宣言解除で明治神宮へ初詣。1年たって、なんだかなぁ・・

年寄りの繰り言

非常事態宣言がやっと解除された。お正月の頃は第3波のピークで、初詣どころではなかった。神社仏閣も政府も自治体も、初詣の延期を要請していたが、1月7日には遅きに失した感のある非常事態宣言が発令され、身動きが取れなくなった

初詣を「不要不急の外出」の対象とするかどうか意見の分かれるところではあるが、非常事態宣言が解除されるまで見合わせていたら、こんな時期になってしまった。不要不急の外出自粛要請が3月末まで継続することは承知しているが、宣言が解除されたこのタイミングで初詣に出かけることにした

いつものごとく原宿側の南門から参道を歩く。私と同じような人がいるのかと思えば、ご覧の通り閑散としていて、図らずも気持ちの良い神宮の森の散策となった。明治天皇の崩御に伴って明治神宮が作られたのは大正時代。当時は樹木もほとんどなかった武蔵野の野原だったとか

広さは東京ドーム約15個分(約70万平方メートル)。元来、社殿の南側にあたるこの場所には、戦国大名の加藤家(加藤清正)や井伊家(井伊直政)の江戸下屋敷があった

随分と前にNHKの番組で、神宮の森を設計した当時の林学者たちの設計思想が紹介されていたが、それらの大名屋敷の日本庭園を生かしながら、作ったその時点の景観ではなく、100年、200年後に森が育ち、植生が変化していく姿を思い描きながら365種類の樹木が計画的に植えられたという話が紹介されていた

150年ほどが経過し、常緑樹から落葉樹へと徐々に植生が変化していき、林学者たちの思惑通りに素晴らしい森へと変化し続け、都心のオアシスのような空間になっている

酒樽やワイン樽の前を通り、大鳥居までやってきた。左手の木々の中から鶯のさえずりも聞こえた。人が多い上野公園や目黒川のお花見などに行くよりも、参道から外れて御苑の中を散策した方がよほど気分転換になるのではないか。桜はないけど・・


正月三が日は人出が多く行列が遅々として進まないので、いつもは4日から7日までの間に初詣に出かける。悪いことが続くと、たまに気分転換にお参りにやってくるのだが、正月でなくても普段から外国人を含めて観光客がそれなりにいる。コロナ禍の今は、本当に静かな参道歩きが楽しめる

本殿までやってきた。左右には大きな楠(クスノキ)が見事だ。左側は二本の楠が一緒になっていて、「夫婦楠」と呼ばれている。本殿前では静かにゆっくりとお参りすることができた

ここからは愚痴
第1波を誘発したとされる昨年三月の三連休から一年。遅々として進まぬコロナへの対応に「なんだかなぁ」と思うのは私だけではあるまい

1.PCR検査体制

PCR検査能力は徐々に上がってきたが、量的に十分とはいえず、まして変異型の検出体制については不安だらけだ。検査体制そのものも脆弱だが、運用をコントロールする保健所機能もマヒしている

2.保健所機能

保健所を基軸にして感染を追跡する平時のやり方はすでに破綻し、第3波の際には追跡を諦めた自治体も少なくない。イギリス型などの変異型コロナの感染をしっかり追跡して封じ込めるためには、保健所に変わる仕組みが必要なのは明らかだ

区や市などの自治体では、もう手に負えないのだから、コロナに特化した保健所に変わる対応組織を国の管轄下で全国に配備すべきではないか

3.コロナ病床確保

相変わらず病床の逼迫度合いは改善されず、より大きな第4波や第5波が来た時に破綻することは目に見えている。にもかかわらず、コロナ用の病床は全体の数パーセントにとどまり、病床数は一向に増えない

イギリス型、ブラジル型など、変異型により病床管理方法を変える必要があるとのことで、ますます病床の管理は難しくなり逼迫していく

政府が自治体に病床数確保を指示し、自治体が病院に要請するものの、コロナ病床への転換や増床はごく一部に留まる。民間病院は二の足を踏んでなかなか転換できないのだから、政府や地方自治体主導で国立、都立、県立などの公立病院を選択的にコロナ対応病院に変えて病床を増やすべきではないか

4.感染拡大抑止策
お願いベースの緊急事態宣言の効果の限界が見えた今、さらに大きな波に対する戦い方が見えない。ワクチン接種前に次の感染拡大がやってきた時に、これまでと同じ方法で感染者数を下げていくには無理がある。短期間で効率的に抑え込むには、ピンポイントの限定的なロックダウンは避けて通れないと考える


自由や人権などにおいて、日本よりずっと国民の意識が高い西洋諸国でさえロックダウンを行っている。日本もコロナに限定した時限立法的なロックダウン法を準備すべきだと思う。第1波が下火になった時も、第2波が下火になった時も、国会は閉じられ有効な手立てを準備することもなく漫然と時を過ごした

与党は都合の悪い不正などの追求から逃れるために閉会するのではなく、ロックダウンなどのより強い感染防止策を提示すべきだ。野党も不正追及は大事だが、独自のコロナとの戦い方を提案し、与党にとって代わり国難を救う意気込みを国民に見せて然るべきではないか

5.感染症という有事への対応

「コントロールタワーの不在」、この一語に尽きると思う。特定の地域の問題ではない。日本全体におよぶ災厄だ。地方自治体と中央政府が責任のなすり合いをする姿など、もう見たくもない。コロナを抑え込むことに限定して、国が権限を一元的に持つ体制を作ってはどうか


第二次大戦を思い出し、このような権限を国に与えることに二の足を踏む人が少なからずいることは理解できる。しかしながら、コロナ以上に致死力の強い感染症が蔓延すれば、今回のような後手後手の対応では国が滅んでしまう。万一の非常事態に備えた体制を機動的に発動できるように今こそ議論をつくし整備しておく必要がある

今回はここまで。愚痴を言えば切りがない。でも、これまでの行政府、立法府の不甲斐ない対応を見ていると、「なんだかなぁ・・」とため息が出るばかりだ

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