2017.09.22 22:10
3日目は奥大日岳へ行くことに。天気が回復すれば、稜線から一昨日登った立山連峰、昨日登った剱岳の素晴らしい姿を眺めることができる。出発が遅ければ遅いほど、天候の回復が期待できるが、夕飯の頃には家に帰りたいので、ヘッドランプを点灯して5時頃にヒュッテを出立。
結果は下山途中にガスが取れ、冒頭の写真のような眺望に恵まれた。雲間から姿を現した剱岳。左に続く稜線は北方稜線。こちらも八ツ峰と同じように岩稜を行くバリエーションルート。2週間前の北鎌尾根と同じく、ルートファインディングと岩登りの技術が要求される。八ツ峰は手が届かないので、北方稜線を先にやるかな
時間を戻して奥大日岳への稜線を進む。写真の左端中央にあるヒュッテから沢を渡ってこちら側の稜線に登ってきた。地獄谷の噴煙がよく見える。このままガスが取れてくれと祈る
ボーと歩いていたら、突然目の前に何かが・・。8羽の雷鳥の群れだ。保護色で登山道の色模様と重なり、足元に近づくまで気づかなかった。みんな同じ大きさで、どれが親鳥かも区別がつかない。それにしても8羽のファミリーとは珍しい
お腹から胸元にかけて白くなり始めている。雪のシーズンの保護色である純白の姿に変わるのももう間近
それはいいけど、道をあけてくれない。フラッシュで何度も写真を撮っているのに、逃げないどころか動かない
やむなく歩を進めると、雷鳥たちが登山道を先に進んで抜かせてくれない(笑)
目の上の肉冠と呼ばれる部分が少し赤くなっている。怒らせちゃったかな?許してたもれ
1羽、2羽と横の草むらにどいてくれて、あと1羽。これでやっと先に進めそうだ
先に進むとリンドウがまだ残っていた
すると今度は別の4羽のファミリーに遭遇
1羽が近づいてきた。肉冠が赤くなっている。これがオスの親鳥。警戒しているのかな?
雷鳥は中部山岳地帯の標高の高いところにしか棲まない国の特別天然記念物。3000羽くらいしか生息していない絶滅危惧種になりかけている鳥だ。合計12羽の雷鳥に会えるとは何とラッキーな! 早朝に出立したおかげだな。ガスガスで景色は見えないけど・・
山頂近くはチングルマの群生
昨夜の雨と今朝のガスで濡れて透き通ったイワツメクサ。水玉が瑞々しい
約2時間で山頂に一番乗り。やはり早すぎたか。ガスガスで何も見えず真っ白
一瞬、太陽が出かかったが、すぐに隠れてしまった。仕方ない、下山しよう
下山途中で、地獄谷の下方に立派な滝が見えた。ソーメン滝かな
谷の向こうに立山高原ロッジ(左)と天狗平山荘(右奥)が見えてきた。視界が広がった
登ってきた稜線も見えてきた
ナナカマドの実。葉もすぐに色づくだろう
剱岳方面にも青空が。山容を隠している雲が取れれば最高なのだが
だんだんガスが取れて視界が広がってきた
地獄谷の噴煙が雲を量産しているように見える(笑)
谷の向こうの立山高原ロッジ方面が見渡せるようになってきた。バックもいい感じ
下りてきた斜面の紅葉も見えてきた
錦秋はもう間近
前を向けば、稜線の先には剣御前から別山に連なる尾根が見えてきた
地獄谷の噴煙はもう雲を作ってない
雲間から剱岳の稜線も出てきた
おぉー、ついに出た。雲が剱の険しさを際立たせている
峻厳な山容が現れた。雷鳥だけでも幸運なのについている
本峰から左に延びる北方稜線。八ツ峰と同様に剱の代表的な岩稜だ
下りてきた奥大日岳方面を振り返って
登ってきた登山者たちも見とれている
いつの間にか快晴!雷鳥沢(中央下)の奥には立山三山
いい眺めだ。さほど心掛けは良くないのについている
昨夜の雨で水はけのよい雷鳥沢のテン場も湿っている。大変だったろうな
昨夜泊まった雷鳥沢ヒュッテもこの角度からは立派に見える(失礼!)
剣御前から別山の稜線
沢を渡って戻ってきた
今日の立山は風も穏やかで快晴。最高だね
ヒュッテに戻って荷物をまとめ帰途につく
「血の池」という物騒な名前の池
地獄谷を上から見下ろす。奥に奥大日岳
みくりが池。少しだけ風があり波で水面は鏡にならず
大観峰駅を発車したロープウェイから
帰りも放水していた
3日間の山行は無事終了。2日目の夕刻からの悪天はうまくヒュッテでかわしたが、本当は雷鳥沢で2泊目もテン泊したかった。まぁ、欲を言えばきりがない。好天に恵まれたことを感謝しよう。12羽の雷鳥にも会えたのだし・・
秋山もあとどれくらい楽しめるだろう。次回は東北のやり残している計画の実行かな?
山行2日目に戻る ☜ クリック
なお、この山行のコース概況、タイムなどの詳細は、以下の記録を参照されたし
山行記録: トロリーバス引退前に剱・立山へ ☜ ヤマレコの記録