳、白馬鑓ケ岳)
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南アルプスの稜線が雲から出ていた
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雨飾山も近くに見える
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雲間から妙高山も顔を出した。さぁ、下山しよう。帰りは六弥勒の分岐から弥勒尾根を使って牧場へ進んだ
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ちょうど半分くらい尾根を下りたところで、ブナ仙人の木。ここまでは急斜面で、しかも地面が湿っていたので滑りやすく気を使った
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下りの後半は気持ちの良いブナ林を抜けていく
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弥勒尾根を麓まで下りてきた。やれやれ
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戸隠牧場。肝心の牛が一頭もいない。牛がいたら最高の牧場風景なんだけどなぁ。背後は黒姫山
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下りてきた弥勒尾根を振り返って。予報通り快晴だったら最高だったのだが、遠くまで見えたので高曇りで良しとしよう
台風の影響であてにしていた秋分の日の三連休の天気が良くない。気象協会の「山の天気」では戸隠、高妻あたりは木曜と金曜は快晴予報。ということで、休暇を取って金曜日に両山を周回することに
ところが出かけると雲が広がっている。青空も出かかったが、高曇りの一日だった。先週の敬老の日の三連休は「山の天気」をみて晴れ/曇りの予報だったので、山行を断念したのに、レコを見れば土日は快晴。絶好の登山日和をみすみす逃した。気象協会さん、2回続けて予報が外れてますよ。当てにしてるんだから頼みますよ
前から怖いもの見たさに行ってみたいと思っていた妙義山と戸隠山。今回は戸隠山の「蟻の塔渡り」へ出かけることにした。鎖場はどうってことはないのだが、塔渡りは短いながらも本当にインパクトがある。まず、痩せ尾根に上がり、ハイハイ状態で水平部分まで進む。そこで立とうとするが体が思うように動かず立てない。やっとのことで立ち上がり、一歩を踏み出そうとしても意思に反して足が全く動かない。30秒くらいしてやっと一歩踏み出すと、二歩目以降は普通に足が動き出した
考えてみれば、1mほどの高さの平均台の上ですらまともに歩けないのだから、両側が切れ落ちたあの痩せ尾根をすいすいと歩けるはずがない。しかも微妙に上下しくねっている。3分の一ほどを立って歩いただけでも奇跡的(笑)
岩場に対する恐怖心はあまり無い方なんだが、3点支持ができる岩場と、手掛かりがなくバランスを取って二足歩行だけで進む塔渡りは全く別物だと改めて痛感。ビビりの本性全開状態に思わず自分でも笑ってしまった。修験者が己の心を克服するために修行に用いたのも頷ける
今度は妙義山。高山の単身赴任も年内に終えるつもり。完全引退したら、平日の空いているときに千葉から出かけることにしよう
なお、本山行の詳細については、以下の記録を参照されたし
山行記録: 怖いもの見たさで戸隠山へ。そして高妻山周回 ☜ ヤマレコの記録