2023冬鳥@浦安 ~総集編~

ウォーキング百景

2022年秋から2023年の春先まで見られる冬鳥。ここ数年と同様にほぼ毎日のようにトーキョー・ディズニー・リゾートの外側を東京湾に沿って歩き、どれくらいの種類を見つけられるか、カメラを持ち歩いて撮影してきた。冒頭の写真はトーキョー・ディズニーシーの外側で、冬鳥の多くがやってくるところ

調査報告によれば、越冬のために北から浦安界隈にやってくる渡り鳥は20種類以上はいるらしいのだが、毎日のように見かける冬鳥から、滅多にお目にかかれない冬鳥までさまざまだ。野鳥なので警戒心が強く、カメラを構えて近づこうとすると逃げてしまう

今シーズンも、300mmのズームレンズに2倍のテレコンバーター(エクステンダー)を装着した。使用可能な対象レンズではないので、オートフォーカスは使えない。昨シーズン同様、老眼でマニュアルピント合わせに苦労しながら撮影してきた。目の衰えか昨年よりピント合わせが下手になって、使用に耐えるアップの写真が少なかったのが残念

冬鳥シーズンも終わりに近づいたので、以下に総集編として紹介したい

今シーズンも見かけた冬鳥

マガモ:カモ目カモ科カモ属

私にとって「ザ・カモ」のマガモ。オスは首から頭のビロードのような質感の緑が鮮やかだ。オスとメス

反射の仕方で群青色にも見え、古来「青首」とも呼ばれている

ヒドリガモ:カモ目カモ科マガモ属

マガモと異なり、オスは首から頭が赤茶色で額に白い帯がある。オスは胴がグレー系なのに対し、メスは茶色系の羽根をしており、マガモのメスと似ているが嘴の黄色はない

ヒドリガモもマガモも潜水できないので、お尻を天に突き出しながら頭を水中に突っ込んで海藻などのエサを食べている。アーティスティックスイミングの混合ダブルみたいだ

スズガモ:カモ目カモ科ハジロ属

浦安にやってくる冬鳥の中では、数の上で断トツ1位のスズガモ。横っ腹の白いのがスズガモのオス。胸から上が黒色で、黄色い目がかわいい。メスは他のカモと同じように茶色系。飛行時にヒュッ、ヒュッという羽音をさせ、この羽音が鈴を振るように聞こえるので「鈴鴨」というらしいが、そんな音は聞いたことがない

昨シーズンもここ舞浜沖に飛来した数が減っていたが、今シーズンはさらに少なくなった印象だ。数年前に比べると3割くらいだっただろうか。それでも最大派閥であることに変わりない

ホシハジロ:カモ目カモ科ハジロ属

オスは体がグレー系の白色で、首から上は赤茶色。目は赤い。メスは他のカモと同じように全体が茶色系。背に星屑の模様があり、翼に白帯がでるので「星羽白」というらしいが、星の模様は見えないし、翼を広げたところも見たことがない。いつも静かに浮いている印象

こちらも警戒心が強く、近づくとすぐに岸から離れていくので、写真は後ろ姿ばかり(笑)。シーズン初めにホシハジロだけの群れを何度か見かけたが、後半からなぜかほとんど見かけなくなった

オオバン:ツル目クイナ科オオバン属

オスもメスも全身真っ黒で、顔の真ん中と嘴が白い特徴も同じなので区別がつかない。目はオスもメスも赤い。川や海の岸に近いところに数羽の群れでいることが多い。川岸に群れで上がって、草なのか昆虫なのか分からないが何かを啄んでいる姿を時々見かける。ヒドリガモの群れが一緒に川岸に上がっている光景も目にする

カンムリカイツブリ:カイツブリ目カイツブリ科カンムリカイツブリ属

名前の通り頭に冠羽があるのだが、イラストや写真で見かけるような目立つ冠羽ではなく、浦安界隈のカンムリカイツブリは地味系の冠羽だ。スズガモの群れと一緒にいることが多い。今シーズンはユリカモメに次いで二番目に飛来を確認できた鳥だ

春になると白と灰色のツートンから、グレーの部分が赤茶色の夏仕様に変身する

ハジロカイツブリ:カイツブリ目カイツブリ科カンムリカイツブリ属

カンムリカイツブリに比べると、ハジロカイツブリはずっと小さくひ弱に見える。1-2羽か、多くても数羽程度の群れで見かけることが多い。この体で遠くから渡ってくるのが驚き。赤い目が可愛い。カイツブリは潜るのが得意で、20~30秒は潜っている

ユリカモメ:チドリ目カモメ科カモメ属

東京湾周辺でもよく見かけ、その親しみやすさから都民の鳥にも指定されており、新橋と豊洲を結ぶ新交通システムの名称にもなっている

GW頃には顔から上が真っ黒になり、夏仕様になって北へと飛び立っていくが、今年は春の訪れが早かったせいか、3月下旬には変身したのを何羽も見かけた。ちなみに、ユリカモメの英語名は、black-headed gullという。緯度が高いイギリスでは夏の間を過ごす夏鳥で、頭部が黒い姿が普通の姿なので、このような名前がついている

セグロカモメ:チドリ目カモメ科カモメ属

同じカモメでも愛嬌のあるユリカモメとは随分違う。舞浜沖で見かけるカモメ類の中では大きい部類。大きさは、ユリカモメ<カモメ<ウミネコ<セグロカモメ<オオセグロカモメの順

このうちウミネコは年中いる留め鳥で、他は全て冬にやってくる渡り鳥だ。セグロカモメとオオセグロカモメのサイズはさほど変わらず、羽根のグレーの濃さが強いのがオオセグロカモメだが、見分けは難しい

上の写真は、偶然見かけた羽を痛めたセグロカモメ。飛べなくなったのかと心配したが、しばらくすると仲間(つがい?兄弟?)がやってきて、一緒に飛び立っていった

ウミアイサ:カモ目カモ科ウミアイサ属

昨シーズン初めて見かけたが、今シーズンも同じ場所(旧江戸川が東京湾に注ぎ込むあたり)にやってきた。オスは黒白灰の三色が特徴的で、メスは白斑のある茶色系。ともに冠羽とよばれる飾り羽が後頭部にある。同じ仲間にカワアイサがいるが、カワアイサのオスには冠羽がなく、首の白が胴までつながっている点が異なる

他のカモがプカプカ浮いているのに対し、ウミアイサは羽根をバタバタさせたり、頻繁に潜ったり、せわしなく動きつづける。手前はカンムリカイツブリ

Ⅱ.今シーズン初めて見かけた冬鳥

コガモ:カモ目カモ科マガモ属

いつも持ち歩くカメラを持たずに出かけたときに限って、珍しい鳥に出会う。多分コガモだと思う。あわててスマホで撮影したが、ズームの限界と画像の質で、画像を大きくするにもこれが精いっぱい。コガモを見かけたのはこの時だけ。2シーズン前にオナガガモに一度だけ出会った時もカメラを持っていなかったときだった

つがいと思われる写真

Ⅲ. 今シーズン見かけなかった冬鳥

キンクロハジロ:カモ目カモ科ハジロ属

一見すると、オスはスズガモによく似た黒と白のツートンカラーで目も同じ黄色の鳥だが、後頭部に飾り羽の冠羽がある。スズガモの群れに紛れ込んでいることも多く、同じ格好で群れの中にいるので、違和感がない。

昨シーズン初めて視認することができ見つけ方を覚えたが、今シーズンは見つけることができなかった。ひょっとするとスズガモの中にいたかもしれないが、スズガモの群れがいつも岸から離れたところにいたため、見つけることはできなかった

オナガガモ:カモ目カモ科マガモ属

昨シーズン同様、今シーズンも見かけることがなかった。グレーを基調に白や黒がアクセントになったスマートな美しい姿を見られず残念。来シーズンに会えることを願っている

オオセグロカモメ:チドリ目カモメ科カモメ属

2シーズン前に見かけたオオセグロカモメと思われる鳥。精悍な顔つきと濃い目のグレーの羽。確信はないが、昨シーズンや今シーズンに見かけたセグロカモメと思われる鳥とは印象が違うような・・。引き続き調査を継続する

冬鳥たちの数はめっきり減ってきた。来シーズンもまた目を楽しませてくれることを願ってやまない

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