2017.10.11 15:42
紅葉もピークを終えつつある谷川岳に出かけた。谷川岳には2つの有名な縦走コースがある。「主脈縦走」と呼ばれるコースと「馬蹄形縦走」と呼ばれるコースだ。若い人たちは、どちらも日帰りで歩くことを目指して挑む。年寄りの私にはどちらのコースも日帰りは厳しい。ならば、2つの縦走を山中一泊で繋げてみようというのが、今回の計画である。
冒頭の写真は、2日目の馬蹄形縦走の難所、清水峠からジャンクションピークへの登り返し。熱中症にやられ、何度も休憩しながら登った。実はここで大失速し、2日間で終えるはずの縦走が3日になってしまった
まずは苗場スキー場のすぐ近く、平標山(たいらっぴょうやま)登山口から主脈縦走に向けて登り始める。この日は関東一帯が30度近くの季節外れの暑さになり、ここまで登るのに汗ぐっしょり。先が思いやられる
ガスっていたので、太陽の光で自分の影がガスや雲に映るブロッケン現象が見られた。2‐3年前に八ケ岳で遭遇して以来だ。幸先良い
白い虹まで現れた。霧虹とも呼ばれる。何だかツキすぎのような・・
最初のピーク平標山。ここが谷川連峰の主脈の端っこ。いい天気だ
遠くに浅間連峰が見える。今日は噴煙は出ていないな。早く入山規制が解除されないかな
富士山の頭も見えた
雲の上にテーブル状の特徴的な苗場山が姿を見せる
奥には北アルプスの後立山連峰の山並みも見える
白馬三山、唐松岳、五竜岳。鹿島槍が左端にかろうじて見える
こちらは榛名山系
奥に赤城山系も見える
これから向かう山々。手前の稜線を越えて真ん中の稜線まで進む。真ん中の稜線の右が谷川岳の双耳峰。左に一ノ倉岳と茂倉岳。今日は茂倉岳の避難小屋を目指す
中央奥には尾瀬の燧ケ岳と至仏山
次は仙ノ倉岳の稜線を目指す。主脈縦走の始まり
さらにエビス大黒の頭へと進む
ここから最低鞍部まで劇下り。その後は写真の左奥の万太郎山までは約400mを登り返す。主脈縦走で一番きつかった部分
山肌の紅葉もピークかな
万太郎山。なかなか近づかない
やっと万太郎山頂。主脈の半分くらい
笹の緑と紅葉がいいコントラスト
万太郎山から下る途中で振り返って
次に目指す大障子の頭。アップダウンの繰り返し
その前に万太郎山を振り返って。よく歩いてきたもんだ
小障子の頭に到着。避難小屋泊装備(寝袋、マット、ガスコンロ、食材など)を詰め込んだ65Lのザックが重い)
最後にオジカ沢の頭を目指す。あれを越せば谷川岳本峰だ。ここまでコースタイムを上回るペースで進んでいる。明るいうちに避難小屋に着けそうだ
ガスの合間に谷川岳の肩の小屋が見える。この登り返しで大失速。体力の限界か。
コースタイムを縮めた貯金をここでチャラにしてしまう
ゴールの茂倉避難小屋は中央左の山の肩にある。到着時間がちょっとヤバい
谷側の双耳峰をトマノ耳からオキの耳へ歩いている途中で、またもブロッケン現象現れる。朝夕に遭遇するとはなんとラッキーな
谷側のトマの耳を振り返る。左の壁は魔の壁と呼ばれ、多くのクライマーの命を奪った岩壁
明日は馬蹄形を縦走し、正面の山に時計回りで縦走する。歩き通せるかな?
太陽は沈んでしまった。小屋には6時ごろの到着となった。3連休で小屋は満員。遅くの到着で皆さんに迷惑をかけた。寝ている人もいて、夕食を作って食べられる雰囲気ではなく、肩の小屋で仕入れた缶ビール一本で寝ることに
雲が多く、ちょっと遅めのご来光
反対側にはお月様
さぁ、今日も頑張ろう。まずは下って武能岳への登り返し。初っ端から身に応える
昨夜泊まった茂倉方面。右奥には昨日歩いた主脈の山並み
小学生とその母親のグループ。私が進む馬蹄形を逆回りでやってきたようだ。昨日は蓬ヒュッテに泊まったとか。なぜかお父さんはいない。インストラクターの男性のみ
蓬ヒュッテまで下り、七ツ小屋山を目指す
七ツ小屋山から清水峠に下りる。その奥がジャンクションピークへの登り返し
長閑でいい風景だ。この時はまだ余裕があった
そしていよいよ2日目の最大の難所。約500mの登り返し。蓄積した疲労が効いてくる
ジャンクションピークから越後の巻機山へつながる尾根
ジャンクションピークを登り切り、朝日岳への木道を進む。難所を登り切り一安心したのも束の間、次の笠ヶ岳への小刻みな登り返しにやられ、この日の下山を断念。笠ヶ岳山頂直下のドラム缶を横にしたような避難小屋に倒れ込むように入ってもう一泊
翌朝暗いうちに出発。まずは笠ヶ岳山頂に到達。ここからは基本的に下るのみ
ただし、その下りがやたらと長い。正面の白毛門への多少の登り返しもある
白毛門山頂に到達。ここからが長い下り
中央の谷に土合の駅や山の家が見える。あそこまで下るのか。車の回収があるので、9:56分の越後湯沢行の電車に乗りたい。逃すとの2‐3時間待ちぼうけ。
必死に下りて最後は小走りでぎりぎりセーフ。本当に疲れた
年寄りには欲張りすぎた計画だった。最後は水が底をついて、登ってくる人に貴重な水を一口ずつ分けてもらうという登山者としてはあるまじき失態。皆さんの好意で何とか山を下りられた。登山口まで下りて、沢の水をがぶ飲みし、頭から水を被った。汗もぬぐいたかったが、電車の時間もあり駅に急いだ
関東が真夏日に近い季節外れの暑さで、熱中症なのか脱水症のような症状に見舞われた。予定外の避難小屋泊では、水がほとんど底をつき夕飯も朝ごはんも作れなかった。仮に作っても疲労困憊で食事が喉を通らなかったと思うが。いつも災害用の水の濾過機を携帯しているのだが、沢などの水がないことには飲料水を作れない。水の持ち方を大いに反省させられた
さて、これを最後に関東の山ともしばらくお別れ。東北や関東、上信越の山々には本当に楽しませてもらった。再び訪れることができる日を楽しみにしたい
なお、この山行のコース概況、タイムなどの詳細は、以下の記録を参照されたし
山行記録: 谷川縦走、主脈+馬蹄=柄杓型。惨敗、恥を知れ! ☜ ヤマレコの記録