2019.05.06 12:14
このGWは1泊2日の薬師岳で終わりかなと思いつつ天気予報とにらめっこ。5月3日、4日と晴れなのだが、登山用具は高山のアパートに置いたまま千葉の自宅に帰ってきたため出かけられず。天気は良いが、家でくつろぐことにして、息子が読み終わった文庫版の「蜜蜂と遠雷」(上・下)を借りて一気に読んだ。直木賞と本屋大賞をW受賞した作品だけあって面白かった。
いつ高山に戻るか、渋滞情報ともにらめっこしていたが、5日は御嶽や白山が終日晴れ予報なので、1日早めて4日の夕方戻ることに。中央道から158号線で上高地の目の前の安房峠をこえてアパートに夜到着。山の準備をしていると23時半。
翌日は白山に出掛けることにして、タイマーを1時半にセット。実質2時間くらいしか寝られない。ふと目を覚ますと2時。どうやらタイマーの時刻を合わせただけでONにするのを忘れたらしい。一瞬どうするか迷うも、30分遅れは許容範囲。身支度して出かけた
冒頭の写真、室堂ビジターセンター前から白山の御前峰を望む。前回の山の疲労が足に蓄積していて、とてもしんどかったけどやってきてよかった
まずは別当出合まで3時間弱のドライブ。GW直前に別当出会いまで入れるようになった。例年5月末ごろ(昨年は5月30日)の開通なので、1か月早い。やはり雪が少なかったシーズンなので、下の道路の除雪は早かったようだ。シーズンが始まると車両規制でマイカーはここまで入れない
朝5時ごろに到着して今回も路肩に停めることができた。もう少し遅かったら、写真左下へ(車で上がって来ると右下へ)下った沢の横の正規の駐車場に止めて登り返さなくてはならなかった。寝坊したが幸先良いスタート
数百メートル道路を歩き、別当出合のビジターセンターに到着。あれれ、全然雪がない。6月初めに来た昨年は、周囲にどけた雪が積もっていたのだが・・
中飯場を過ぎてしばらく進むと雪がつながっていたのでアイゼンを装着。早朝だったせいか雪が予想以上に締っていてアイゼンの歯がよく刺さり気持ちよく登れる。でも1週間前の薬師岳の時のような冷気が覆っているわけではないので、レイン用の上着も手袋も帽子もなし。汗を拭き拭き登ってきた
ほぼ中央の木々の間に1階部分が埋もれた甚之助避難小屋が見える。ここまでくれば気持ちの良い稜線歩き
甚之助避難小屋から急斜面を登ると、右手方向に南竜小屋への分岐がある。積雪期はこちらへ進んで、途中から左上にエコーラインを登り室堂に進むのが安全ルート。何本かのトレースが斜面をトラバースしているのが見える
でも多くの登山者が分岐から左手側の黒ボコ岩への直登ルートを目指して進む。しっかりとした道が出来上がっている
赤旗が一定間隔で刺してあり、これに沿って進む
頭上からの落石注意地点。ここは残雪期にはいつも露出している。ここでストックからピッケルに替える。その先の急斜面を登る人たちが見える
赤い旗は前方の雪のない尾根(十二曲りの坂)へ向かっているが、皆さん登り易そうなところを勝手気ままに登って行く。因みに十二曲がりは雪の下
あと少し。昨晩室堂で泊まった人たちが下りてくる。雪の急斜面の下りになれていない登山者が慎重にゆっくりゆっくりとこわごわ下りてくる
黒ボコ岩まで登り上げた。難所は終わり。振り返ると別山が美しい。まだ雪が多いので、ゼブラ模様になっていない
弥陀ヶ原を進む。尾瀬と同じように自然保護のため木道の上を進むのだが、この時期はどこでも歩ける。正面が主峰の御前峰。右手前のハイマツ帯の中を上ると室堂に着く
室堂ビジターセンターの裏にある白山神社のお社。身をかがめて鳥居をくぐり、お参りした。まぁ、これから山頂の祠にも行くのだけど、気持ちの問題
山頂。団塊の世代のグループ写真を撮り、そのお返しに私も取ってもらった
大汝峰。予定では行くつもりだったが、足の疲労がハンパなく、今回は諦めた
こちらは剣ヶ峰。いつも雪がない。地熱のせいだろうか。白山も火山だからね
遠く北アルプスの山並み。左端に黒く三角に見えるのが剱岳。その右横に立山連峰。写真中央右の平たく見える尾根が1週間前に出掛けた薬師岳
雲の上に穂高連峰が頭を覗かせる。左には雲のすぐ右に槍ケ岳うの穂先も顔を出した。エコーラインを上がってきた人達は、途中で雲の無いクリアな槍穂を見ることができたとか。御嶽や乗鞍も雲間にわずかしか見えなかった
室堂を見下ろす。左は別山。昨秋にはここ御前峰から周回した。あの時は避難小屋泊の装備が重たくて辛かった
雪の斜面に足を取られながら室堂まで下りてきた(2回滑って尻もちをついた)。建物によっては1階部分がすっぽり埋もれている
黒ボコ岩の急斜面を下りて一安心。別山を見ながら甚之助避難小屋に向けて気持ち良く下る。このあたりはBCスキーヤーも気持ちよく滑っていた(その先はやぶ地獄)
甚之助避難小屋までおりてきた。軽く休憩。小屋は1階部分がまだ埋まっており、梯子で2回の入り口から出入り。暖かいし気持ちが良いので、皆さん外でくつろいでいる。正面は別山
雪のないところには、ふきのとうがわんさかと出ていた。天ぷらにするにはちょっと遅い
これくらいならまだ大丈夫。でも国立公園内なので採っては行けません
別当出合ビジターセンターの吊橋まで戻ってきた。気持ちのよい残雪登山だった
帰りは別当出合から6キロほど下った市ノ瀬にある永井旅館で温泉に浸かる。ちょっとレトロな感じの山の温泉宿という佇まい。冬期はこのあたりまで雪で入れないので閉鎖。こじんまりとしてこぎれいな良い湯なんです。いつかここに泊まってみたい
別当出会いまでの開通が昨年より1か月早い。雪が少なかった今シーズンなので、道路の除雪は早く進んだということか。出かけてみると、確かに別当出合の雪は少ない。でも上の方は3月下旬以来降った雪で、まだまだたっぷりとある。ただし、BC愛好家からすると、雪が少ないということらしいが・・
日帰り装備と言いつつも、結局は先回の薬師と比べてほとんど変わらない。変わったのは、ゴーグルと薄手のダウンジャケット、小さなペットボトルに詰め替えた焼酎とおつまみを外したことくらい。後は殆ど同じなので思ったより軽装にならない
白山荘で素泊まりすることも考えたが、翌日の5月6日の月曜の天気が思わしくない。宿泊しても、星空やアーベントロート、モルゲンロートは期待できそうにない。ということで日帰り登山にした
登るにつれて、薬師で痛めたふくらはぎや股関節、足の指の付け根、それに持病の膝痛まで出てきて、白山の御前峰に立つのがやっとだった。計画では大汝峰まで行くつもりが、さっさと下りて温泉直行(笑)
昨年は季節を変えて白山に数回行こうと思っていたが、岐阜県側の登山口のアクセスが豪雨でやられ、残雪期と秋に遠回りして別当出合や市ノ瀬から登ることになった。今年は、ぜひともアクセスしやすい大白川から季節を変えて訪れたい。特に花のシーズンは昨年出来なかったので、今年に期待している
なお、本山行の詳細については、以下の記録を参照されたし
山行記録: 残雪の白山。今年も満喫。感謝!(別当出合より) ☜ ヤマレコの記録