2023.02.10 10:03
※2025年2月3日追補版
本ブログの「Part1:複数のGPXデータの統合とKML形式への変換」において『轍 Wadachi』というソフトを用いたGPXデータの統合方法を記載したが、製作者から2024年3月31日をもって『轍 Wadachi』のONLINEサービスを終了するとアナウンスされた。
OFFLINE では引き続き使用可能なようだが、代替方法として『GpxEdit2』と『GPX2KML』を用いた方法を「2. Part1’:『轍 Wadachi』の代替ソフト『GpxEdit2』(GPXファイル統合)と『GPX2KML』(GPX→KML変換)について(2025/2/3 追補版)」として追記した
※2023年3月8日追補版
手順6以降について、オリジナルの方法の後に「Part2’:別法『轍 Wadachi』で統合したファイルを用いてルート図と標高グラフを表示(2023/3/8 追補版)」を追記した。またルートと標高グラフの連動についても『maplorer.com』を末尾に紹介し、追補版としてアップデートした
日帰り登山などの単一のGPSログをもとに、地理院地図を使用して歩行ルート図や標高グラフを作成する方法については、以下のブログ記事で紹介した
『GPSログから歩行ルートと標高グラフを作成してblogに貼り付ける方法(備忘録)』
しかしながら、上記の方法では、複数日にわたる縦走の場合や、日帰りでも途中のバッテリー切れ、操作ミスなどによる再立ち上げ等でログが複数に分かれる場合には、標高グラフがログごとに分割して作成されてしまうことが判明した。見た目は一つのGPXファイルでも、中で複数のファイルに分かれていて、うまく図やグラフを作成することができない場合があるので、今回紹介する方法でログの統合を事前に行うとうまくいくことが分かった
複数のGPSログの統合
『轍 Wadachi』というフリーソフトを用いて最初にログの統合を行い、その後にKML形式に変換する。手順作成に当たっては、運営者「tacsan」氏が公開している『~健康寿命を延ばすトレッキング~』というサイトで紹介されている『【 .gpx 】ファイルを【 .html や .kml 】に変換する方法』の手順を参考にした。この場をお借りして、tacsan氏や『轍 Wadachi』の製作者に御礼申し上げたい
『轍 Wadachi』を使用すれば、GPX形式だけでなく、歩行ログがKML形式で取得できている場合も、同じ手順で複数のログを一つのKMLファイルに統合することができる
歩行ルート図や標高グラフの作成
次ステップである地理院地図を使用して歩行ルート図や標高グラフを作成する方法は、上述の備忘録と全く同じ手順で作成できる。内容が重複するが、再度、本ブログでも紹介した。
今回紹介する方法は、複数のGPSログでも単一のGPSログでも利用できるので、より汎用性の高い方法として活用できる
なお、歩行ログが単一のKML形式のファイルで取得できている場合は、Part1の手順1から手順6のログの統合や変換は不要なので、Part2の手順7の地理院地図から始める
後記)『轍 Wadachi』については、製作者より2024年3月31日をもってONLINEサービスを終了するとアナウンスされた。今後もOFFLINE で『轍 Wadachi』を利用できると思われるが、念のためPart1の手順1から手順6については、別法として「2. Part1’:『轍 Wadachi』の代替ソフト『GpxEdit2』(GPXファイル統合)と『GPX2KML』(GPX→KML変換)について(2025/2/3 追補版)」を追記しておいた。状況に応じてPart1’の方法を使用していただければと思う
注)Part1、Part 1’のいずれの方法についても、各ソフトの堅牢性や安全性などについて保証するものではないので、あくまで自己判断での使用をお願いしたい
Part1:複数のGPXデータの統合とKML形式への変換
手順1:『轍 Wadachi』のダウンロードと立ち上げ
『轍 Wadachi』公式サイトにアクセスする
①緑のメニューバーから「ダウンロード」を選択する
②PCにダウンロードされたZIPファイルをクリックして解凍する
③解凍フォルダーの中からEXEファイル(緑色の『轍』ロゴのファイル)をクリックして実行し、ソフトを立ち上げる

手順2:GPSログのインポート
歩行ルートや標高グラフに表示したいGPSログをすべてインポートする
①『轍 Wadachi』の初期画面が立ち上がるので確認。設定はデフォルトのままで変更不要
②一番上のメニューから「ファイル」を選択する
③プルダウンメニューが表示されるので、「インポート」を選択する
④ポップアップ画面から該当するログのGPXファイルを選択する(KML形式のファイルがある場合はそちらを選択)
⑤該当ログが分割されて複数ある場合は、③と④を繰り返して、すべてのファイルをインポートする

手順3:統合するファイルの指定
一つのログファイルに統合したいファイルを指定する
①インポートしたファイルがすべて表示されていることを確認する(本例は1泊2日の金峰山山行のログ。1日目と2日目のログがインポートされている)
②メニューバーから「すべて選択」をクリックする

手順4:ログファイルの連結による統合ファイルの作成
該当するすべてのログファイルを連結して、一つの統合ファイルを作成する
①指定したすべてのファイルが水色のマーカーで表示されていることを確認する
②メニューバーから「連結」をクリックする

手順5:連結された統合ファイルの確認
「track(連結後)」として、ログファイルが一つになっていることを確認する

手順6:統合ファイルの保存
確認した統合ファイルをエクスポートして保存する
①一番上のメニューから「ファイル」をクリックする
②プルダウンメニューで「エクスポート」を選択する
③横に表示されたメニューで、上から2番目のKML形式を選択(Google Earth KML…(k)を選択)
④出現した保存画面でファイル名を入力する。その際に、保管したいフォルダーを選択しておく(選択しない場合はダウンロードに保管される)。画面の右下の「保存」をクリックする

Part1’:『轍 Wadachi』の代替ソフト『GpxEdit2』(GPXファイル統合)と『GPX2KML』(GPX→KML変換)について(2025/2/3 追補版)
先に記したように『轍 Wadachi』については、2024年3月31日をもってONLINEサービスを終了するとアナウンスされた。今のところOFFLINEでの使用は可能であるが、代替方法として『GpxEdit2』(GPXファイル統合)と『GPX2KML』(GPX→KML変換)を用いた方法を以下に紹介する
いずれも山愛好家のSNS「ヤマレコ」に掲載されているguchi999さんの記事を引用させていただいた。この場をお借りして御礼申し上げたい。以下のguchi999さんのサイトにアクセスすれば、フリーソフトと使用方法を入手できる
『GpxEdit2』を用いた複数のGPS記録の統合
GPXログエディタ(GPXファイルの修正、時間変更、編集および作成) ☜ クリック
「1.HTMLファイルのダウンロード」に記載されているURLにアクセスし、インストラクションに従って『GpxEdit2.htm』を入手する
「2.使い方」以降のインストラクションに目を通したあと、概略以下の手順で統合(結合)作業を行う
①「ファイル選択」ボタンを押し、該当のGPSデータを読み込む
➁「結合」ボタンを押す
③「ファイル出力」ボタンで結合したファイルを書き出す
④「ルート名」「トラック名」「日付」などを入力し、「確定」ボタンを押す
⑤ ダウンロードフォルダーに書き出されたファイルを自分のフォルダーに保存する(必要に応じて)
『GPX2KML』を用いたGPX→KLM変換方法
歩行ルート図と標高グラフの作成は地理院地図を用いて行う。地理院地図への読み込みはKMLファイルしかできないので、連結したGPXファイルをKMLファイルに変換する必要がある。以下のguchi999さんのサイトにアクセスして変換ソフトを入手する
GPX→KML変換(GPSログを地理院地図に表示、印刷) ☜ クリック
「1.準備(HTMLファイルのダウンロード)」に記載されているURLにアクセスし、インストラクションに従って『GPX2KML.htm』を入手する
「2.使い方」以降のインストラクションに目を通したあと、概略以下の手順で変換作業を行う
①「ファイル選択」ボタンを押し、該当のGPXデータを読み込む
➁「変換したKMLファイルを保存」ボタンを押す(入力ファイルと出力ファイルの各Boxのコードは無視すればよい)
③ ダウンロードフォルダーに書き出されたファイルを自分のフォルダーに保存する(必要に応じて)
上記の2つのソフトでGPXファイルを統合し、KMLファイルに変換したファイルを用いて、Part2の手順7から手順19に従って地理院地図で歩行ルート図と標高グラフを作成する
なお、以下のブログの「2.2. GPS記録の下拵え(したごしらえ)」の章において、GPXファイルの統合についてスクショを用いて解説しているので、併せて参考にしていただければと思う
Part2:地理院地図でルート図と標高グラフを作成・保存
地理院地図でルート図を生成・保存
手順7:地理院地図の立ち上げとKMLファイルのドロップ
歩行ルート図と標高グラフは、以下の国土地理院の地図サイトを利用する
①『地理院地図 / GSI Maps』を立ち上げる
②KML返還後にダウンロードされたファイルを画面にドラッグしてドロップする。GPSログが最初からKML形式で得られている場合は、該当KMLログファイルを地図にドロップする

手順8:歩行ルートの地図への表示
ドロップすると、以下のように自動で歩行ルートが地図に表示される(本例は1泊2日の金峰山山行のログで、左の青いマークが1日目のスタート地点、少し右の青いマークが2日目のスタート地点を表示するように設定している)

手順9:歩行ルート画像の保存-1
画面上の黒いツールバーにある「共有」を選択し、表示されたポップアップから山のアイコン(左から三番目)をクリックする

手順10:歩行ルート画像の保存-2
以下の手順で、地図の切り取り範囲を指定する
①表示されたポップアップで、「範囲を固定」を選択する
②画面に表示される赤枠を切り取りたい範囲に広げて「OK」を選択する

手順11:歩行ルート画像の保存-3
切り出した赤枠の画像は、ポップアップメニューの「画像を保存」をクリックして保存する

手順12:歩行ルート画像の保存-4
保存する際には、自分が判別しやすいファイル名に変更して「保存」をクリックする。自動で表示されたファイル名で良ければ、そのまま「保存」をクリックする

手順13:歩行ルート画像の保存-5
画像ファイルがダウンロードのフォルダーに自動保存され、画面左下に画像ファイルが表示される。必要に応じて、ファイルを自分が管理しやすいフォルダーに保管する

手順14:画像保存のポップアップメニューを消す
ポップアップメニューの右上のx印をクリックしてメニューを消す

地理院地図で標高グラフを生成・保存
手順15:標高グラフ作成へ進む
①歩行ルート図の画面に戻ったら、画面上部の黒いツールバーの「ツール」をクリックする
②画面右側に別の黒いツールバーが表示される。上から3番目の「断面図」をクリックする

手順16:標高グラフを作成するファイルの選択
①表示されたポップアップメニューで、「ファイルを選択」をクリックする
②エクスプローラーの画面が表示されるので、先に変換したKML形式のログファイルを選択する(手順7で地図にドロップしたファイルを選択。ダウンロードのフォルダーや保管用に指定したフォルダーにある)

手順17:標高グラフの調整
①表示された標高グラフで、縦横比や縦軸のスケールなどを必要に応じて調整する
②標高グラフの下の「グラフを保存」をクリックし、プルアップメニューから写真形式の「PNG形式で保存」を選択する

手順18:標高グラフの保存-1
表示されたポップアップで、必要に応じて自分が管理しやすいファイル名に変更して「保存」をクリックする。自動生成されたファイル名で良ければ、そのまま保存する

手順19:標高グラフの保存-2
標高グラフのファイルがダウンロードのフォルダーに自動保存され、画面左下にファイルが表示される。必要に応じて、ファイルを自分が管理しやすいフォルダーにコピー保管する

以上の手順でGPSログから作成した歩行ルートの地図と標高グラフを以下に並べて表示した
写真などの保存形式の一つであるPNG形式で保存されているので、写真と同じやり方でブログに貼り付けることができる


<補足>
以下の画面(手順17で作成された地理院地図の画面)では、標高グラフでマウスを動かすと、歩行ルートの地図では橙色の丸い点が連動して移動する(赤色の四角と丸で囲った部分)。この機能をそのままブログに貼り付けられないかと思案しているが、現時点ではやり方どころか、できるのかどうかも不明
同様の連動機能は、ヤマレコの「ブログへの貼付」機能を使えば表示可能なので、どうしても必要な時はそちらを利用して作成することになる。歩行ルートと標高グラフをとても簡単に作成でき、ブログに貼り付けることができるが、これまで通りにヤマレコにも山行記録を作成して残すことが前提になる
今回の方法は、ヤマレコとブログの重複記録をやめて、ヤマレコで作成される歩行ルートと標高グラフを使用する代わりに、地理院地図で歩行ルート図と標高グラフを作成してブログへ貼り付けるために検討した次第である

Part2’:別法『轍 Wadachi』で統合したファイルを用いてルート図と標高グラフを表示(2023/3/8 追補版)
統合ファイルの保存時に『轍 Wadachi』でルート図と標高グラフを生成
手順6’:統合ファイルの保存
確認した統合ファイルをエクスポートして保存する
①一番上のメニューから「ファイル」をクリックする
②プルダウンメニューで「エクスポート」を選択する
③横に表示されたメニューで、上から1番目のHTML形式を選択(Leaflet HTML…(M)を選択)
④出現した保存画面でファイル名を入力する。その際に、保管したいフォルダーを選択しておく(選択しない場合はダウンロードに保管される)。画面の右下の「保存」をクリックする

手順7’:保存したHTML形式ファイルを開く
手順6’で保存したファイルをクリックして開くと以下のルート図とその下に標高グラフが表示される
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生成したルート図と標高グラフをブログ貼り付け用にトリミング
手順8’:歩行ルート図をトリミングして切り出す
ペイントやパワーポイントを使って歩行ルート図を切り出す(以下はパワーポイントの例)
①手順7’で開いた画面をPCのPrtScボタンでそのまま記憶させる
②パワーポイントを立ち上げて、PrtScで記憶させた画面を張り付ける
③マウスの右クリックでメニューを表示させ、トリミングをクリックする
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手順9’:歩行ルート図をトリミングする
①四隅や長辺、短辺に表示される範囲指定(下図の赤丸部分)を動かして切り出したい画像に絞り込む

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手順10’:トリミングした歩行ルート図を保存する
①絞り込んだルート図を右クリックしてメニューを表示する
②「図として保存」(S)…を選択して、名前を付けて保存する(PNG方式で画像として保存される)

手順11’:手順6’において「轍」で作成保存したHTML形式のファイルを開き、標高グラフをPC画面に表示する
①手順7’において、画面をスクロールして標高グラフを画面に表示する

手順12’:標高グラフをトリミングする
①手順8’と同様に、画面上でマウスを右クリックしメニューを表示させトリミングをクリックする
②手順9’と同様に、四隅や長辺、短辺に表示される範囲指定(下図の赤丸部分)を動かして切り出したい画像に絞り込む
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手順13’:トリミングした標高グラフを保存する(手順10’と同じ)
①絞り込んだ標高グラフを右クリックしてメニューを表示する
②「図として保存」(S)…を選択して、名前を付けて保存する(PNG方式で画像として保存される)

以上の手順でGPSログから作成した歩行ルートの地図と標高グラフを以下に並べて表示した
写真などの保存形式の一つであるPNG形式で保存されているので、写真と同じやり方でブログに貼り付けることができる


オリジナル版、追補版のいずれの方法でも歩行ルート図と標高グラフを作成できる。一般的なブログ用プラットフォームを使用している場合は、手順6‘で保存したHTML形式のファイルを張りつければ、ルート図と標高グラフの両方を一度に表示できるのではないかと思う
ただし、いずれのケースも、歩行ルート図と標高グラフの連動はできない。連動させたい場合は、以下のPart3で紹介する『maplorer.com』などを使用することになる
Part 3:別ソフト『maplorer.com』を使用して連動するルート図と標高グラフを作成する方法(2023/3/8 追補版)
今のところ、この方法が最もシンプルなやり方かと思う。ただし、ブログなどには歩行ルート図や標高グラフは表示されず、貼り付けたURLが表示されるのみである。読者はこのURLをクリックすることで連動したルート図と標高グラフを見ることができる
手順14’:maplorer.com の立ち上げとGPXファイルの呼び込み
まずmaplorer.com を立ち上げる
①以下の画面が表示されるので、歩行ログのGPXファイルを選択する
②Hikingを選択する
③View profileを選択する
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以下のような、連動する標高グラフと歩行ルート図が表示される

手順15’:連動図のURLを取得する
①画面をスクロールして以下を表示する
②赤枠の Get a permanent link to this track をクリックする

手順16’:URLの保存とブログへの張りつけ
①赤枠のURLをコピーして保存する
②ブログに「ルートと標高グラフの連動図 ☜ クリック」などと記載し、取得したURLをリンクさせておく

なお、ワードプレスを使用してブログを書いている場合は、連動するルート図と標高グラフを作成して表示する機能があるので、WP-GPX-Mapsのプラグインを利用すれば綺麗に両方をブログに表示できる