トイ・ストーリーホテル@舞浜(2021.04.07)

ウォーキング百景

毎日のようにウォーキングしているコースに、新しいホテルが建設されている。正式名は「東京ディズニーリゾート・トイ・ストーリーホテル」

トイ・ストーリーホテルは、フロリダやパリ、上海にもあるが、日本では初めてで、国内のディズニーホテルとしては、5番目のホテルだとか。客室は595部屋。今年2021年の開業予定(開業日などの詳細は未定)

外観工事は完成に近づきつつあり、内装工事が進行中のように見える。トイ・ストーリーという名前を聞いて「なるほど」と思いはしたが、周囲のヒルトン、オークラ、シェラトンなどのホテルとは、全く雰囲気が異なる。「遊び心ある」と言えばそうなのだが、ちょっと独特な世界観のホテルだ(写真はホテルの裏側になり、東京湾側から撮影している)

他のホテルが一様にセットバックし(外周道路から下がり)、バックヤードとして空間を空けて、チャペルや低層の宴会場が建てられているのに対し、トイ・ストーリーホテルは外周の道路側にせり出したような格好だ


左右のヒルトンとオークラの海側の客室からは、三浦半島と房総半島が囲む東京湾を眺められ、空気が澄んでいれば、客室から右手方向に東京ゲートブリッジや丹沢の山並みとその背後に富士山が、反対側には房総半島がきれいに見える。このホテルができたことにより、海側の客室からの眺望はかなり制限されるのではないかと思われる

上の写真で、右側に少し写っているのがホテルオークラ東京ベイ。トイ・ストーリーホテルが建ったことで、お台場や富士山方面の景観はブロックされる

オークラと反対側から撮影した写真。左がヒルトン東京ベイホテル。トイ・ストーリーホテルに近い客室では、房総半島方面の眺望が遮られる。一方で、お台場や富士山方面の眺めは影響ない

トイ・ストーリーホテルが建てられる前は、少し下がった位置に低層のコンサートホール(東京ベイNKホール)があったので、ホールを含めシェラトン、オークラ、ヒルトンが整合よく立ち並んでいて、一体感あるリゾート感を醸し出していた


コンセプトの全く異なるトイ・ストーリーホテルが外周道路側に突出して建てられたことで、素人目にも周辺の全体的な雰囲気を壊しているというか、ちょっと違和感すら感じさせる様相になった


ここからちょっと話がそれるのだが・・・

そもそも日本には外観規制のようなものがあまりない。耐震強度や消化設備などに関しては、建築基準や消防法等に合致しているかなど当局による事前審査があるものの、街並みの景観を保護するため、あるいは街の雰囲気を意識して、デザインや高さなどを事前に審査する仕組みは、京都など一部の都市に限られる


金融街で有名なロンドンのシティや歴史的な建造物が多い欧州の街では、新たな建設工事に対する事前審査が厳しい。何も歴史的建造物がある街並みや市街地に限らず、工業団地のようなところにおいても、規制をかけているところもある


私が経験した話で恐縮だが、米国のとある有名なインダストリアル・パークでも、建物のデザインや色調、建物周囲のガーデニングなど、事前に設計図面や模型を提出し、当該パークの審査を受けて承認を得なければ着工できなかった


日本では、景観や日照権などで近隣住民が工事差し止めの訴訟を起こすケースがあるが、工事が始まってからの調整は、双方にとって多大な労力と損失を招き、大変不幸な事態となる

景観や雰囲気を大切にする欧米の文化と言えばそれまでだが、日本にも欧州に劣らぬ歴史と美観を大切にする古くからの文化があるのだから、あとから不評を買ったり、工事差し止めなどのトラブルを起こさないよう、事前に周辺の事業主や住民による審査の仕組みがあってよいと思う

今回のケースは、周囲のホテル群との調和という点からは何とも言い難いのだが、ディズニーリゾートの中に(周りに)建てられたディズニーのヒットアニメのトイ・ストーリーをコンセプトにしたホテルなので、ディズニーの世界観そのものであり、むしろこのホテルの方がディズニーリゾートには合致しているとも言える


まぁ、仮に事前審査のようなものがあったとして、オーシャンビューに影響があろうが、奇抜なデザインだろうが、ディズニーで成り立っているホテルばかりなので、周囲のホテルとしてはディズニーのオフィシャルホテルに対して何か言える立場になかっただろう・・

玄関側からの写真。右がヒルトン東京ベイホテルで、左がトイ・ストーリーホテル。メインエントランス側からは、駐車場スペースの確保もあり、同じように道路から下がっていて、「一体感」はある

トイ・ストーリーホテルの各部屋は、まるでアンディの部屋のような内装なので、トイ・ストーリーが好きな子供たちには、アニメの世界に入り込んだようでたまらないだろう。ヒルトンやオークラやシェラトンに泊るより、ずっと嬉しいに違いない


とうの昔に大人になった我が家の息子たちも、子供の時には第1作、第2作をゲラゲラ笑いながら楽しんでいた。ウッディの人形はなかったが、バズの人形やスリンキー(ドッグ)で遊んで、すっかりアニメの世界に入り込んでいた

ついつい外観だの周囲との調和などと、野暮なことを書いてしまった

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