大台ヶ原・大峰山ー①:大杉渓谷→大台ケ原(2018/11/23-24)

山の記録

2018.11.26 22:01

いつかは行きたいと思っていた大台ヶ原。行くなら大杉渓谷を歩いて、桃ノ木小屋で1泊したい。でも夏はとても暑そうで歩けない。11月下旬の3連休、妙高・火打などの頸城山塊に行こうかと思っていたが、天気予報がよくない。ならばと調べると、大台ケ原は天気が良さそう。屋久島と並んで年間降雨量は日本有数。貴重な晴れに出掛けない手はない

大杉渓谷への登山バスも桃ノ木小屋もこの3連休が営業最終。3連休初日はバスの予約が満杯で、中日の24日しか取れなかった。直前に電話すると、キャンセルが出たのか1名ならOKとのことで3連休の初日に出掛けることが可能になった。1泊目の桃ノ木小屋も、2泊目の和佐又山ヒュッテも日程変更して準備万端

名古屋からJR南紀1号で三瀬谷駅へ向かう

「道の駅奥伊勢おおだに」から出発するバスは補助席も使用するほど満員御礼状態。しかも荷物置き場がなく、膝の上にでかいザックを置いて揺られること約1時間半。ある意味でこのバスが今回の難所だった(笑)

冒頭の写真は大台ケ原から眺めることができる熊野灘。大杉峡谷の谷沿いや樹林の中を歩いた後、山頂直下で景色が一変。閉鎖的な雰囲気から開放的な眺めに劇的に変わる

まずは名古屋駅。今回は3泊目に避難小屋泊を予定しているので、テントこそないものの、大きなザックに寝袋、コンロなど詰め込んできた

大きな登山用ザックを担いでいるのに、中央本線でもなく高山線でもなく、紀伊勝浦行きのワイドビュー南紀1号で松阪の先の三瀬谷駅を目指す。何か違和感あるなぁ

登山バスで重いザックを膝の上に置き苦痛の1時間、登山指導センターに着いた。ここで全員が三重県警の警察官に登山届を提出し、指導員から注意事項を受ける

さらに乗車20分。12時に登山口に到着。バスを降りて軽く昼食を取り、いざ出発

きれいな川。四国の四万十川や仁淀川、同じ三重県にある「見えないものが見える川」と言われる「銚子川」にも負けない澄んだ川だ

出ました。黒部峡谷の「下の廊下」や「水平歩道」のミニバージョンといったところだろうか。岩を削って作った「コの字」の登山道。でもこの手の「コの字」はごくわずか

いくつもの吊橋を渡る。どれも意外と揺れない

標高が低いので、紅葉はまだ早いようだ。大杉谷というほどだから、紅葉しないスギなどの針葉樹が多いのかも?

何とも気持ちがいい渓谷だ。もちろん11月の晴れで、気温が低いこともあるのだが・・

ザックが重く下ばかり見て歩いていたので、幹が横になっているこの木に頭をひどくぶつけた。そのはずみで転倒して脛を何かに強打し、山小屋に着いてみたら紫色に腫れ上がっていた(これを書いている今も)。写真は起き上がって、来た道を振り返って写したもの

頭をぶつけてひっくり返った際に、おそらく左の木の幹か何かに脛をぶつけたようだ。そのおかげで落ちずに止まった。落ち筋が悪ければ沢にドボンだったかも

時々色付いている木がアクセントになり、目を楽しませてくれる

すぐに千尋滝が現れる。この後もいくつかの滝があり変化に富んだ渓谷美を見せてくれる

千尋滝には滝を眺める休憩所もある

岩場の登りもあるが、落ち着いて登れば大丈夫。ただし、岩が濡れているときは要注意

黒部峡谷の道に比べれば谷までの高さはさほどないが、それでも滑落すれば大けがではすまない事故になる

時々登山道は谷まで下りて谷沿いを進む。川原での絶好の休憩ポイント

大岩の上に根を張る木。すごい!

何とか滝(名前を忘れてしまった)

平等グラ吊橋と右側の断崖

大杉谷は吉野熊野国立公園の中。この自然をこのままの姿で後世に残したいものだ

夏ならざぶんと飛び込みたくなってしまいそうな本当にきれいな流れ

本日最後の吊橋。いくつ渡ったか忘れてしまった。桃ノ木小屋に到着。定員200名

歴史を感じる。小さいけどお風呂にも入れる(湯船は3人が限界)。汗を流せるのはありがたい

2日目(24日)の朝6時半に小屋を出る。すぐに「コの字」が出てくる

滑り台のような滝。沢登りをやる人達にはたまらないコースだろうな

まずは七つ釜滝(七つ全部は見えない)

七つ滝上吊橋から下流方面。今日も素晴らしい天気

光滝。この先しばらくは崩落地点のため速やかに通過するよう注意看板がある

左側は谷が深くちょっと怖い。鎖を握る手に自然と力が入る

堂倉滝は大きくて立派な滝だった。ここから先は渓谷を離れ、山道の急登が始まる

樹林帯の急登を終えるとポッコリ林道に出る。ちょうどトラックが登ってきた。ちょっと拍子抜け。まっすぐ少し進めば粟谷小屋。宿泊利用可能。水場あり

林道を50m位進むと左手に登山道が続いている

雪が降ったのではなく、枝に着いた霧氷が落ちた跡のようだ。22日は天気が悪く雲がかかっていたようで、23日朝はすごい霧氷が見られたとか

ボーっと歩いても滑落しようもない樹林帯のハイキングコースのような登山道を登ること30分。いきなり視界が開けてこの景色。そして冒頭の写真の熊野灘の絶景

大台ケ原(日出ケ岳)山頂、1695m。展望台からの絶景に思わず笑顔。居合わせた山ガールさんに撮ってもらった

熊野灘の反対側には、明日歩く大峯奥駈道の山並み。右の大普賢岳から中央の行者還岳、さらに左側に弥山、大峰山(八経ケ岳)が一望できる

八経ヶ岳の左には大峰山を構成する釈迦ケ岳のとがった姿が見える

大峯奥駈道方面のパノラマ

熊野灘方面のパノラマ。富士山も見えているはずだが、小さくてどれか分からない。望遠鏡が欲しい

山頂から下りる。反対側からは多くの観光客が登ってくる。駐車場から約30分。お手軽な百名山の一つ

大台ケ原は霧氷でも有名。朝日に染まりピンク色の花が咲いているように見える霧氷を見てみたいものだ

駐車場まで下りてきた。この山域もクマの生息地なんだ・・・

奈良交通の大和上市行きのバス。すぐ近くの案内所で13時半前頃から整理券の配布が始まる。人数確認のためであって乗る順番ではない。早く乗って好みの席を確保したい人は並ぶ必要あり

バスで約1時間。和佐又山登山口のバス停で途中下車。バスで偶然隣り合わせになった若者も和佐又山ヒュッテに向かうという。彼はテン泊で私は小屋泊だが、一緒に車道を約4.5キロ、標高差約400mを登る。汗をかいて上着を脱いでいる間に、差が開いてしまった。この坂道は地味に足に来る。彼も明日は私と全く同じコースを歩くとのこと

大台ケ原方面の山だと思う。バスが通ってきた道が上の方に見える

さて、大杉渓谷は登山口から快適な渓谷歩きで期待に違わぬ素晴らしさだった。重いザックでバランスを崩さないようにチェーンをしっかり握って進んだ。こんなにチェーンがありがたく思えたのは久しぶり。雨で濡れていたら、さぞかし肝を冷やしただろうなと思う

宿泊した桃ノ木小屋では、小さいながらもお風呂があり、しこたま掻いた汗を流すことができ助かった。ほとんどの人がジャケットを着て歩いているのに、私はジャケットなしの薄着にもかかわらず汗ダラダラ。男性更年期でもあるまいし、全く嫌になる。若い頃からこうなのだから仕方ない

2日目は大杉渓谷の続きを歩き、その先から樹林帯の急な山道を登り、最後はハイキングコースのような道を進んだ。樹林帯を抜けて大台ケ原山頂直下で振り返ると、渓谷や樹林帯の閉鎖感とは打って変った熊野灘の開放的な絶景が目に飛び込んできた。何とも素晴らしい光景だった。こんな日に大杉渓谷を歩けたのはラッキーだった。雨の日の大杉渓谷もしっとりとして素晴らしいのだろうけど、私はこの方がいい。感謝感謝である

さて、3日目は和佐又山ヒュッテから大峯奥駈道の一部でもある大普賢岳から八経ヶ岳を縦走する。明日も素晴らしい山歩きとなりますように・・・(続く)

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なお、この山行のコース概況、タイムなどの詳細は、以下の記録を参照されたし

大台ヶ原・大峰山ー①(大杉渓谷→大台ヶ原) ☜ ヤマレコの記録

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