奥深き平ケ岳へ。雷鳴が怖かった(2017/06/09-10)

山の記録

2017.06.29 09:19

自宅から車で片道4-5時間を要するロングドライブ。一般的な鷹ノ巣登山口から往復22キロのロングコース。百名山の中でもアクセスが悪く、日帰り登山の難易度は極めて高い。桧枝岐の尾瀬の御池Pから先、鷹ノ巣へ向かう352号線の除雪が終わって開通したので、本格的に梅雨空になる前に出かけ、静かな奥深き山を楽しんだ。

冒頭の写真。池ノ岳山頂の池塘の向こうに平ケ岳山頂を望む。左には尾瀬の至仏山、その間には遠く上州武尊山が見える

鷹ノ巣駐車場からやせ尾根を進み、正面の尾根まで登り上げる

尾瀬の燧ケ岳(ひうちがたけ)を左に見ながら尾根を登る

やせ尾根を登っていく。遮るものがなく、尾根に吹き上げる風も弱くとにかく暑い

尾根道沿いに咲くアカモノ

ピンクから白まで色んなグラデーションのコイワカガミを見ながら歩く

つらいけど下ばかり見ないで、たまには上を見上げたり(タムシバの花)

登ってきた道を振り返ったり

周囲の山並み(会津駒ケ岳)を愛でながらゆっくり上る

尾根に上がって少し進むと標高1600mあたりから雪面が現れる。想定よりも雪が多い。水場はでているかな

シャクナゲもちらほら

ゴールの平ケ岳(左)と手前の池ノ岳(中央)が見えるが、まだまだ遠い

燧ケ岳と右奥には関東以北で最高を誇る日光白根山

GPSを頼りに雪の上を歩く。百名山にしてはピンクリボンなど目印は極端に少ない

池ノ岳への稜線が近づいてきた。あそこからまた350メートルほど登り上げる

池ノ岳への尾根道は、雪と夏道が交互に現れる。夏道は雪解け水で沢のようになっている

目指す平ケ岳が近づいてきた

平ケ岳山頂標は木に囲まれてパッとしない

環境省と新潟県が設置した山頂案内板。すぐ横なのに尾瀬国立公園ではなく「越後三山只見国定公園」の範囲に入っている。背後は尾瀬の燧ケ岳。雲行き怪しく雷鳴が聞こえる

平ケ岳山頂はこんな感じ。池塘は雪の下だった。山頂でスマホがつながり、群馬県に雷雨、竜巻注意報が出ていることを知る。ゴロゴロなっているはずだ

水場とその横の指定幕営地に向かうと完全に雪の下。しかも斜面になっている。雪の上での設営は気にならないが、ショベルがないので平らに設営場所を作れない。やむなく池ノ岳のウッドデッキの上に設営する。ありがたいことに、石が8つ置いてあった(平ケ岳は緊急時以外は指定地でも幕営禁止のようです。指定地があるので設営可能と思っていたが、調査不十分だった)

深夜まで雷鳴が続いたが、その後は止んで強風に変わった。それも夜明け前には収まり、ご来光を見ることができた

平ケ岳がモルゲンロートに染まる

早朝、雲はまだ残っていた。雲間から会津駒ケ岳方面に光臨(天使の梯子)。涼しいうちに山を下りる

静かでいい山だった

左が下りてきたやせ尾根。いつしか快晴に。今日も暑い

下台倉山までのやせ尾根は、危険度こそないものの急登が続く。しかも太陽にさらされ暑い。日陰に到達するたびに休憩。谷から吹き上げる風が心地よい。台倉山から先は雪山。池ノ岳の直下まで雪の上を気持ちよく歩く。ただし、この山は百名山の割にピンクリボンや赤ペンキが極めて少ない。残雪時はGPS必携である

登りは日帰りのソロの年配の方のトレースがところどころあり心強かった。ハアハアゼーゼーで、頻繁に休むたびにGPSをチェックしてルートから大きく外れることはなかった(帰りは雪の斜面を飛ばして下りて、白沢清水のあたりで右にコースを外れ、コース修正に手間取った)

池ノ岳への登りは、夏道と雪面が交互に現れるが、高い気温と午後半ばだったため、雪解け水が沢のように流れて歩きづらかった。池ノ岳の池塘は完全に出ていた。その後、平ケ岳へ向かったが、標高はさほど変わらないものの、こちらの池塘は雪の下だった。指定幕営地は完全に雪の下のため、池ノ岳のウッドデッキでテントを張った(ウッドデッキは幕営禁止とのこと。ご注意ください)。

山頂だけ携帯電波がつながり、天候をチェックすると群馬県に竜巻と雷雨注意報。至仏や武尊山方面は真っ暗な雲に覆われ、ゴロゴロと雷が鳴りだしていた。ヘッデン点けて下りようかと思ったが、平ケ岳の天気予報は持ちそう。テン泊することに賭けた

夕方から深夜まで雷鳴がとどろき、気が気ではなかった。その後は強風でテントがバタバタと風に煽られ、翌朝の撤収が思いやられたが、日の出のころには風も収まり、撤収もスムーズに行えた。といっても1時間もかかっており、素早い撤収は今後の課題となった

テン泊は私一人で、雷鳴と風と池塘のカエルを除けば、静かな夜だった。間もなく退職だが、リタイア後の山の楽しみ方のバリエーションが広がった。ただし、荷物を背負った時の登りのスピードが極端に落ちる。まぁ、時間はたっぷりとあるのだからゆっくりやればいいさ

 

なお、この山行のコース概況、タイムなどの詳細は、以下の記録を参照されたし

山行記録: 平ケ岳。雷鳴が怖かった ☜ ヤマレコの記録

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