3月中旬から早朝ウォーキングをしていたが、今年もそろそろ夕方へ変更しようかと思案中。この土曜日に初めて夕方歩いてみたら、偶然にも冬鳥第一号を見かけた。今シーズンの一番乗りはユリカモメだった
見かけたのはこの一羽のみ。普段は群れでいるので、一羽だけというのはちょっと解せない。北の国から一羽だけでさっさと渡ってきたのだろうか、それとも一羽だけ春に北へと向かわずこの周辺で過ごしたのだろうか?あるいは群れで渡ってきて、この日はたまたま一羽で遊んでいたとか・・
余談ながら、伊勢物語の「東下り」の段(第九段)で、東国つまり関東に下ってきた在原業平が、隅田川にやってきたときに鳥の群れに出会う。以下はその記述(角川ソフィア文庫、伊勢物語、石田譲二訳注をベースに引用)
『白き鳥の、はし(嘴)とあし(足)の赤き、鴫(シギ)の大きさなる、水辺の上に遊びつつ魚(いを)を食ふ。京には見えぬ鳥なれば、みな人見知らず。渡守に問ひければ、「これなむ都鳥」と言ふを聞きて、
名にし負はば いざ言問はむ都鳥
わが思ふ人は ありやなしやと
とよめりければ、舟こぞりて泣きにけり』
「都鳥という名前なら、都のことを知っているだろう。私の慕う人は今どうしているか教えてほしい」と詠んだ歌。記述されている鳥の特徴などから、この都鳥はユリカモメではないかといわれている(本ブログで2〜3回紹介済みなので恐縮だが)
今では京の鴨川でも見かけるユリカモメだが、鴨川に飛来するようになったのは数十年くらい前からとのこと。業平の時代には京では見かけることはなかったので、都からの一行が船頭に名を尋ねたのも無理はない
この場所には冬に時々群れでやってきて、人をあまり恐れずに飛び回るのだが、この日はあたりを見渡しても一羽だけだった。まぁどうであれ、この秋に初めて見かけた冬鳥であることには間違いない。これから続々とやってくる冬鳥たちが待ち遠しい
ユリカモメの上空にはトビが悠然と輪を描いて飛んでいた。ピーヒャララという鳴き声を一度も聞いたことがないのだが、翼の先端に6つの羽根があるのがトビの特徴。この界隈でたまに見かける。大抵は3羽でくるくると空を舞っているのだが、この日は珍しく一羽のみだった
日が暮れ始めたので家路につくと、雲間から「天使の梯子」がみえていた。旧約聖書に描かれているヤコブが夢に見た梯子で、「ヤコブの梯子」とも言われる。夢の中ではこの梯子を天使が上り下りしていた
夕方にウォーキングすると、ときどき見かける光芒なのだが、何度見ても美しい