2018.07.28 15:57
迂闊だった。7月初旬の豪雨で濁河温泉からの登山道がやられて岐阜県側からは当分登れないと思い込んでいた。ネットで濁河温泉から数キロしか離れていない胡桃島キャンプ場から登れることに気づく。このルートは、途中で濁河温泉からの登山道に合流する。登山道のダメージもなく登れるというので、早速出かけることに。週末はヘンテコな進路を進む台風12号が来そうなので、金曜日に会社を休んで出かけた
冒頭の写真は、四ノ池と継子岳Ⅱ峰(右)と継子岳(左奥)。夏の御嶽山の尾根歩きを存分に楽しんだ
朝3時過ぎに高山のアパートを出て、胡桃島キャンプ場の入り口に4時15分ごろ到着。登山者の車はキャンプ場に入れない。周辺に駐車スペースはなく、手前の道を100mほど坂の上に行き、ちょっと幅のある路肩に駐車した。6‐7台は縦列駐車できるかな。この登山口のネックは、車でしか行けないのに駐車場がないこと。仕方ないか。普段はみんな濁河温泉の登山口を利用するので、ここはキャンプかコテージに来た人くらいしか利用しないのだから
下山した時に撮った路肩駐車の写真。この日は私の車を含めて4台が駐車
胡桃島から登るのは今回が初めて。意外と快適でよく整備された登山道に驚く。濁河温泉からの登山道とは「のぞき岩」のすぐ手前で合流する。ずっと樹林帯を歩くので展望はない
セリバシオガマが登山道沿いに一杯咲いていた
合流地点。左が濁河温泉からの登山道。右が胡桃島からの登山道。ここの分岐から登山口までは、胡桃島の方が500mだけ長い
すぐにのぞき岩が現れる。摩利支天への尾根が見える。他に何が見えるかって?
のぞき岩の上に立つと、2本の滝が見える
コバイケイソウの花。随分と背高のっぽ
カラマツソウ。終わりかけかな
樹林帯の上部までやってきた。左手の斜面沿いに乗鞍岳が見える、その左奥の左右対称のとんがりが笠ヶ岳
樹林帯を抜けるとハイマツ帯を進む。空の青さが気持ちいい。朝早く出てよかった。ハイマツ帯も朝日の影になって涼しい
アキノキリンソウではなく、ミヤマアキノキリンソウだと思う。ハイマツ帯に寄り添うようにところどころ咲いていた
オンタデ。黄色から赤色に変化中
イワギキョウもあちらこちらに咲いてアクセントを添える
ハイマツ帯が終わると高山植物の女王と呼ばれるコマクサの群生地が現れる。左はまだ黄色いオンタデ
群生地の保護のため緑のロープが張ってある。もっともっと復活することを願う
五の池小屋(飛騨山頂)に到着。この時点で8時。悪くない。ここからは稜線歩きで風も通る。五の池小屋の前にあるテラスの土台が先の豪雨で崩れってしまったようだ。そのため小屋の前は通れないので、小屋の後ろ側にある飛騨山頂神社から小屋を回り込む
小屋のすぐ先から三ノ池が見下せる。後で池の向こう側の稜線を歩く。池の奥には中央アルプス、その奥に南アルプスが重なって見える
富士山の頭も見えている(中央やや右)
小屋のご主人と少しお話をして、摩利支天を目指す。斜面に登山道が見える。積雪期は斜面のトラバースは気持ち悪いので尾根伝いに進む
摩利支天乗越まで登り上げると、御嶽山の本峰がドカンと現れる。今日は噴煙が出ていない
摩利支天へ続く尾根。尾根の左下(本峰側)を巻いて進む
トラバース路にはミヤマダイコンソウや
イワギキョウが所々に咲いている
こちらはチシマギキョウ
摩利支天に到着。背後は本峰の剣が峰。誰もいないし、ミニ三脚を忘れたので、スマホで自撮りできない
本峰の右側には継母岳。半径1キロの入山規制区域に入っているので、今は登れない
さて摩利支天乗越までもどろう。積雪期は右側斜面に見えるトラバース路は滑落が怖くて使えないので、この稜線伝いに進む。もちろん今は来た道と同じトラバース路を戻る
戻りもチシマギキョウや
イワベンケイが楽しませてくれる
さて、三ノ池に向けて下りよう
下りの途中のトラバース路でヨツバシオガマや
イワオトギリや
こんな花が咲いていた(名前が分からない)
三ノ池の湖畔に下りた。龍神がまつられる池だ。澄んだきれいな水
五の池小屋と反対側の尾根から三ノ池を見下ろす。空より青い
最初に下り立った湖畔から反対側まで回ってきた。いつ見ても神秘的な池だ
次は四ノ池を目指して下る。背後の左奥の継子岳を目指す
四ノ池には池はなく沢が幾筋か流れる
2700mを流れる天空のせせらぎ。まるで南米ギニア高地のミニチュアのよう。ということは・・
やはり滝になって落ちていく。エンジェルフォールと規模は違うが、こちらも素晴らしい自然の造形
まずは継子岳Ⅱ峰を目指して進む
Ⅱ峰を登りきるとフラットな登山道になる。両側の緑のロープはコマクサなどの高山植物の再生のため。中には登山道に咲く強者のコマクサも
継子岳山頂。本日の登りはこれにて終了。ここでお昼ご飯のコンビニおにぎり
右奥の摩利支天から左手前の継子岳Ⅱ峰までをパノラマ。気持ちの良い稜線歩きだった
左手前の乗鞍は雲に隠れているが、中央奥には奥穂から前穂の吊り尾根が見えている
尾根伝いに五の池小屋へほぼ水平移動。途中、イワツメクサとイワギキョウがコラボ
五の池小屋に戻ってきた
小屋に立ち寄り、コーヒーとシフォンケーキをいただく。コーヒーは注文後にドリップしてくれる。窓ガラス越しに摩利支天への尾根道
小屋の前の五ノ池は暑さが続いて涸れ涸れ。台風の雨でまた池になるかな
最後に小屋のすぐ裏にある飛騨山頂神社にお参り。さぁ、そろそろ下山の時間だ
分岐ののぞき岩まで下りてきた。とても気持ちの良い稜線歩きだった。ありがとう
これで御嶽の夏山も楽しめた。暑さに滅法弱いので、薄明りの4時半に登山開始。高山のアパートから胡桃島キャンプ場まで1時間ちょっとだから早朝も楽ちん。飛騨山頂直下のハイマツ帯が終了するところまで日陰を進むことができ涼しかった
真夏なのにこんなに汗をかかないのは珍しい。おかげで、0.9Lのポカリ1本と0.5Lの綾鷹1本で全行程を済ませた。ザックには手つかずの0.9Lボトル2本が残ったまま
今回は摩利支天までの往復ではなく、三ノ池や四ノ池を周回するコースを取って、変化にとんだ気持ちよい稜線歩きを楽しんだ。いつも夏は暑さで「夏眠」状態になるのだが、これなら山に出かけられると、調子にのってしまいそう。折角、高山にいるんだから、地の利を生かして出かけよう
そろそろ北アかな・・・
なお、この山行のコース概況、タイムなどの詳細は、以下の記録を参照されたし
山行記録: 御嶽山。2018年夏 ☜ ヤマレコの記録