2018.03.25 15:02
先週の西穂高は、まるで銀座のようだった。今週は静かさを求めて木曽御嶽山へ。有史以来、初めて噴火した1979年以前に3回(すべて中学生のときで岐阜県側の濁河温泉から)、噴火後に3回登っている(すべて社会人になってからで長野県側の王滝村から)。
今回は45年ぶりに濁河温泉側から登る。この時期の残雪期は王滝村から2回登っているので、久しぶりかつ初めての濁河温泉からの雪山登山だ
冒頭の写真の左から継子岳、真ん中のへこんだ鞍部のすぐ左に飛騨頂上、右に 摩利支天から剣ヶ峰への稜線、右端に隠れているのが継母岳。今回は飛騨頂上の避難小屋で静かな一夜を過ごし、摩利支天、継子岳へと稜線を周回する計画
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まずは駐車場横の登山道口から橋を渡る。気温が低く雪が固いので、スノーシューは車に置いていくことに。これが後になって響く
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仙人の滝を通過。滝の両側は凍っている
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吊り橋を渡って振り返れば、右奥に加賀の白山
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登山者はほとんど入っていないようで、ちょっと古そうなトレースと何度も踏み抜いた跡が残る。3月上旬の暖かかったときに登ったのだろう
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登山道に木製の橋がかかっているが、橋には手すりより上までの雪のブリッジができていて、アイゼンを付けていても通過に神経を使う
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湯の花峠までは順調にやってきた。新雪をかぶった木々がきれいだ
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樹林帯の中盤以降は新雪が増えてきて、脛から膝までのラッセル。避難小屋泊用の重い装備と相まって、ずぶずぶと足を取られてなかなか進まない。木々の間の足跡は、私のではなくカモシカ君
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標高をあげると霧氷もあった
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左手方面には乗鞍岳。その右奥には斜面すれすれに前穂高岳が見える。左端には端正な笠ケ岳。このあたりから上が一番苦しかった。少しでも足が沈まないように、カモシカの足跡をたどったりもした
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樹林帯を抜けたところに霧氷。重い荷物を担いでいるとはいえ、ここまで来るのに信じられないほど時間をかけた。スノーシューを担ぎ上げてくるべきだったと後悔。まぁ、上の小屋で泊まるので遅くても大丈夫だが・・
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さて夏道通りに手前の斜面をトラバースし。その後は左上の飛騨山頂に向けて直上する。正面は摩利支天への尾根。左奥から今も続く噴煙が見える
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トラバースの途中で谷側の奥に白山がきれいだ
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斜面の途中で霧氷に耐える健気な小さな木
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やっと稜線に出た。時間がかかりすぎ。直上しているときはハァハァゼェゼェで写真を取る余裕もなし
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反対側の尾根。継子岳へつながる。明日周遊する予定
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中央アルプスとその奥に南アルプスが重なる
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さて、摩利支天へ続く稜線の左下にある五の池小屋の冬季避難小屋に急ごう
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稜線上の雪面には「なめ茸」増殖中
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こちらは岩に着いた霧氷。何だか海中生物のよう
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飛騨頂上神社の祠に手を合わせる
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標柱も凍りついて寒そう
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五の池小屋。ずいぶん立派になったなぁ。昔は簡素な平屋の小屋だった。45年前、おかみさん(?)がいつも素晴らしい声で小屋の外で民謡を歌っていた。今も健在だろうか?
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やばい、ドアは開くのか?扉を傷つけないように30分かけて丁寧に雪と氷を取り除くも、ドアは凍って開かず。持ってきたツェルト(簡易テント)で一夜を凌ぐか、それとも念のため持ってきたスコップで2-3時間かけて雪洞を掘るか
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風が出てきていたので、諦めて樹林帯まで下ることに。摩利支天にさようなら。また来るよ
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下りの速いこと。樹林帯まで下って振り返る。重い荷物は重力の影響を素直に受ける
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ここらの樹林帯でツェルトを張って静かな一夜を過ごすことも考えたが、足が止まらずそのまま下る
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のぞき岩まで下った。残り半分くらいか
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帰りに通ったチャオ御嶽スノーリゾートから継子岳を眺める
飛騨山頂で過ごすはずの一夜。残念だった。3月下旬なので、ドアは難なく開くと高を括っていたが、これが誤算のもとだった。誰もいない山頂で一人静かに過ごすつもりだった。そのためのアルコールもつまみも一晩では消費しきれないほど担ぎあげたのに・・・
今日の登山は自分一人。他には誰も入っていなかった。日本百名山の一つなのに、こんな天気の週末に誰もいないとは珍しい。あの噴火の影響だろうか。残雪期のうちにもう一度行けるかな。今度は身軽にして摩利支天や継子岳を周回しよう
久しぶりの重い荷物とはいえ、登りに6時間半、下りが1時間半。重力に素直に影響されずぎ。この体たらくでは4月に計画する残雪テント泊山行が思いやられる。足腰を鍛えなくては・・・
なお、この山行のコース概況、タイムなどの詳細は、以下の記録を参照されたし
山行記録: とても静かな御嶽山(濁河温泉から飛騨頂上) ☜ ヤマレコの記録