晩秋の白山、別山を周回(2018/10/20-21)

山の記録

2018.10.22 22:15

そろそろあちらこちらの山小屋は小屋じまい。営業小屋ではなく避難小屋を利用して1泊で出かけることに。天気予報は日曜日が晴れで、土曜は曇り。何とか行けそうなので、室堂の避難小屋を利用して、別山から白山を周回することにした。高山から白山へ車で向かう途中、勝山市街から157号線にて白山方面に入って数キロ先の人里でクマが道路を横切るのを見る。クマか・・・・

夏の登山シーズンは終了し、マイカー規制も解除されて、この時期は別当出合までマイカーで入れる。土曜は天候が悪いせいか、別当出合に進む車も多くはなかったが、手前の市ノ瀬ビジターセンター前の駐車場はガラガラ。別当出合までマイカーで入れるこの時期に、ここに駐車する人は別山ピストンか釣り人くらい

当初は別山から入って白山に周回する計画だったが、ただでさえ人の少ない別山にこのガスの中を登るのは・・・。来る道すがらクマを見たせいかもしれない。登山開始時に登山届を出す際、人の多い白山から登って、晴れる日曜日に別山に周回する逆回りの計画に急きょ変更

本当は白山からの下りで一番奥の釈迦新道を下りるつもりだったが、これも前夜にふとネットで調べると、7月の豪雨で登山道がやられ通行禁止になっていることに気づく。やむなく一本手前の尾根、白山禅定道を使用することにした。禅定道を登りで使う場合、途中で観光新道に合流して登山者が増えるのだが、考えてみればそこまではほとんど登山者がいない道だ

後から考えれば、禅定道を土曜の登りに使うと、かえってクマに出会う危険は高かったのかもしれない。素直に観光新道を使って登るべきだったか・・

冒頭の写真は2日目に別山まで周回して振り返った白山(右奥)

まずは市ノ瀬ビジターセンター前の駐車場に到着。遅めの朝7時到着なのにほとんど車はいない。見かけた車はすべて別当出合に進む

別当出合までの車道を少し歩くと白山禅定道(旧加賀禅定道)の登山口。釈迦新道もここから入る。別当出合に向かう車の人たちが、歩いている私を珍しそうに見て通り過ぎていった

登山道を進むと幹が1回転した木が現れる。どうするとこういう風になるんだろう

気温は低いが、ガスガスで湿度100%。汗だくになりながら急坂を登りやっと尾根に出た

尾根に出てもガスガスで何も見えず。まぁ想定通り。風もないけど、尾根は多少涼しい。色づいた木々を眺めながら歩く

指尾山について休憩していると一瞬ガスが引く。隣の釈迦新道の尾根だろうか

何本の木が寄り添っているのだろうか。枝と根の張り方がすごい。木の精霊たちが住む森のようだ

右の幹の下から左にサイの角のように別に幹が伸び、その上に真っ直ぐ別の幹が伸びる。変わった木が多く、目を楽しませてくれる

禅定道はあまり人が入っていないが、登山道は整備されている。この階段、ステップは木の板で滑る。木の根っこに木道、この手の階段が濡れて滑り、神経を使った

何本もの木が岩を押さえつけているような抱いているような。喧嘩しているのか仲がいいのか・・・

別当出合からの登山道の一つである観光新道と合流。途端に整備度が各段に上がった

比較的緩やかな尾根を登り続けると殿ヶ池避難小屋に到着。中はきれいだが、トイレは使用禁止でロックされていた

殿ヶ池避難小屋を振り返ると西から天気が回復してきている。ちょっと青空ものぞき始めたような・・。砂防新道から山頂まで行った人が観光新道で次々と下りてくる。山頂付近は雪で寒かったと口をそろえて言う

黒ボコ岩に到着。ここで正面から上がってくる砂防新道と合流。また濃いガスに包まれてしまった。岩の右奥には明日周回する別山が見えるはずなんだけど・・

ガスの中、弥陀ヶ原を抜けてきた。振り返るとハイマツ帯の下に弥陀ヶ原と木道が見えた

上を見上げれば青空が広がり始める。午後2時。天気予報通りの展開

白山の主峰、御前峰が視界に現われる。確かに雪で白っぽくなっている

室堂に到着。右の室堂ビジターセンターと左の白山荘の間には雪が残り、すでに凍り始めている。室堂は10月15日で小屋じまい。定員150名の白山荘は、冬期避難小屋として解放されている

白山荘の冬期入口は左端の梯子段を上って、茶室のにじり口のような入り口からもぐりこむ

夕食を食べている間に日の入りを逃してしまった(かすかに沈んだ太陽が見て取れる)

明日は晴れそうだ。お休みなさい・・・Zzz。夜通しすごい風が吹いていた。朝方にはその風も収まった

日の出は見逃さないよう、ご来光を白山山頂で拝むべく小屋を出発。どうやら乗鞍岳と御嶽山の間からお出ましのようだ

乗鞍岳(中央左)とそのすぐ右奥に八ヶ岳がみえる

槍ヶ岳から穂高連峰のシルエット

皆さんが日の出に集中している間に、誰もいない山頂標で自撮り

素晴らしいご来光だ

やはり乗鞍と御嶽の間から

乗鞍岳

御嶽山。この時は噴煙もなく静寂な姿だった

さて室堂に下りて朝食にしよう

室堂の左奥に本日進む別山が見える

室堂の白山神社とその後ろに御前峰。山がご神体なのだ

弥陀ヶ原へ下りてきて御前峰を振り返る

黒ボコ岩の右奥にはこれから向かう別山がくっきりと雄姿を見せる。さぁ行きますよ

黒ボコ岩から十二曲りを下った先の分岐で南竜道へ進む。南竜山荘へ緩やかに下る途中で、油坂がよく見える。谷まで下りて、あのジグザグを登り返すのか・・・。今日の難所だ

南竜山荘。管理人さんはまだいたが、小屋は閉じている

写真中央やや右に赤いザックの女性が見えるだろうか。70代と思しき女性だが、大方の登山者が最短距離の砂防新道を登るところを、あえて南竜道へ迂回し、展望コースを進んで室堂に行くと言う。大白川登山口からの平瀬道上部の紅葉が見頃だということで、あえてこのコースを進んでいる。山にはいろんな楽しみ方がある。見習いたいものだ

南竜山荘のキャンプサイト

テン場に一張りありました。多くの登山者でビジーな白山から少し離れ、静かで長閑なテン場でテン泊を楽しむ。これもまた楽しからずや

キャンプサイトを通って400mほど進んだところで、南竜避難小屋にストックを忘れたことに気が付き戻ってきた。「ボーっと山やってんじゃねーよ!」と自分につぶやく

南竜山荘エリアからさらに下って赤沢を渡渉し、油坂の登り返しを上がってきた。振り返れば、白山の姿が素晴らしい。室堂も南竜も見える

油坂の頭まで登りきると別山の姿が飛び込んでくる。まだ遠いな。それにまだまだアップダウンの繰り返し

登り返してます

やっとここまで来た、いや、まだここまでと言うべきか?

ビクトリーロードと思ったら、別山はあの先だった

別山に到着。後ろは白山。御前峰の左に今日は行かなかった大汝峰も見える。素晴らしい!

白山から歩いてきた尾根。遠かった、でも気持ちの良い尾根歩きだった

御嶽山から噴煙が上がっている。割と大き目な感じがする。9月末から10月初旬まで一時的に山頂へのアクセスが解禁されたが、まだまだアクティブだな

これから下山するチブリ尾根。写真中央左にチブリ避難小屋が小さく見える

御舎利山に戻り、いよいよ尾根下り。それにしても劇下りだな

写真中央の尾根は昨日登りで使った観光新道と禅定道。写真左下に別当出合の駐車場とそこから延びる作業用道路が見える

尾根を下る前に白山の姿をもう一度。最高の周回登山を楽しめたことに感謝

下山する尾根道には昨日降った雪が残っているところも

チブリ避難小屋までぶっ飛ばして下りてきた。と思ったら、コースタイム通りの60分。この「山と高原地図」のコースタイムはありえない。普通に下りたら20分は余計にかかる。

小屋前から白山を望む。雲が湧いてきている

同じく小屋前から別山(右)と御舎利山(写真中央)を望む。こちらから眺めると、別山はなだらかに見える

下りは紅葉を楽しみながらも、ぶっ飛ばして進む

ブナ林が素晴らしい。色づきつつある。それにしても長い下りだ(別山から市ノ瀬駐車場まで約10キロ)

かなり下まできた。この辺りはこれから紅葉だな。長い下りにちょっと疲れた。早く市ノ瀬に戻って、永井旅館の日帰り温泉に入りたい

別山からの下りは、嫌になるくらいの長い下りで、逆周りにして本当によかったと痛感した。ビールロング缶、焼酎、食材など、重い荷物を背負ってこの長い登りの後に別山への最後の急登をやっていたら、その日のうちに室堂まで周回することはできず、油坂を下りきって南竜荘まで登り返すのがやっとだったと思われる。虫の知らせというか、咄嗟に逆回りに変えて大正解だった

久しぶりに避難小屋泊装備の重いザックを背負って縦走した。昨年の谷川山系で主脈縦走から馬蹄形縦走をつないで歩いた時以来のような気がする。あの時は10月なのに東京が真夏日になった暑さのぶり返しで、惨憺たる縦走になってしまった。その前はと言えば、3年前の10月に悪沢、赤石、聖を縦走した南プスかな?

いつまでこういう縦走を続けられるか分からないが、続けられる限り避難小屋泊やテン泊登山を続けたい

なお、この山行のコース概況、タイムなどの詳細は、以下の記録を参照されたし

山行記録: 秋深まる白山、別山を周回 ☜ ヤマレコの記録

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