ほぼ毎日のようにトーキョー・ディズニーシーの外側を東京湾に沿って歩いている。冬の時期の楽しみは、波に浮かぶ渡り鳥だ。どれくらいの種類を見つけられるか、時々カメラを持ち歩いて撮影してきた
調査報告によれば、越冬のために浦安界隈にやってくる渡り鳥は20種類以上はいるらしいのだが、野鳥なので警戒心が強く、カメラを構えて近づこうとすると逃げてしまう。300mmのズームレンズで何とか撮影出来たものを以下に紹介したい
1.マガモ:カモ目カモ科カモ属
私的には「ザ・カモ」というイメージの鳥。鮮やかな緑の首と頭がオスで、右がメス。マガモを飼育用に改良したのがアヒルとか。つがい、または数羽のグループで行動していることが多い
2.スズガモ:カモ目カモ科ハジロ属
浦安にやってくる冬鳥の中では、数の上で断トツ1位のスズガモ。横っ腹の白い鳥がスズガモのオス。飛行時にヒュッ、ヒュッという羽音をさせ、この羽音が鈴を振るように聞こえるので「鈴鴨」になったとか。大きな群れになって浮かんでいる
3.ヒドリガモ:カモ目カモ科マガモ属
こちらも浦安界隈でよく見られる冬鳥とのこと。マガモと違って、オスは赤茶色の首で頭頂部が白くなっている。河口から川へ少し入ったところで見かけることも多い。お尻を突き上げて首を水中に突っ込み、海岸や川岸の浅瀬で海草や藻を食べるのだが、川岸に上がって草を食べることもあるようだ
4.オナガガモ:カモ目カモ科マガモ属(2021年3月8日更新)
浦安の統計上、カモ類ではスズガモに次いで2番目に飛来数が多いオナガガモの撮影にやっと成功したので、これまでの遠景写真を差し替えて更新した。iPhoneで撮影した写真を拡大したので画像が劣化しているものの、オナガガモの特徴は確認できる。オス(左)は尾が長く首も長め。首の正面から胸、腹のあたりが白く、白色が首から後頭部へと伸びている。カモの中では実に優雅ですらりとした姿だ
5.オオバン:ツル目クイナ科オオバン属
ヒドリガモと河口近くの川岸に一緒にいるところをよく見かける。ヒドリガモと同じように海岸や川岸の浅瀬の岩についた藻を食べたり、川岸に上がって草を食べたりしている。真っ黒な体に顔の正面だけが白く、仮面ライダーにでてきたショッカーみたいだ(胸のあばら骨の白いのはないけど)
6.カンムリカイツブリ:カイツブリ目カイツブリ科カンムリカイツブリ属
手前の首の長い二羽がカンムリカイツブリ。スズガモなどの群れと一緒にいるのをよく見かける。頭のあたりがもっとカラフルなイラストや写真が多いのだが、浦安界隈ではこのように地味な感じのものしか見たことがない
7.ハジロカイツブリ:カイツブリ目カイツブリ科カンムリカイツブリ属
同じ仲間で群れるわけではなく、他の鳥の群れに混ざるわけでもなく、いつも孤独な感じでぷかぷか浮いている鳥。目がオレンジ色に見えるのが特徴。潜水が得意で、結構長い時間潜っている。
8.ホシハジロ:カモ目カモ科ハジロ属
背中が灰色で首から上が赤褐色の鳥。スズガモの中に一緒に群れで混ざっていることが多い。「星羽白」の名前の由来の通り、羽に星屑のような模様があるらしいが、300mmのズームレンズではそこまで見えない
9.ユリカモメ:チドリ目カモメ科カモメ属
お台場を通る新交通システムの名前にもなった鳥。東京都の鳥にも指定されている。写真のようにいつも群れで行動し、以前に動画でも紹介したように、ちょこまかと飛び回る。
『名にし負はば いざ言問はむ都鳥 わが思ふ人は ありやなしやと』
伊勢物語の「東下り」の段で、東国つまり関東に下ってきた在原業平が、隅田川にやってきたときに鳥の群れに出会う。「都鳥という名前なら、都のことを知っているだろう。私の慕う人は今どうしているか教えてほしい」と詠んだ歌。この歌の前に記述されている鳥の特徴などから、この都鳥はユリカモメではないかといわれている
京都の鴨川でもよく見かける鳥だが、鴨川に飛来するようになったのは、ここ数十年くらい前からとのこと
10.セグロカモメ:チドリ目カモメ科カモメ属
ユリカモメと違い、とにかくでかい。特に羽を広げると圧巻だ。そして精悍な面構えだ。つがいで飛んでいるところを見かけるが、群れでの行動はみたことがない。川岸に打ち上げられた手前の鯉と思われる死骸をつついていた。飛ぶ姿は悠然としていて、鷲などの猛禽類と同じように、羽を広げて風を掴み、上昇気流を捉えて大きく弧を描きながら上がっていく。羽ばたくことは少なく、羽を広げたまま、グライダーのように空を滑るがごとく移動していく
(後記:本ブログをアップ後に10羽ぐらいの群れで飛ぶ姿を見た。非常に強い冬型の気圧配置で東京湾が大荒れの日だった。ほとんど鳥は見かけないのに、トンビが群れで空を飛び回るのと同じようにセグロカモメが強風の中を飛び回っていた。何度も海面に急降下していたので、海が荒れるとこの鳥にとっては絶好の狩り日和になるのかもしれない)
11.カルガモ:カモ目カモ科マガモ属
カルガモのつがい。オスもメスも同じような容貌。くちばしの先端が黄色く、頭に2本の線がある、お尻辺り(羽の先端?)が白くなっている。皇居などのカルガモでおなじみの鳥で、留鳥とのこと(渡り鳥ではなく、年中住みついている鳥)。でも、冬に他の渡り鳥と一緒にいるところしか見かけたことがないように思うのだが・・。ということで、冬鳥の仲間の最後に掲載した
12.イソシギ or クサシギ:チドリ目シギ科イソシギ属 or クサシギ属
もう一つ、留鳥か冬鳥か分からないシギも掲載する。イソシギであれば通年見られる留鳥で、クサシギであれば越冬でやってくる冬鳥だ。胸元の白い部分が首の後ろの背中に食い込んでいるのがイソシギらしいのだが、写真の鳥はそうは見えない。でも羽の模様はイソシギに似ているような・・・。というわけで、最後の最後に掲載した。手前から二羽目と四羽目には足に黄色いタグらしきものがつけられている。二羽目はさらに青いタグもついている
ウォーキングしていると、波の荒い日はどこか波を避けられるところでじっとしているのか、鳥たちを見かけることは少ない。風がなく、波の静かな日は多くの鳥を見ることができ、ウォーキングしていて楽しい
岸から離れたところで浮かんでいる群れも見かけるのだが、そんな群れの中にもっといろんな種類が紛れているのかもしれない
ここで紹介した鳥たちがこれまで確認できた冬鳥だ(曖昧なのも含めて)。3月に入ると北へ向かって飛び立ち始める鳥も出てくるだろうから、このタイミングで「2021冬鳥」としてまとめて紹介した次第だ
ネットの画像などと睨めっこしながら鳥を同定したが、間違っているものもあると思う。その点はご容赦願いたい
スズガモを教えてくれたバードウォッチング用の望遠鏡を手にした中学生に見せて、鳥の名前を確認したいのだが、なかなか見かけない。今度彼を見かけたら、名前が合っているか確認して、間違いがあればこのブログで訂正したい