浦安市の調査報告などによれば、越冬のために浦安界隈にやってくる渡り鳥は20種類以上はいるらしいのだが、ここ数年観察してきた限りでは、浦安の舞浜周辺で見かけた冬鳥は15種類だ。毎日のように見かける冬鳥から、滅多にお目にかかれない冬鳥までさまざま。今シーズンもトーキョー・ディズニーリゾートの外側を東京湾沿いに歩くウォーキングコースで観察を続けた。
300mのズームレンズと2倍のテレコンバーター(エクステンダー)の組み合わせで、マニュアルピント合わせに苦労しながら撮り続けた(安物同士の組み合わせで、オートフォーカスはとりあえず動くのだが、ピントがしっかり合わないので)。
今シーズンも何とか使用できそうな写真を選んで、2024秋から2025春にかけて浦安の舞浜エリアで見かけた冬鳥を、以下に総集編としてまとめた。
今シーズンも見かけた冬鳥
ヒドリガモ:カモ目カモ科マガモ属

マガモやコガモなどと同じく、岸に近いところにいることが多い。これらのカモは潜ることができず、浅瀬で岩に付いたコケや藻を食べる姿をよく見かける。水中に上半身を突っ込み、下半身を天に突き上げて藻や海藻などを食べる姿を見かけることもある。

オスは首から頭が赤茶色で額から嘴にかけて白い帯がある。オスは胴がグレー系なのに対し、メスは茶色系の羽根をしている。マガモのメスとよく似ているが嘴の黄色はない。
マガモ:カモ目カモ科マガモ属

マガモのつがい。オスの頭は光の反射の仕方で群青色にも見え、古来「青首」と呼ばれてきた。
左手前のメスは、他のカモ類のメスと同じく全体的に茶色系だ。胴の中程の羽根に鮮やかな青色が見え隠れするのと、嘴の先と周囲の黄色が特徴。

光の当たり方によっては、オスは首から頭にかけてビロードのような質感の鮮やかな緑色になる。私的にはマガモはこちらの姿だ。
コガモ:カモ目カモ科マガモ属

二年前に初めて見かけた。昨年初めてカラフルな頭部の撮影に成功した。今年はさらにしっかりと特徴を捉えることができた。4-6羽で旧江戸川が東京湾に注ぐあたり、ヨシが群生しているところで見かけることが多い。

コガモという名前の通り、小さめなサイズのを見かけることがほとんどなのだが、今シーズンは上の写真のような他のカモと同じくらいのサイズのコガモを見かけた。調べてみたら、マガモやヒドリガモより一回り小さいながらも、成鳥はそれなりの大きさになるようだ。
いつも群れで見かけるコガモは、コガモの子の群れなのか?
スズガモ:カモ目カモ科ハジロ属

横っ腹の白いのがスズガモのオス。胸から上と後部が黒色で、黄色い目がかわいい。頭部は光の当たり方で深い緑色がかって見えることも。メスは他のカモと同じように茶色系だが、嘴の付け根の頬辺りが白い。

飛行時にヒュッ、ヒュッという羽音をさせ、この羽音が鈴を振るように聞こえるので「鈴鴨」というのだが、なかなか音を聞くことはできない。マガモやヒドリガモなどと異なり、水中に潜って餌をとることができる。

浦安にやってくる冬鳥の中では、数の上で断トツ1位のスズガモ。4-5年前までは、ざっと700 – 800羽はいようかという大群が舞浜の海に浮かぶ光景は圧巻だった。今シーズンは昨年よりも多かったが、以前に比べると3割程度という感じだった。写真奥に見えるのは房総半島の里山の山並み。
ホシハジロ:カモ目カモ科ハジロ属

オスは背中がグレー系の白色で、首から上はビロードのような質感の赤茶色。目は赤い。背に星屑の模様があり、翼に白帯がでるので「星羽白」というらしい。いつも静かに浮いている印象。メスは他のカモと同じように全体が茶色系。

首を後ろに捻って背中の上に乗せる休息のポーズ?で浮かんでいることが多い。スズガモやカンムリカイツブリも同じような休息ポーズをとる。この三種類は群れが混在していることが多い。
キンクロハジロ:カモ目カモ科ハジロ属

今シーズン見かけたのは1回のみ。昨年同様、メスだけだった。オスは見かけなかったので、3年前に見かけたときの写真を卒業アルバムの欠席者のように入れておいた笑。
一見すると、オスはスズガモによく似た黒と白のツートンカラーで目も同じ黄色の鳥だ。スズガモの群れに紛れ込んでいることもある。スズガモと異なり背中の黒色がしっかりしていて大きく、後頭部にはメスより立派なポニーテールのような冠羽があるのが特徴だ。
ウミアイサ:カモ目カモ科ウミアイサ属

毎シーズン同じ場所(旧江戸川が東京湾に注ぎ込むあたり)にやってくる。オスは黒白茶の三色が特徴的。冠羽とよばれる飾り羽が後頭部にある。

メスは茶色系。オスと同様に冠羽があるが、オスの方が目立つ。
オオバン:ツル目クイナ科オオバン属

オスもメスも全身真っ黒で区別がつかない。顔の真ん中と嘴が白いのが特徴で、仮面ライダーのショッカーを思い出してしまう。目はオスもメスも赤い。川や海の岸に近いところに数羽の群れでいることが多い。

川岸に群れで上がって、草なのか昆虫なのか分からないが何かを啄んでいる姿を時々見かける。ヒドリガモの群れが一緒に川岸に上がっている光景も目にする。
カンムリカイツブリ:カイツブリ目カイツブリ科カンムリカイツブリ属

名前の通り頭に冠羽があるのだが、イラストや写真で見かけるような目立つ冠羽ではなく、浦安界隈のカンムリカイツブリは地味系の冠羽だ。冬の間はグレー系なのだが、春になると褐色に変わる。
ハジロカイツブリ:カイツブリ目カイツブリ科カンムリカイツブリ属

カンムリカイツブリに比べると、ハジロカイツブリはずっと小さくひ弱に見える。この体で遠くから渡ってくるのが驚き。赤い目が可愛い。

1-2羽か、多くても数羽程度の群れで見かけることが多い。この日は20羽弱の群れを見かけた。そろそろ旅立ちの準備だろうか? カイツブリは潜るのが得意で、20~30秒は潜っている。冬毛は灰色だが、カンムリカイツブリと同じく、北へ帰る頃には褐色になる。
セグロカモメ:チドリ目カモメ科カモメ属

黄色いくちばしの先の下側に赤い斑点を持つのが特徴。浦安エリアには年中いる留鳥のウミネコがいるのだが、大きさもパッと見も似ている。違いは、ウミネコのくちばしは先端の上下に赤と黒色の斑点を持つこと。セグロカモメは下のくちばしのみ赤斑がある。

カニか何かを捕まえたかな?
ユリカモメ:チドリ目カモメ科カモメ属

在原業平が東国に下って隅田川でみかけた際に、『名にし負はば いざ言問はむ都鳥 わが思ふ人は ありやなしやと』と和歌に詠んだ鳥と言われる。横顔を見ると、ヒラメやカレーのように両方の目が並んでいるように見えるが、目の後ろにあるのは黒い模様。
GW頃までには顔面が真っ黒に変身し、北へと帰っていく。日本では冬鳥だが、緯度の高いイギリスでは夏鳥であり、顔が真っ黒な姿なので、英名では“black-headed gull”という。

東京湾周辺でもよく見かけ、その親しみやすさから都民の鳥にも指定されている。背景は東京湾を挟んで見える都心方面のビル群。東京タワーやその右側にはほぼ同じ高さの麻布台ヒルズも見えている。
ミヤコドリ:チドリ目ミヤコドリ科ミヤコドリ属

業平に『都鳥』と詠われたユリカモメに対し、こちらが本家の(学術名上の)ミヤコドリだ。英名は“Oyster Catcher”。その名の通り、引き潮の時に現れる牡蠣殻の浅瀬にやってくる。飛んだ時に、羽にくっきりと目立つ太い白帯が現れてきれいだ。今シーズン出会えたのは2回だけ。
「みやこどり」という名前の鳥が2種類いることについて調べた結果は、昨年の総集編に紹介した。ご興味がある方は以下を参照されたし。
2024年冬鳥@浦安 ~総集編~ ☜ クリック
今シーズン見かけなかった冬鳥
オナガガモ:カモ目カモ科マガモ属

4シーズン前に一度だけ見かけて以来、全く見かけていない。グレーを基調に白や黒がアクセントになったスマートな美しい姿。
オオセグロカモメ:チドリ目カモメ科カモメ属

こちらも4シーズン前に撮影したオオセグロカモメと思われる鳥の写真。精悍な顔つきと濃いグレーの羽、ピンク系のアイリングが特徴。同じカモメでも愛嬌のあるユリカモメとは随分違う。舞浜沖で見かけるカモメ類の中では一番大きい。大きさは、ユリカモメ < カモメ < ウミネコ < セグロカモメ < オオセグロカモメの順。ただし、舞浜界隈ではカモメの飛来を今のところ見たことはない。
カモメ類は岸に打ち上げられた魚や動物の死骸、流れ着いたゴミ、そこに集まる虫など、何でも食べる習性があり「海辺の掃除屋」の異名がある。この時は手前に横たわる大きな魚の死骸が岸に打ち上げられていて、オオセグロカモメを見かけることができたようだ。羽を動かさず滑るように空を飛ぶ姿は、まるでワシやタカのようだった。あの姿をもう一度見たいものだ。
今シーズンも冬のウォーキングに楽しみを添えてくれた冬鳥たち。護岸補強工事のため、例年のルートの3割程度は歩くことができなかった。それでも昨年、一昨年とほぼ同じ種類の冬鳥を観察することができた。
さらに、今シーズンはちょっとうれしい「おまけ」があった。渡り鳥ではないが、この界隈でカワセミを見かけた。本ブログでも紹介した通り、初めて見かけたのはクリスマスイブの日だった。何かの間違いで迷い込んだものと思っていたが、二月末くらいまで5-6回は見かけた。
動きが速いので、マニュアルでピントを合わせている間に飛んで行ってしまい、なかなかカメラに収めることができなかった。このカワセミ、通年で姿を見せてくれると嬉しいのだが・・

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