薬師岳で如来の神秘に-②(2019/04/28-29)

山の記録

2019.05.01 00:50

神秘的な4つの現象に遭遇した1日目だった。2日目は午後から曇りで夜には雨か雪の予報。今日中に薬師岳に行き、来た道を戻って一気に下山する。

4時に起きて支度をし、4時半に小屋を出る。ザックは小屋にデポして、アタックザックに水や食料などを詰め込み、ピッケルとヘルメットを括りつける。冒頭は小屋前から薬師方面へ向かう写真。薬師はあの稜線の奥。

3時過ぎに小屋を出た先行者が付けてくれたトレース。深いところは膝下までの深さ。さぞかし大変だっただろうな。1番手の二人組パーティが下りてきてスライドした際にお礼を言う。本当にありがとうございました

積雪期は左の斜面をピークに向けて直登する場合が多いが、新雪のためか先行の2パーティーは夏道通りに写真右手方向へ進み、尾根まで登ったら左手に尾根を進み、写真中央左のピークまで進んでいった。私はここからトレースを外れ、前方の低木の間を斜めに進んで尾根にショートカット

振り返ると槍と北鎌平(左側稜線)

黒部五郎岳のカール側(左側)も見えてきた

写真中央にシュプールが残っている。昨晩同室になった70代と思しき年配の方が昨日滑った跡。毎年この時期にこの山域に来て一人静かにBC(バックカントリースキー)を楽しんでいるとか。ここから黒部五郎、三俣蓮華、野口五郎、烏帽子と回って、5月4日に七倉へ下りるという。凄いとしか言いようがない

一番奥に北ア南部を代表する槍ヶ岳から穂高連峰の尾根。写真中央やや右は三俣蓮華山。槍の手前の平らな部分が雲ノ平。薬師如来が見渡す浄土か

奥にはジャンダルムも見える

やっと薬師小屋に到着。こちらは冬季閉鎖中。ここで朝ご飯のパンをかじる。すると独特のクェ~という鳴き声が・・

小屋の石垣にオスがいた

こちらはメス。まだ真っ白の冬仕様

槍ヶ岳から大キレット、北穂、奥穂へと続く稜線が全容を現した。神々しい稜線だ

薬師小屋からまだまだ登り上げないといけない。日本海側から吹く北西の風が吹き付けて体温を奪う

薬師山頂に到着(2,926M)。2番手の2人組がちょうど下り始めて山頂は貸し切りになってしまった

仕方なくタイマーで自撮り

北薬師岳への稜線。当初計画した立山室堂から新穂高温泉までのオートルートをやっていたら、この稜線を通って薬師岳に来るんだな

左奥に剱岳。その右に立山(写真中央)。右奥は針ノ木岳と蓮華岳かな

山座同定が怪しくなってきた。奥は表銀座か?

手前が雲ノ平。奥は槍穂

昨秋に新穂高温泉から歩いてきた赤牛岳。そこから左に延びる稜線。左の平らな部分は薬師見平

さてそろそろ下りよう

薬師小屋からさらに下る途中で3羽の雷鳥と遭遇。どこにいるか分かるかな?

これはオス

こっちはメス

この子は?一緒に越冬した子ども?

シュカブラ(風紋)が美しい

下りは所々膝上まで埋まりながら、真っ直ぐに太郎平小屋に向けて進む

太郎平小屋でザックを回収し、稜線を登り返してきて振り返る。一番つらかった登り。最後に薬師にお別れ

稜線から一気に下ってきた。下りの速いこと(笑)

寺地山への登り返しだ。ガックリ

ヘリが名前を呼びながら人を探している。ここで追いついてきたフランス人のBCカップルが言うには、一昨日の27日に一人亡くなったとか。その人を探しているのだろうか?彼らは今日滑って下りてくる際に大きなザックが残されているのを見たという。新たな遭難者の捜索か?無事を祈るばかりだ

やれやれ。やっとこさ下山した。でもまだ車まで45分の道路歩きの下りが・・。気温も少し上がったせいか、グズグズの雪になり足を取られながら下りてきて足が棒のようだ。無事に下りて来られたことに感謝

今回、1泊の薬師岳ピストンに短縮したものの、テン泊するつもりでザックに詰め込んで準備した。前日に飛越トンネル手前まで下見に出かけて、私の脚力・体力では、新雪の上を重いザックで歩くのは無理と判断。前夜に新調した85Lから使い慣れた40Lザックにして、小屋泊装備で詰め替えた

結果的には大正解で、あの長いアプローチとその後にやってくる急登を、雪に足を取られながら重いザックで登るのは到底無理だった。表向きは使用禁止の北ノ俣避難小屋に転がり込むか横にテントを張るのがせいぜいだったと思う。それにしても多くのテン泊者がぐいぐいと登っていくのにはただただ驚くばかりだった

シーズン中の折立からのアプローチならいざ知らず、アクセスが長い飛越トンネル登山口から登ろうという登山者は、私のようなへっぽこ登山者ではなく強者ぞろいだった。そうそう、若者が一人で駅から折立まで歩いて、腰までのラッセルで太郎平小屋に上がってきたのには言葉を失った

同じ部屋に二人で泊まった70代と思われるご年配の方も、いろいろとお話しをしたが、この時期の常連でただ者ではない。30日、1日は天気が崩れるので黒部五郎の避難小屋で過ごすという。その後はBCスキーを続け、三俣蓮華岳、野口五郎岳、烏帽子岳と回って七倉へ下りるとか。今でもへなちょこ登山者の私は、70代になって雪の薬師単独さえ登れるだろうか。多分ヘリコプターで名前を呼ばれているだろうな・・

もう一日天候が持てば、太郎平小屋に連泊して黒部五郎にも足を伸ばしたかったが、別の機会にするとしよう。でも飛越からはもういいかな(笑)。このルート、登山口から急登し、その後は樹林帯を徐々にかつ延々と登り上げ、最後にドーンと急登が待っているあたりは、本当に鳥倉からの塩見岳に似ている。帰りの登り返しがちょこちょこあるあたりも似ているし、今回は崖崩れのため、登山口までの1時間の道路歩きまでそっくりだった

北アのメッカ涸沢でもザイテングラートの横で雪崩があったようだが、この時期の降雪で雪が不安定なのだろう。薬師では図らずも冬山のような真っ白な雪の上を静かに歩いて無事に登ることができ大満足だ

GW後半の天候も読み難いが、出かけられる方々の安全登山を願ってやまない

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なお、本山行の詳細については、以下の記録を参照されたし

山行記録: 飛越から薬師岳。苦行の後に如来の神秘に出会う ☜ ヤマレコの記録

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