羽を痛めたセグロカモメ(2023.01.23)

ウォーキング百景

トーキョー・ディズニーリゾートの外側を東京湾沿いに歩くいつものウォーキングコースで見かけた光景。折り返し点からディズニーシーのTower of Terror、コロンビア号、 プロメテウス火山などを右手に、東京湾に浮かぶスズガモ、カンムリカイツブリ、ホシハジロなどの冬鳥たちを左手に眺めながら歩き、ホテル群の前まで戻ってきた

護岸の先端で右側に曲がり、旧江戸川の河口方面に向かうと、何かが「のそのそ」というか「よたよた」歩く姿が前方に見えた。迷い込んだ猫か犬かなと思い近づいていくと、カモメかウミネコらしき鳥が一羽いた


でも歩く様子がおかしい。さらに近づいてズームで拡大すると、左側の羽根がうまくたためておらず、だらんとしている。仲間内の喧嘩で羽を傷つけたのだろうか? あるいは、ワシなどの大きな鳥にどこかで襲われたとか(でもこの周辺にはトビくらいしかいない)。 それとも何かに引っ掛かったか、さもなくば人間にやられたか・・

私が横に追いついても、逃げるわけでもなく、じっとしていた。飛べなくなってしまったのだろうか。ちょっと痛ましい


よく見ると、足がうす紅色で、嘴の先に赤黒い斑点がある。この辺りで年中見かける留鳥のウミネコや、北から越冬で渡ってくるカモメではない。両方とも足が黄色だし、カモメにはくちばしに赤斑はない。どうやらセグロカモメのようだ

今シーズン11番目に確認した冬鳥が傷ついたセグロカモメとは何とも言えない気分だ。どうしてやることもできない。ちょっと後ろ髪を引かれながら通り過ぎた。左手には東京都心のビル群が夕日に染まり始めていた

数十メートルほど歩いたところで、背後から『クゥー』というような声がして、すぐに上空を何かが通り過ぎ、旋回していった。姿を追って振り返るとセグロカモメのようだ。先ほどの鳥のつがいだろうか、それとも兄弟とか? ふと下方に目をやると、先ほどのセグロカモメがまさに飛び立って上昇し、一緒に飛び始めた

「良かった。飛べるんだ」と安堵した。しばらく二羽で上空を飛び回り、羽田沖方面に向けて東京湾を横断していった

上の写真は、昨シーズンに見かけたスズガモのオス。釣り糸が左の羽に絡まり、群れの方に向かおうと必死に足びれを動かすも、その場から動けなくなっていた。このときも、心配そうに寄り添うメスの姿があった

残念ながら翌日には、オスはぐったりとして、首を海中に突っ込んだような恰好で浮いていた。その翌日には、体全体が沈んだようで見えなくなっていた。しばらくこの場所を通るときに、何とも言えない気分になった

飛んで行った二羽のセグロカモメを見送ると、夕日が羽田空港の右方向、トーキョー・ゲートブリッジのすぐ右側に沈むところだった。不安がすべて消えたわけではないが、今回は帰途につく足取りがいくらか軽くなった


註)カモメ類は見分けづらい。特に飛んでいるときは、見分けられない。見分け方を紹介するサイトはネット上にいくつもあり、以下はその一例:


『日本のカモメの種類、主な8種の特徴をご紹介!』 ☜ クリック

タイトルとURLをコピーしました